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part12

???の世界・王城


行方不明になった姫を探す衛兵や侍従

森に隠れる姫

いきなり現れ国見捨てる宣言した守護神←イマココ



「えっと、整理するとわたくしの扱いが酷いから国を捨てるということで合ってますの?」

「ああ、大体それであってるさね。そこに面白そうだというスパイスを振りかけてやれば完璧さ」

「しかし、どうするんですの?アルマ様がここにいると、ついでにわたくしも見つかりそうなのですが…」

「そんなもん、転移しちまえば一発さ。ほら、エリカの嬢ちゃんこっちおいで」


エリカを引き寄せ、手を繋ぐアルマ。その時、2人の足元に魔法陣が現れる。


「これが転移魔法ですの?」

「…違うよ。これはアタシの魔法じゃない。そもそもこんな魔法陣見た事ないよ。逃げた方がいいかもしれないね」


見知らぬ魔法陣に警戒する2人。しかし、この後聞こえてくる音声に、エリカは警戒をやめることとなる。


『縁とは、永遠に繋がるもの也』


「!アルマ様、逃げずとも大丈夫のようですわ」

「なんだい、今の声が何か知ってるのかい?」

「ええ、わたくしの故郷…いえ、前世と言った方がよろしいですわね。その地方の言い回しですわ」

「へえ。なら信じるよ。エニシとやらをね」


そして、森に一瞬の閃光が走る。光が消えると、そこにはもう誰もいなかった。


──────────────


輝がハンマーに触れ、眩い光が放たれた後、光が消えるとそこには──。


「ですわあぁぁあ!?」

「なんじゃあ!?ぐえっ」


上から高貴な少女が輝目掛けて降ってきた。あまりに急な出来事に流石の輝も対応できず、精々が少女を受け止めて倒れる程度だった。


(いって〜、女の子は無事かな?…なんか、右手に柔らかい感触が…なんだこれ?)モミモミ

「んっ、ふぁ」

(あっやべ、これもしかしておっぱいか!?)

「あ、あの…」

「ふぁい!…って、ここはどこですの?」


ハッとして起き上がり周囲を見渡す少女。それだけ見れば言葉遣いがお嬢様な普通の巨乳少女である。が、そこに至る経緯がそれを異常にしていた。


「…ねえ澪、あの子博のハンマーに触れたら来たわよね」

「そうね、梓。間違いなくハンマーから召喚されたわね」

「ってことは…」

「?皆様どうしたんですの?」


それらの経緯から導き出される答えは1つ。


「「「博なの!?」」」

「びっくりしましたわね。…博?………もしかして、勇呀ですの?」

「うん」

「そっちのお狐様は澪ですの?」

「ええ」

「それで、そちらの魔女様は…梓ですの?」

「いえい」

「っ、皆様…会いたかったですわ〜!」ギュッ

「やっぱりこうなるのかよ〜!?」


輝に飛び込んでくる少女(博)。その衝撃を抑えられず、輝は再び仰向けに押し倒される。

その際、少女の豊満な胸部がこれでもかという程輝に押し付けられており、輝はテントを張ろうとするもう1人の自分を抑えるので精一杯だった。結局、落ち着きを取り戻したアヤカとシエラが引き剥がしたことでようやく輝は解放されるのだった。



