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Dungeon Maker -revision-  作者: 蝉時雨
《死薔薇の園》編
36/36

第一章<35>

なんかスマフォ覗いたら、書き終わったのがあった。多分一年くらい前に書き終わってるやつやわ…。

とりあえずよろしくお願いします。

 少しばかり昔のことを思い出す。

 自分はいわゆる箱娘だった。とある公爵家の娘。三人いるうちの末娘であった。将来など考えることもなかった。決めるのはわたしではない。お父様だ。

 それに不満はなかった。わたしは愛されていた。

 屋敷は愛で満ちていた。

 満ち溢れていた。

 誰も彼もがわたしに優しかった。でも、心のどこかで疑問に思っていた。愛されているのは、わたし? それとも、公爵家の娘という肩書き?

 わたしは外の世界を知らなかった。物語に出てくる騎士と姫のお話。賢明な竜と人間の王のお話。それらと外の世界はわたしにとっては同等のものだった。

 侍女にたまに訪ねてみることがあった。「――この館の外ってどんな世界なの?」

 決まって侍女は「お嬢様には不要な世界ですよ」と、そう言った。

 不要な世界。

 それならどうして存在するのか。

 わたしには不要な世界。でも、それじゃおかしい。わたしが食べている穀物。野菜。果物。家畜の肉。それら全ては外の世界のものだ。そしてわたしは、その不要な世界に生かされていると気付いた。

 不要な世界に生かされるわたし。

 むしろ不要なのはわたしの方なんじゃだろうか。

 そんな恐ろしいことが脳裏をよぎった。

 わたしは三人姉妹の末娘。そもそも、女が当主になることはない。古くからある血筋は、常に因習に囚われている。

 そう、囚われている。

 わたしも、籠の鳥だ。

 次第にわたしは外の世界を知りたくなった。渇望していた。

 ただの疑問は、確信に変わった。

 わたしは自由になりたかった。

 お姉様たちに相談は出来ない。侍女にも。ましてやお父様に知られれば折檻ものだ。

 だからわたしは計画を練った。

 この家を出る。

 外の世界を知る。

 ただの我儘だと、皆は言うだろう。

 知っている。それでもわたしは止められなかった。

 計画を実行する。

 武門の家系でよかった。壁をよじ登るなんて、お姉様じゃきっと出来ない。お姉様は二人とも、「乙女が木登りなんて、はしたないですわ」と言って、作法や、学問にばかり集中していたから。

 わたしは槍が得意だった。お姉様たちと違って、そういったことを幼い頃から好んでいた。槍術、剣術、弓術とひと通りのは習わされた。剣も弓も大して上手くならなかったけれど、槍術はそこそこに上達した。お母様の才能を受け継いでいる、と先生は言っていた。嬉しくもあり、少し寂しくもあった。

 わたしは屋敷を抜け出した。真っ暗な闇。生い茂る森は、闇色だった。

 怖かった。正直、引き返そうかなと思った。けど、今更戻れない。お父様の折檻の方が怖い。

 食料は蔵から拝借した。日持ちするもの。パンと干し肉。缶詰もあった。とにかく持てるだけ持った。なんだか冒険のような気持ちになって、胸が踊っていた。

 物語の主人公になったようだった。

 地図を見る。どこへ向かおう。

 たくさんの国がある。どれくらい広いんだろう。屋敷の中しか知らなかったわたしには想像もつかない。自分のいる国はわかる。アンティレア帝国。大陸の中部だ。隣接するのはセルド・ファジオ連邦のルアノ公国。

 まずはここに向かおう。

 でも、それじゃ近すぎる。もっと遠い世界を見てみたい。西か東。東は数多くの国がある。東端には小さな島。凰州とある。どんな国なんだろう。

 西の国は一つしかない。エンツェリア。広大な土地だ。一目で大国だと……大国? 本当に? 都市は五つしかない。これだけ広いのに。離児島のようだ。地図の上の染みか何かのように、ポツンポツンと点在している。

