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83.モルセル逆上

今回は約1700文字! 超短いです(´・ω・`)

東雲以外のキャラも際立てたいと思うと、構成を区切るのがむつかしい(´・ω・`)

余計に冗長してしまう。ごめんよ。でも心が書きたがっているんだ!(*‘ω‘ *)

 東雲が顕現した竜剣は眩い光を放っていた。それは神竜種・リアレイダーの特性の一つ。

 

 淡く発光する鱗を圧縮・特殊加工することによって光を凝縮し、出力を範囲限定することによってできた光の刀身は高硬度鉱石・アダマンタイトをも溶かし切る。


 如何に魔力で生成された強力な結界と言えども、リアレイダーの力の前では無意味に等しい。故に強力な熱量を持った刀身はいとも簡単に封印結界を切り裂いた。


「こりゃたまげた……」


 グレゴリーは目の前で起きた事象に信じられないものを見たといった表情で呟く。無理もない。人智を越えた力に思考が追い付いていないのだ。


 驚いていたのはグレゴリーだけではない。至る所で戦闘していた者たちが敵味方関係なく、舞台中央へと釘付けになっていた。


 貴賓席で悦に入っていたモルセルは戦慄を覚える。あり得ないと。自身が用いる最高クラスの封印結界を容易く切り裂くとは思わなかったのだ。


 だが戦慄は徐々に怒りへと変わっていく。念願の宝玉を手に入れてたというのに、自身の障害へとなりえる男に対して。


「おのれ……おのれおれのれおのれー! 私の野望の邪魔をするというのかあぁぁぁぁ! 冒険者の分際があぁぁぁ!!」


 逆上したモルセルは宝玉をかざす。宝玉が鈍い光を放つと、階段状になっている観客席にいた魔物兵たちが一斉に東雲の方へと走り出した。今まで戦闘していた騎士兵士、選手たちに目もくれず、舞台中央にいる東雲へと向かって。


「まずいわっ! 彼の隣に女の子がいる!!」


 ゴンザレスとリリーの姿に気づいたソフィが駆けだそうとすると、ミドスがその前に立ちふさがる。


『どこへ行く? お前達の相手は私だ』 


 ミドスが4本ある魔剣の一つを振りぬく。その刀身は紅蓮の炎を纏っている。

 

「くっ!! あんたも、しつっ……こいわね!!」


 ソフィは体を回転させ遠心力で剣戟を弾く。ソフィが愛用する剣には氷結の属性が付加されている。ジークと同じくその体には氷の精霊の力を宿している。相反する力がぶつかり、反発する力場が生まれる。互いの腕が反動で仰け反るがミドスはその反動を生かし、暴風を纏った風属性の魔剣でソフィへと振り抜く。


「だからさせねぇっつってんだろぉ!! うらぁ!!」


 ジークがソフィの前に立ち、力任せにミドスの剣戟を受け止める。暴風の相乗効果でジークの炎が燃え盛り、ミドスが怯んだ瞬間をアリゲルは見逃さなかった。


 紫電を纏った剣を背後から頭へと振り下ろすが、岩石を纏った魔剣がアリゲルの一撃を受け止め弾く。


「ちぃ。崩せないか」 


 三者三様に流れる動作で連携攻撃をするが、4本腕のミドスは容易く受け流す。その様はまるで剣戟のダンスを踊っているように錯覚させる。それ程までにハイレベルな戦いだった。


 ジーク達以外のギリコ達もまた、すり抜けようとしていく魔物兵へと立ちふさがるが焼け石に水だった。数が多すぎるのだ。


 四方八方から迫りくる魔物兵に分が悪いと判断したグレゴリーは、その場から逃れるべくすぐ様に召喚魔法を唱える。


召喚サモン――! フロウバードッ!」


 大型鳥類を召喚したグレゴリーは直ぐ様フロウバードの背中に乗る。


「シノノメ乗れッ!! 譲ちゃん達も早くッ!!」


「いや、俺はいい。ゴンザレス達だけ載せてくれ。頼む」


 その一言にグレゴリーは瞬時に察した。要するにこの場に俺たち・・・がいることが邪魔なのだと。


「わかった。死ぬなよ! よし、嬢ちゃん達――もう乗ってるし!」


「グレゴリーさん、お願いします! マスター、無茶・・はしないでくださいね!」


「ゴンちゃんの言う通りよ。無茶・・、ダメ、絶対!」


 東雲はキョトンとした後、満面の笑みで握りこぶしに親指を上に突き立てる。


「え? ちょっ――!」


「よし、いくぞ嬢ちゃん達! しっかり掴まっていろ!」


 グレゴリーが合図を出すとフロウバードが羽ばたき上空へと昇っていく。


「ちょっとシノ!? シノーーーーーーーー!」 


 上空へと飛翔していくリリーの叫びが響き渡り小さくなっていった。


「さーて、いっちょやるか!」


 安全圏まで避難したゴンザレス達を確認した後、迫りくる魔物兵へと竜剣を構えた――。


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