「お恥ずかしい所を見せてしまいましたわ…」

「…で、本当に博で合ってるのよね?」

「そうですわ。こほん、わたくしは西宮博あらため、エリカ・フォン・フレイ・ヴィルヘイム・ラ・ハムレインと申しますわ」


綺麗なカーテシーと共に名乗る少女改め、エリカ。その動作からはかつての博のような粗さは感じられず、エリカの高貴さを示していた。


「エリカ…え?」

「エリカ・フォン・フレイ・ヴィルヘイム・ラ・ハムレインですわ!」

「覚えにくっ」

「し、仕方ないではありませんか!王女として第2の生を受けて、今まで貴族の模範として過ごしてきたのですから…!」

「王女──え、王族なの!?大丈夫なの?今頃国大混乱なんじゃない?」

「あんな国、もう知りませんわ。だって、隣国との戦争でお国のためと武勲を上げたわたくしを他国のボンクラ王子に嫁がせようとしたんですのよ?ありえませんわ!」

「え、えぇ…」

『そうさ。エリカちゃんの言う通り、あんな国どうなっても知らないさ』

「この声は、アルマ様ですの?」

「あ、このパターンさっきも見た」

「どうせハンマーでしょ」

『よっと』


ハンマーから真紅の光が飛び出た後、人の形を成す。

現れたのは、焔のような髪色の女性。そう、守護神を退職したアルマである。


『エリカの嬢ちゃんが言ったように、アタシはアルマってんだ。そんで…アンタが勇呀って子か。ふんふん──ん、善い子みたいだね』

「あ、あの…近いんですが…?」

『ん?アタシみたいな美女に寄られるのは褒美じゃないのかい?』

「いや、まあ…それはそうですけど」

『ははっ、誤魔化さないか。潔さもあると』


しばらく輝を観察したアルマは輝から離れ、周囲を見ながら──


『にしても…アンタの好みが分かる気がするよ』


と言った。


「え、ちょ、どういう」

『ほれ。アタシも乳の大きさと柔らかさには自信あるぞ?』


そう言って自身の胸部をわしわしとするアルマ。


「ちょっ…」

『はは、冗談冗談。ちゃんと理性も働いてるみたいだね。ま、アタシはエリカの嬢ちゃんに着いてくって決めたんだ。その仲間のアンタらもアタシをこき使ってくれ』

「そんな、アルマ様にそのようなことできませんわっ」

『つったってねぇ。エリカの嬢ちゃん、アンタ今はこのハンマー使えないだろう?』

「うっ、それはそうですが…」

『エリカの嬢ちゃんは自分に合う武器を探しな。こいつはアタシが引き継ぐよ』

「…分かりました。ではよろしくお願いしますわ」

『あいよ〜』


そうしてハンマーの中に戻るアルマ。


「…このボインなですわが博って、まだ信じられないわ」

「そうよね。筋肉モリモリマッチョマンの変態が本当にこうなるとは思ってなかったわ」

「僕の肩バシバシ叩いてた博がなぁ」

「あの、皆様、わたくしの黒歴史を抉るのはやめませんこと?」

「脳筋だったのに今じゃ頭良さそうだし」

「たまにノンデリだったのがデリカシーの塊の貴族とはねぇ」

「あの、もうやめてくださいまし」

「なんでおっきくなった私よりおっきいのかね?」

「筋肉が全部おっぱいとお尻にいったのかしら?」

「にしても綺麗なシルバーのストレートヘアだね〜」

「お願いですからもうやめて下さいまし〜!」


少女の心からの絶叫が木霊するのだった。


──────────────


「それにしても、みんな相棒がいるね」

「そうね。私には魂切がいて」

「私にはラムドがいるわね」

「わたくしにはアルマ様がいますわね」


これにより、全ての武器に付喪神として宿る存在がいることになった。


「はあ、僕のだけいないのかぁ」

「大丈夫よ、大事にしてればそのうち」

「そうそう。それに私たちは後付けだし」

「そうかなぁ」


(輝殿の得物にもやべーのが憑いているが…言うのは野暮というものよの)

(輝のジュウとやらにも宿っておるが…もしかして妾にしか感じられないのか?)

(輝のにもすげぇのがいるけど、言わない方がいいやつさね)


付喪神たちは何かを感じているが、当人たちがそれに気づくことはまだない──。


────────────────


『ハアハア、ご主人様のどう見ても百合な純愛てえてぇのです。もうこれは百合よりも百合なのです。どすけべなのです!おっと、いけないいけないなのです。まだご主人様に感じ取られる訳にはいかないのです…』

「こら作者」


はいはい、作者ですよ。


「え、どなたですの?」

「作者だって」

「…なんで会話できてますの?」


そこ、気にしちゃダメよ。で、どうしたんだい輝くん。


「どこまで関わった?」


ああ、博くんがエリカちゃんになったことには私は何も関わってないよ。まあその後いろいろおっきくなるようにはしたけど。


「結局関わってるのかよ」


でもいいでしょ?どたぷんって感じで。


「それは認める」

「2人とも、変な話してないでしょうね?」


シテナイヨ。


『そう言えば、アルマとやら、ハンマーに閉じ込められとったのう。くく、妾と同じじゃな』


あ、アルマさんはああしないと力強すぎて博物館が壊れちゃうから私が意図的にさせてもらったんだよ。今のアルマさんは全力の4分の1くらいだよ。


『え、じゃあ妾は?』


運が悪かったとしか…。


『何でなのじゃ〜!』

『ははっ、龍っ子。そう落ち込みなさんな』

『むぅ〜』


さすがアルマさん、駄々っ子が一発で静かになった。


『誰が駄々っ子じゃ!』

「ふう、ようやく澪が許してくれた」


あ、おかえり。


「輝も作者さんも、次はもっと厳しくするからね?」


はい、気をつけます。


『かか、賑やかだの』


まあ、ここは本編とは関係ないからね。


「メタい、メタすぎる!」


何を今更w


──────────────

最後までお読みいただきありがとうございます!よければいいね・コメントをいただけると嬉しいです(作者のモチベにつながります)。次回ものんびりお待ちいただければ幸いでございます。

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