 見ればまるで地図が完成していない。不明な場所ばかりだ。変な国。そう思った。

 とにかく、ルアノ公国を目指した。

 甘かった。

 地図で見たら近いけど、普通に遠い。そもそもわたしは旅に慣れていない。すぐに足が痛くなって、座り込んで靴を脱いでみたら血豆だらけだった。

 食料は出来るだけ温存した。もともと小食だったから、わりと保ったけれど、ルアノ公国についた時にはもう底をついていた。

 問題はまだ尽きない。そもそも、わたしはそれまでお金を知らなかった。概念は知っていたけれど、こればかりは拝借も出来ず、わたしは無一文だった。

 ルアノ公国の国境で、わたしは国境警備隊の騎士に捕まった。いや、保護された、といった方がいいか。なにせ家柄がわかる服装だったから、最初から騎士は恭しい態度だった。

 金髪の若い騎士が言った。

「こんな遠いところまで、お一人で旅とは……よくぞ野党に襲われずにいられたものです。大した強運だ」

 野党、というのがその時はどんなものかわからなかったけれど、今思えば運が良かったとしか言いようがない。

 騎士はわたしを客人として招いてくれた。二日ほど滞在し、彼は迎えの連絡を入れると言った。それは不味い。

「なぜです?」

「それは……その……」

 わたしが渋っていると、彼は嘆息した。

「お家の事情、というわけでもなさそうですね。まさか、家出ですか?」

 速攻でバレた。

 もう少し上手な嘘を吐ければよかったけれど、そんな器量をわたしは持ち合わせていなかった。

 ここで終わりか。なんとも短い旅だった。十日ほどだ。でも旅をしている間は途方もなく長いように思えた。もう満足してもいいのもれない。

 彼は難しい顔をしていた。

「アレンティア帝国の公爵家となれば我々は無視できません……が、貴方はあくまで私の(・・)客人だ。たまたま(・・・・)国境で見かけた少女を保護しただけで、身なりでは判別出来ず、私はその少女が公爵家のご息女とはわからなかった……知ったのは少女が旅立たれた後だ」

 差し出したのは女性ものの旅装束。

 そして幾らかの路銀と、食料だった。

「私が貴方の正体に気付いたのは、明日でした」

 わたしは彼の言葉を理解した。

 お礼を言って旅支度をする。どこへ向かうのかと聞かれ、わたしは咄嗟に西と答えた。なんでそう答えたかはわからない。なんとなく、あの地図を見た瞬間から惹かれるものがあったのかもしれない。

 彼は国境付近まで送ってくれた。何度お礼をしても足りないけれど、わたしは再び旅を始めた。

 エンツェリア王国。広い大地。とにかく近くの街を目指そうとしたけれど、地図を見てもわかるよう街などはなく、ひたすら高原や草原、森を越えた。危険はあった。今までガまるで嘘かのような危険だらけだった。

 見たことのない化け物が闊歩しており、近くで野党のキャンプまであった。見つからなかったのはほとんど運だ。

 だけどそんな運も道中で使い果たした。遂に野党に見つかった。彼らは汚かった。獰猛な笑みを浮かべ、にじり寄ってくる。殺されるのだろうか。もしかしたら、もっとひどいことになるかもしれない。

 なんとか槍で応戦していたけれど、いきなりの実戦の難しさを思い知った。

 そんな時、彼女たちが現れた。

 最初はどこからともなく矢が飛んできて、野党を貫いた。まるで雨のように降り注ぐそれに、野党はたじたじになった。

 続けざまに現れたのが赤い髪の少女だった。ものすごい速さで野党に肉薄し、剣を振るう。踊りを踴ってるかのようだった。

「大丈夫!? 立てる!?」

 尻餅をついていたわたしに手を差し伸べ、わたしがそれに掴むと、彼女はぐいっと引いた。

「逃げるよ!」

 アニエとリュカ。わたしは彼女らと知り合い、そして彼女らが王都ネイルを目指していることを知った。理由は互いに知らない。彼女らもわたしに何も尋ねなかった。

 それでもわたし達は同年代だったのもあって、友達になった。初めての友達。旅の仲間だった。心強い。わたしは嬉しかった。

 王都ネイルまでは、自宅からルアノ公国までよりもさらに険しい道のりで、わたし達は苦労した。でも戦闘を繰り返すうちに、最初は噛み合わなかった連携もうまく行くようになって、わたし達は順調に進んでいた。

 順調ではあったけれど、王都ネイルに辿り着いた頃にはもう路銀も食料も尽きていて、また途方に暮れていた。ここには彼のような騎士はいない。アニエの話では、王都ネイルはお世辞にも治安のいい街ではない。誰かの助けは期待できないだろう。

 なら、自分達でどうにかするしかない。

 この国にはダンジョンメイカーという職業の人が大勢いるのだという。アニエはもともとそれになるためにここに来たのだとか。

 ダンジョンメイカーは地図を作る。国の地図が不明瞭だったことを思い出す。なるほど、この国は未だ不完全なのだ。

 登録自体は簡単らしく、すぐさまライセンスを手に入れた。でもあとは何をすればいいのか。誰かに聞こうとしてみたけれど、先の話から疑心暗鬼になっていた。軽々しく話しかけれない。

 そもそも、女がここではどういうものか、わたしはアニエに説明されるまでわかってなかった。あの時、アニエとリュカが助けてくれなかったら、わたしは大変な目にあっていたところだ。

