part11
福岡県・国立ダンジョン博物館
アヤカ(澪)が異世界から召還され、輝と念願の再開を果たし、そのまま他の2人もということでまずは梓の杖に触れる輝。魂切同様、触れた瞬間。
『縁とは、永遠に繋がるもの也』
杖から眩い光が発生し、部屋が白一色に染められる。
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???の世界・森の奥
「暇だ…」
『だったら手伝うのじゃ!妾だけに働かせるでないわ!』
暇を持て余した少女と、少女を叱りながら家事をする黒龍。
「だって、今日やること終わっちゃったし、魔法の研究もラムドのおかげで進むとこまで進んじゃったし」
『なんじゃったか、長寿化じゃったかの?短命種の人の子が長寿を求めるのは分かるが、そうまでして永く生きたいものかの?恋人もおらぬのに』
「ぐさっ。ラムド、一言多い」
『事実じゃから仕方ないじゃろ』
「でもまあ、いるにはいるのよね。どこにいるかは分かんないけど」
『あー、前世の人の子じゃったか?そう都合よく転生しておるものかの?』
「してる。してると信じてる」
『まあ、信じる心は大切じゃな。…ん?』
少女の足元に、突如魔法陣が現れる。
『し、シエラ!逃げるのじゃ!』
「待って、こんな魔法陣知らない。研究する!」
『馬鹿言ってないで避けるのじゃ!』
『縁とは、永遠に繋がるもの也』
「!…ラムド、時が来たみたい」
『なに言っておるんじゃ!ついに頭もやられたのかの?』
「これで勇呀のところに行けるはず…!ラムドも来なさい」
『ちょ、こら、引っ張るでないわ!柔らかいものを頭に押し付けるでないわ!』
そして、少女と龍の視界は真っ白に染まる──。
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部屋が色彩を取り戻すと、そこには。
「よっと」
「…私、こんな感じで来たのね」
「そうだよ。えっと、梓で合ってる?」
杖に触れたことで現れたことから、梓であると推測する輝。
「ん…勇呀!」ガバッ
「おわぁっ!」
「どう見ても梓ね、この子」
「って、まさか澪なの!?」
「ええ、そうよ。今世ではアヤカって名前だけどね。それと、そろそろ離してあげなさい。輝…勇呀、窒息するわよ?」
「あ、ごめん」
再会の嬉しさについ輝に抱きついた梓。
「けほけほ、大丈夫。今世の僕は結城輝。勇呀の遠い親戚にあたるみたい」
「そうなんだ。今世の私はシエラ・イルセ・ハルミディア。魔女をしてるわ」
「魔法を極めてた梓らしいね」
「ぶい」
「…でも、梓こんなにボケ寄りだったかしら?」
「まあ、ほら。成長と共に性格も変わるんだよ、多分きっと」
輝が右腕をアヤカに、左腕をシエラに抱きしめられているという点を除けば和やかな雰囲気が流れる部屋。
『こらー!妾を放っておくでないわ!』
「あ、忘れてた」
『なんじゃと!?酷いのじゃ!』
「えっと、この声はどこから?」
『ここじゃ!ここ!のじゃー!』
杖から漆黒の影が現れ、人の形を成す。
『やっと解放されたのじゃ…。シエラ!巻き込んだ上に杖なんぞに閉じ込めるでないわ!』
「巻き込んだのは私だけど閉じ込めてはない」
『え?』
「え?」
『じゃあ妾、なんで閉じ込められたのじゃ?』
「運が悪かったとしか」
『理不尽なのじゃ…』
「なにこの子可愛い」
『妾に気安く触るで…でっか』
不憫なラムドの頭を撫でようとしたアヤカの手を払いのけたラムドだったが、ある部分を見て絶句してしまった。
『いいもん、妾まだ若いからこれからじゃもん。いつかはぼいんぼいんになってやるんじゃもん』
「えっと、こういう時なんて声をかければ…?」
『!まな板なのじゃ!』
「あ、輝は男の娘よ?」
『ガビーン!』
「この子面白いな」
『むむむ…、妾の威厳がどんどん消えてる気がするのじゃ。と、自己紹介をしてやろう!妾はラムド・スレイン。とあるのっぴきならない事情でシエラと同居することになった黒龍なのじゃ。よろしく頼むのじゃ。黒龍なのじゃ!』
「2回言ったな」
「のっぴきならない事情って?」
「面白がって私にけん」
