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クッキング☆えんじょい   作者: 霜三矢 夜新
得意分野で勝負編
100/204

題15試合の前に―― コンビニなどの商品活用 12

 別にもうおビールを飲んでいると思われている訳じゃなさそうだと気づきはしたが、念の為とばかりに味を知った理由を教える。

「小学校に上がるか上がらない位の頃だったかしら。お母さんがコップにほんの少し残していたビールを興味本位で口に入れちゃって。それのせいじゃないかしら?」

 高美からビールの味を知ったエピソードを話してもらった風良が自分にも似たようなエピソードがあると語り出す。

「僕は中学生になる直前くらいなので――小学6年生の終わり頃に親父から口に含む程度飲んでみろって言われて。大人が飲んでいる飲み物、興味あるんだろ。家の中では治外法権……だって言われたら……こういう経験ある人って結構多いみたいでした」


 2人が軽くエピソードを話しあった後、先程の飲み物の話に戻った。

「ビールの原材料って麦じゃないですか。麦茶に何かを入れたらビールの味になるかもって思って試したんです。見つけた時は『おおっ!!』と思ったものです」

 この場面でこのなつかしい大人な味を飲む事になるとは! そう思っていた高美。つまり彼女は何かで知っていたという事である。

「クイズ形式に聞かれたところ悪いんだけど、わかっているのよね。これってあれでしょ『リトルビール』そんな気分になったけど私は苦味が好きじゃなかったわ。麦茶とサイダーをブレンドした味の変化に……」

「あのマイナー漫画を知っていたんですね。僕は自分でこの飲み物にたどり着いた後、マンガのネタとして使われていたのか残念とも感じました」


 風良と高美の2人が会話終了後、一時的に静かになる。出演者全員、番参と清からどんな話をしてもらえるだろうと注目していた。

「期待されている感じで緊張してしまうね。一応プロとして活動している以上堂々と振る舞うつもりだけど。僕からは皆が作った料理に合いそうな飲み物の候補を教えたいと思う」


 まずは風良の作った<筑前煮>を使用した料理に合いそうな飲み物を伝える。

「君達全員未成年だからアルコール飲料はもちろんあげないようにするから。そうだね、これには緑茶か玄米茶、他にブレンド茶なんかが良いんじゃないだろうか」

 確かに何かを飲むとしたらお茶系が良さそうだと風良も思っていた。彼は清が目指すべき対象だと再確認する。

「次は奏くんの料理についてだよ。揚げ物メインなおかずには烏龍茶が良いと思う。油の吸収とか体内の浄化作用があるから。食事と一緒にね、食前だと揚げ物を食べた後とかに体調を崩す人がいるからさ。もう一つのりんごドレッシングで味付けされているからあげサラダにはりんごジュースや酢飲料辺りが合いそうだね」

 清の理に適った飲み物チョイスに奏はうなっていた。


「さて、この料理は真奈さんのか。焼きおにぎりの方にはお茶が良いと思う、でもこっちの一品には意外に炭酸系が合う気がするよ。サイダーとかレモン系炭酸あたり」

 今、清から聞いている料理に合いそうな飲み物を考えるのは面白そうだと真奈も考えていた。この試合後、家などで結構早く試すかもしれない。


「次、行くよ。高美さんの2品、ラーメンとスープは水とかお茶が良さそうだね。他の飲み物も あるかと問われたらさっぱりした味わいの物をすすめるよ」

 清の意見に高美は予想通りだったとばかりにうなずいていた。


「今度は有音さんのやつか。マカロニサラダ豆乳ポタージュは豆乳を使ってはいるけど飲み物としてカウントしちゃいけないね。紅茶のレモンかミルク、またはフルーツ系の味が強い野菜飲料なんてどうだろう」

 聞かれたかなと思った有音は自分の作った料理と合いそうですと答える。


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