 まずは依頼を受けることから始めてみた。けれど、なかなかうまく行かないもので、何度か死ぬ目にあった。化け物に追い回される経験なんて、屋敷の中では絶対にないだろう。

 何もかもが新鮮で、鮮烈だった。けれど、食べなきゃ人は生きていけない。食べるためにはお金がいる。こと王都ネイルは物価が高い。一食ありつくのにも苦労する。心身がヘトヘトだった。

 これが外の世界なんだと、わたしは思い知った。あの屋敷ではこんな苦労はなかった。今では生きるのに必死だ。

 生きている。

 そんな実感があった。

 だからこそ、わたしはここまでこうしていられたのかもしれない。

 本格的にお金がなくなった。そもそも、仕事をすれば装備が痛む。メンテナンスだって必要だ。稼いだ分のほとんどは装備に消える。お金。お金が必要だ。あと食べ物も。

 実りのいい仕事があった。メトス鉱山。少し遠いけれど、報酬は移動費を差し引いても今までより段違いだ。こんな仕事はそうそうない。そういうのは大体ベテランの人たちが取ってしまう。だから本当にラッキーだった。

 出発の日、そしてわたしは彼に出会った。

 重複していると思わなかった。かなり同じタイミングで登録したようで、そんな偶然が重なったこれは奇跡みたいなものなんだろう。

 最初は怖かった。荷馬車の中は薄暗かったし、彼の目はその中で怪しく光っていた。赤く。鮮烈に。今でも記憶に残る。

 そして彼は強かった。

 今までのわたしたちがまるでお遊戯だったみたいだと思えるほどに。それくらい、彼は段違いな力を持っていた。見た目は決して屈強な身体付きではない。むしろ線は細く、中性的ですらあった。粗野なようで、気品があった。そういう場所で生きてきたからか、なんとなくわかる。そう、例えるなら、物語に出てくるような勇敢な王子様のよう。

 優しく、そして強い。けど悲しそうな目をしている。なんでそんな悲しそうなんだろう。不思議と目が離せなくなる。

 綺麗な顔立ち。眠る彼は一転して眠り姫のようだった。そんなことを口に出したら、彼は怒るかもしれない。

 もっと見ていたい。きっとお母様は「はしたない」と窘めるだろう。男性の顔をまじまじと見つめるものではない。そう教えられた。あまり品のいい行為ではない。

 でも、溢れ出たこの思いは止まない。多分一目見た時からすでに惹かれていたのだと思う。リュカが「シエちゃんも恋する乙女なんだねぇ~」とニヤニヤしながら言った。

 そうなんだろうか。

 惹かれていることは事実だ。ただそれが本当に恋なのか。今までそんな経験をしたことがなかった。だからかも知れない、わたしには判別がつかなかった。

 わたしはわたしの気持ちがわからなかったけれど、一つだけ、彼の側にいたいと思ったのは紛れもなくわたしの本心だ。

 彼の瞳に帯びた悲しみの理由を知りたい。彼が見ている風景を同じ場所で見ることが出来れば、それがわかると信じていた。わたしのこの気持ちがなんなのか、それがわかると信じていたのだ。

