表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
106/107

106.欲しいものはどれ?① ★

 興味津々なライラを横目に、左手に巻き付けているスマホウォッチの画面をタップし『ガチャ』アプリを起動させる。

 ゴンザレスの『ホログラム機能』によってガチャ項目が立体映像となって投影されると、ライラが感嘆の声をあげた。


「おー! なんだこれなんだこれ! キラキラ光ってて綺麗だな!」


「私も初めて見た時は驚いたわ。でも、ここで驚くのは早いわよライラ。ここからが凄いんだから。ね、シノ」


「ああ、そうだな。さてと、どれにしようか――」


 両手でテーブルに頬杖しているリリィも楽しそうにしている。何が出てくるか楽しみなのだろう。俺も楽しみだ。

 スマホゲームだと『キャラガチャ』や『装備ガチャ』とかの特定ピックアップなどあるが、このガチャスキルにはない。


 アイテムがごちゃ混ぜに出てくる。何が出てくるかわからない『闇鍋』と同じだ。

 カテゴリーごとのガチャがあれば、欲しいものを狙いやすいかもしれないが、これはこれでまた違った楽しみがあった。 


 わけわからんネタ的なものあるしな。


 さて、現時点での所持ソウルは……50万越えか。アムールでの戦いで結構ソウル回収したから結構余裕がでてきたぞ。

 気兼ねなく『レインボー』ガチャができるが今まで引いてきた傾向から感覚的に、生活用品系はランクが低い方が色んなの出ている気がする。


 ま、バランスよく引いてたほうが無難か。


「んー、よし。『ブロンズ』から順番に引いていくか」


「あれ? マスター『レインボー』から引かないんですか? 珍しいですね」


 『ブロンズ』の11連ガチャ項目を押そうとしたら、ゴンザレスが不思議そうな顔をしていた。


「ふ。俺が思うに、食べ物系は低ランクが多いと思っているんだが――」


「直ぐに回しましょう!!」

挿絵(By みてみん)


 ガタッ! とゴンザレスが勢いよく立ち上がった。


「お、おう」


 食い物になると食いつきが凄いな……。


「へー、食べ物も出るのか。もしかして……、さ、酒もでる?」


「出るぞ。この間はこれが出たな。ほら、どうせ飲まないからやるよ」


 『収納空間』から目当ての物を取り出してやる。


 -------------------------



 アイテム名:『火酒』


 ランク  :『 HR 』


 説明 :



 物凄く辛いお酒。



 一口飲むと両手から大量の汗が噴き出て、空気に触れると『発火』する。



 別名『火拳の豪酒』。使用者は生み出された火の熱さ・ダメージを受けない。



 摂取量によって持続時間・熱量が変わる。



 ただし、飲み過ぎると二日酔いのダメージがひどい。




 -------------------------


「うぼふっ!」


 『鑑定』スキルを使ったらしきライラが吹いた。


「辛口酒きたー! あたい辛口大好き!! ぐへへ、後で飲むぞー」


 どうやらライラは効果より味にご興味があるらしい。


「あ、あんたねー」


 リリィが呆れていた。


「マスター、マスター! 早く引きましょう!(わくわく」


「はいはい」

 

 思わず笑ってしまう。

 尻尾を左右に振っていたゴンザレスが余りにも可愛かったからだ。


 そんな彼女に催促されて俺は『ブロンズ』の11連ガチャを押すと、立体ホログラムとなったイラストの女の子によって、無数に浮かび回る透明な丸いガチャポンを打ち抜かれていきアイテムが出てきた。


 出てきたアイテムは俺を中心に円環を描くようにゆっくりと回っている。


「ほぇー……。本当にアイテム出てきた……」


 ライラの声を聞き流しながらアイテムを指でタップすると、アイテム説明のウィンドウが目の前に現れる。それを一個ずつ確認して読み上げていく。


-------------------------



 アイテム名: 速報の巻物 


 ランク  :『 N 』


 説明 :



 世界で起きた様々な事件や、どうでもいい情報が書き込まれる不思議な巻物。


 1時間毎に更新されるので有力な情報はメモを取ることをお進めする。




-------------------------



 アイテム名: 人魚の鱗


 ランク  :『 N 』


 説明 :



 漁師の間では水難事故を防ぐお守りとして高く取引される。


 光の反射角度によって様々な色に見える。


 換金用アイテム。




-------------------------



 アイテム名: あんころ餅もっちセット(ver.緑茶付き)


 ランク  :『 R 』


 説明 :


 上品な甘さの餡子でモチモチとした食感の餅を包んだ食べ物。


 食べると10代の『もちぷるん』な肌になる。


 適応年齢は20代~40代、効果時間は24時間。


 10代の子にとっては只の甘い和菓子。


 食べきると自動でおかわりされる。




-------------------------



 アイテム名: 猫コックとスープ鍋


 ランク  :『 R 』


 説明 :


 コック姿の二足歩行の猫が、鍋に入ったスープをかき混ぜて給仕してくれる。


 既に出来上がっているスープはシンプルなコンソメ味。


 手持ちの具材を渡せば一緒に煮込んでくれる。




-------------------------



 アイテム名: 歯磨き粉の飴(20粒入り)