『わーわー!言うで無いのじゃ!龍としての威厳が消えてしまうのじゃ〜!』
「ま、まあラムドちゃん?これからよろしくね」
『うむ。人の子らもよろしくなのじゃ』
なんとか最低限の威厳は守り通すことができたラムド。彼女は少し、いや、かなり不憫な龍である。
「で、どうする?博は」
「そりゃ、2人とも来たんだしやるでしょ」
「そうよね。…博、どうなってるだろうなぁ」
「今世でも筋肉モリモリマッチョマンの変態になってたりして」
「あはは、そうなってたら皆で笑ってあげましょ」
「案外女の子になってたりしないかな?」
「それはないんじゃないかしら」
「デスヨネー」
「「「アッハッハ」」」
『な、なんじゃこいつら…傍から見たらキャットファイトしとるのに和やかなんじゃが…』
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???の世界・王宮
「姫様ー!どこにおられるのですか!?」
「エリカお嬢様ー!?」
騒然とする城内。そしてその中心人物は、城の離れに繋がる森にいた。
「…まだ見つかってはいませんわね。はぁ、国のためと思って戦場に赴き、戦果を上げたと思ったら。政略結婚で隣国のボンクラ王子に嫁がされるなんて。流石のわたくしも勘弁ですわ。それにボンクラ王子は女癖が悪いと聞きますし、どうせわたくしのカラダが目当てなのでしょう」
周りに人がいないことを確認した上で、愚痴を零す少女。
「わたくしが純潔を捧げるのはただ1人、勇呀だけですわ。折角女に転生した身、それくらいは願っても許されますわよね」
果たして、少女が城の者に見つかり、騒動が沈静化されることはあるのだろうか──。
城から離れた山の上。そこに1人の女性が胡座をかいて座っていた。
「ったく、そろそろこの国も終わりかねぇ。せっかくエリカの嬢ちゃんが実力示したってのに、政治の駒としか見てないじゃないか。守護神たるアタシが女で武を重んじるってこと、忘れてんじゃないのかね?…駄目だな、昔っからこの国は嫌いだったが今回のこれで堪忍袋の緒ってもんが切れたよ。アタシはこの国を見限ってやろうじゃないか。ついでにエリカの嬢ちゃんは保護しておこうかね。面白そうだし。よいせっと」
焔のように真っ赤な髪色の女性は立ち上がり、エリカのもとへと転移した。
「っ、誰ですの」
「驚かせちったね、エリカの嬢ちゃんや」
「アルマ様?どうされたんですの?まさかわたくしを連れ戻しに」
「違う違う。アタシはもうこの国は見限ったよ」
「え、え?」
「面白そうだし、エリカの嬢ちゃんについて行くことにしたさ」
「はい?」
「ま、そういうことだから安心しな。アタシはエリカの嬢ちゃんの味方だからね」
「???」
こうして、王女様と守護神のコンビが爆誕(片方はまだ理解していない)した。しかし、このコンビが何かする前に魔法陣が現れることになるのだが、それはまだ誰も知らない──。
さて、梓ちゃんにも来てもらった訳だが輝くん。
「…言われなくてもなんとなく分かる気がする」
「え、誰?」
『誰なのじゃ?』
私はしがない作者でございますよ。して、輝くん。
「…何さ」
シエラちゃんのおっぱいはいかが?
「素晴らしい」
ウンウン、私もそう思うよ。
『てか、貴様今作者と言ったのじゃ?』
ええ、そうですとも。
『妾を不憫属性にするでないわ!』
いや、転移場所までは私も指定できんよ。せいぜい同じ時空にやるのが精一杯だって。
『え、じゃあ妾が杖に閉じ込められたのは?』
運が悪かったね。
『あんまりなのじゃ〜!』
…可哀想だし、そのうちおっぱい上方修正しようか?
『出来るのか!?』ガバッ
まあ、できるっちゃできる。けど、それをするには羅刹と化したアヤカちゃん…澪ちゃんの許可を取る必要があるけど。
「怒った澪には逆らえない…」
「呼んだかしら?」
ヒュッ。
「さて、作者さん?何か言うことは?」
に、逃げるんだよ〜!
『…え、妾の巨乳化計画は?』
頑張るけどしばらく待って〜!
『理不尽なのじゃ〜!』
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