 だけど過ちだった。

 わたしは欲張りだったのだ。だから罰が当たった。彼は途方もなく遥か彼方にいる。今まで籠の中で安穏と暮らしてきたわたしが簡単に追いつくことが出来るはずがない。

 わたしの中の「知りたい」という欲望は、いつしかそういったものを忘れさせていたのだ。

 結局、迷惑しかかけていない。わたしが追い付くどころか、むしろ彼がわたしに合わせてくれていた。気にかけ、骨を折ってくれた。

 わたしは馬鹿だった。

 そんなことさえわたしは知らなかったのだ。最低だ。心の底から彼に謝りたかった。けれども果たしてわたしにそんな資格があるのだろうか。

 むしろ合わせる顔すらない。わたしは彼を苦しめたのだから。身勝手な、自己満足のために。もうそれだけで胸がはちきれそうだった。

 わたしはこのまま消えてしまった方がいいのかもしれない。

 冷たくなっていく。

 氷の世界に閉ざされたかのように、ひどく寒い。

 このまま眠ってしまえば、きっと楽だろう。

 でも、それではわたしは本物の馬鹿になってしまう。最低の人間だ。わたしの家の家訓において最も重要とされていた、義を重んじるということ。

 恩義。

 わたしはまだ「ありがとう」の一言も言っていない。「ごめんなさい」だって言えていない。わたしのそれは逃げているだけだ。

 このまま眠っていいはずがない。

 怖い。彼がどんな顔をするのか。どんな罵声を浴びせるのかと想像するだけで、怖い。

 いや、きっとそんなことは言わないのだろう。彼は優しいから。たとえ思っていたとしても、口に出すことはないだろう。それが堪らなく辛い。

 わたしは彼に責められて、嫌われたいのか。そんなことはない。嫌われたくない。責められるのは仕方ないにしても、嫌われたくないのだ。

 わたしは我儘だ。

 欲張りで、我儘だ。

 こんなわたしを見て、彼はわたしをどう思うのだろう。知りたい。知りたくない。わたしは初めて知ることを恐れた。怖かった。

 どうしたらいいんだろう。もうどうしようもないのかもしれない。

 ――ああ。

 それなのに、なぜわたしはこんなにも温もりを感じるのだろう。悲しくなるほど、温かい。眠ってしまいそうな心が、そちらへと行こうとする。

 行っていいのだろうか。

 迷いがわたしをここに押し止めようとする。

 温もりが広がる。

 閉じ籠ろうとするわたしを引き上げようとする。

 いいのかな。

 いいんだ。

 そう言われた気がした。

 甘えたくなりそうな、優しい声だった。



 目を開けると、頬に誰かの手のひらが触れていた。ほんのりと暖かくて、心地よかった。

 部屋は暗い。どうやら夜みたいだ。

 そもそもここはどこなんだろう。微かに薬品の匂いがする。白い壁。白い天井。無機質なそれが、病室なんだと気付くまでには時間がかかった。

 初めて見たから、病院は来たことあるけれど、入院までしたことはない。仕方ないと思う。

「よかった……」

 暗い病室の中、誰かが側にいる。安堵の吐息を漏らして、優しくわたしの頬を撫でる。微かに月明かりが差し込み、赤い双眸が顕わになった。

「……ユキト、君……?」

「ああ」

 間違うはずがない。その声、その瞳。ユキト君だ。

 夢でも見ているのかと思った。

「本当に、ユキト君……?」

「別の誰かに見えるか?」

 首を横に振る。上手く身体が動いたかはわからないけれど。だけどユキト君は微笑んでくれた。

 心はこんなにも軽いのに、身体がひどく重い。

 わたしが身体を起こそうとするのに気付いたのか、ユキト君はそっと肩のあたりに手を置いた。

「無理はしなくていい」

「う、うん……」

 そんな優しい声て言われてしまうと、どうしようもない。枕に頭を埋める。

「ユキト君も、無事でよかった……」

「ああ……」

 少し浮かない表情になって、不安になる。

「何か、あったの?」

「まあ、色々な。でも、あれはやっつけた」

 頭が撫でられる。これ以上は聞かないでほしい。そう言われている気がした。

「さっき戻ってきたんだ」

 強引に話題を変えようとするユキト君に「そうなんだ」と返す。すると今度は真顔になる。

「そして時間的に、面会時間は過ぎてたりする……バレたら怒られる」

「忍び込んだの……?」

「造作もないな」

 今度は得意げに。コロコロと変化する表情は、どこか幼くなったような気すらする。なんとなく、ユキト君は慰めてくれているんじゃないかと思った。気にしなくていいんだと。

 だけど、それに甘えていてはいけないんだ。

「ユキト君」

「ん?」

「ごめんなさい。わたし……」

 唇に指が当てられた。細いけれど、男の人の硬い指の感触。驚いた。けど、それ以上に、なんだか恥ずかしい。

「もう聞いた。何度も謝らなくていい」

 指が離れる。なんだか、寂しくなった。

 まるで、お姉様にお気に入りのおもちゃを取り上げられたみたいな、そんな気分だった。どうしてか込み上げてくる涙を、必死で堪えた。

「でも……」

「誰が悪いってわけじゃない。こういうことはよくあることだ。そういう業界だしな」

 それでもいっぱい迷惑をかけたという事実だけは変わらない。沢山の人が傷付いた。ユキト君も。

「そんな顔しないでくれ。悲しくなる」

「ごめんなさい……」

 声は裏返っていて、ちょっとだけ震えていた。

 泣いちゃダメだ。また、ユキト君を困らせらる。

 そもそも、泣く権利なんてないのだから。

 でも。

「謝ってばっかだなぁ」

「ごめん、なさい……」

 ユキト君は小さくため息を吐いた。呆れられたかな。不安になった。けど、なおも頭に置かれる手は優しく、暖かい。

 目尻から堪えきれなかった涙が一雫、頬を伝っていった。ああ、この涙は、きっと違う。

「気に病むことはないんだ。他の奴のことまで、背負わなくていい。もちろん俺のことも。そういうのは、俺だけでいい」

 微笑んているのに、悲しげな顔。

 そんな顔をしないで欲しかった。

 傲慢だ。

 原因はどう繕っても自分にある。

 ああ、それでも。

 少しだけでいい。

 彼を癒やすことが出来るのなら。

 きっとわたしはそれ以外に望むものはない。

 それが。

 それだけが。

 欲張りなわたしが、外の世界に触れて唯一願うこと。

 この締め付けられるように痛くて、それでいてどこか温かい、この感情に名前をつけるのなら。

 きっと、これは恋と言うのだろう。

 わたしは彼に恋をしているんだ。


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