 ランク  :『 N 』


 説明 :


 歯の汚れを落とし、虫歯で空いた穴を治すことが出来る飴。

 

 爽やかな息となる。ただし、滅茶苦茶まずい。


 


-------------------------



 アイテム名: 腐ったパン


 ランク  :『 N 』


 説明 :


 魔物の口に放り込むと、腹を下し逃げ出す。


 自身で食べれば確実に食中毒になる。


 


-------------------------



 アイテム名: ポポルシールド


 ランク  :『 N 』


 説明 :


 迷いの森に群生している『ポポ』の葉を何枚も重ねて作られた盾。


 風属性・水属性の威力を軽減する効果がある。


 ただし、火属性に関しては一瞬にして灰燼と化す。 


 『防御力+5』

 『風耐性+20』

 『水耐性+20』



-------------------------



 アイテム名: アンデット・ボーン


 ランク  :『 N 』


 説明 :


 犬用のおもちゃ。


 アンデットの骨の一部。牙で削られても復元する。


 ワンちゃんの歯の健康に一本。




-------------------------



 アイテム名: 幻想のお香(10本入)


 ランク  :『 N 』


 説明 :


 見たい夢を見ることができるお香。


 夢の中でも五感が鮮明なため、使いすぎると夢と現実の境がわからなくなる。




-------------------------



 アイテム名: そよ風のクリスタルペンダント


 ランク  :『 N 』


 説明 :


 クリスタル部分から涼しいそよ風が吹く。暑い日に最適なペンダント。


 服の中に入れておけば、さらに涼しさ効果アップ。




-------------------------



 アイテム名:スコールシールド


 ランク  :『 N 』


 説明 :


 補助スキル。


 雨を弾くシールドを使用者の頭上と足元に展開させるスキル。


 移動時に煩わしい傘を手で差さなくて済む。


 足元には水を弾くシールドによって濡れた地面が乾くため、歩いて靴が濡れることもない。




-------------------------



 うへー。『 R 』ランクが2個で、残りが『 N 』ランクばかりだ。まぁ、消費ソウル数が少ない分、仕方がないか。

 しかし、ランクは『 N 』でも使えそうなのはいくつかあった。


 この一つ目の『速報の巻物』。これは凄く使えそうだ。様々な世界の情報が記載されるらしい。

 情報の鮮度は重要だ。


 以前ベスパで使った『預言書【凶報の1ページ】』の未来情報によってリリィ達を助けることができた。これも同じように冒険の役に立つだろう。


「これ使えそうだな」


「『速報の巻物』ってやつ?」


「ああ」


 試しに巻物を具現化して開いてみる。

 日本語で書いてなかったので読めなかった。


「ゴンザレス、文字解析機能を頼む」


「わふっ!」


 視界にノイズが入り読める文字が浮き上がってきた。


「どれどれ――」


 ――アベル地方のルカン村に住むニコル(26歳)は薄毛に悩んでいる。


 ――【速報】レガル地方のラドナ町に住むウドとアニスは不倫を――。


 パタンっ!


 俺はアイテムをそっと閉じた。


 これ個人の恥ずかしい情報じゃん! あかん!

 ダメだ。これは使えん!


 なんだか居たたまれなくなり『速報の巻物』をしまう。


「シノ、どうしたの?」


「いや、使えないアイテムみたいだから閉まっただけ」


 リリィは不思議そうな顔をした。

 正義感の強いリリィの事だ。知ったら絶対に怒るだろう。なので、即効しまった。


「よし、次見てみよう」


「なぁなぁ、シノノメ! これ、これはなんだ!?」


 ライラが指さした先は『猫コックとスープ鍋』だった。猫が鍋の中身を掻きまわしている。


「食べ物系のアイテムだろうな。ただ、猫がスープをよそってくれるみたいだぞ」


「へー! リリィの猫の指輪みたいなもんか! かわいいな!」


 どうやらリリィの『踏み踏みニャンコのダイヤモンド指輪』に触発されてるようだ。


「ライラ、これが欲しいのか?」


「ああ! あ、いや、待て! まだスキルでアイテム出すんだろ? 他のも見てみたい!」


「そうか」


 まぁ、そうなるわな。決めるには早計過ぎる。


 ゴンザレスの方を見ると『あんころ餅もっちセット(ver.緑茶付き)』を美味しそうに見つめていた。


 うん、ゴンザレスはいつも通りだな。


「ふふ。ゴンちゃんが見つめているアイテムの効果、ミーナが見たら喉から手が出るほど欲しいでしょうね」


「ああ、大騒ぎしそうだな」


 安易に想像できてしまい、思わず笑ってしまった。


「みんな元気かなぁ」

挿絵(By みてみん)


「案外、次の冒険に出かけていてこの王都に来ていたりしてな」


「ふふ。だとしたらいいわね」

挿絵(By みてみん)


 くすっと笑うリリィと話しながら、俺は次のガチャ項目を押していった――。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