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世界最強の魔女、始めました 〜私だけ『攻略サイト』を見れる世界で自由に生きます〜(Web版)  作者: 坂木持丸
第12章 あにめを作ってみた

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120話 あにめを作ってみた



「――きゃるる~ん♪ りゅんりゅん♪ エリエリりん♪ きらめけミラクル☆ 爆ぜろマジカル☆ 愛と正義のエリート美少女戦士! 魔法少女エリミナ――爆☆誕っ!」(泣)



 というわけで、この世界に『魔法少女エリミナ』が爆誕したあと。


「やー、すごい熱演だったねー。まるで世界の命運をかけて演技してるみたいだったよ」


「はい、さすがエリミナさんですっ! あかでみー主演女優賞ですっ!」


「……エリエリしてきたわっ✧」



「あ、あのぉ……」



 と、そこで。

 お団子ツインテール&フリフリ衣装のエリミナが、顔を赤らめながらもじもじと挙手をした。


「……私、もう社会人なんですが……魔法少女? というのは、いろいろと、その……キツいなぁ、と」


「いえ、大丈夫ですよ! 今どきは、社会人でもよく魔法少女になっているので!」

「あたしのデータによると、それはそれで需要がありそうだし」

「……法的にも都合がいいわ✧」


「あ、はい」


 それはそうと。

 肝心なのは、今のエリミナの名演を、作画担当のマリリーンが“あにめ”として落としこめるかだが……。


「んー、キラキラ感? っていうのを出すのが難しいわね。ただ光らせればいいってわけでもなさそうだし、なにか参考になりそうなものが欲しいけど……」


「あっ、それなら、メルチェちゃんのキラキラ女児オーラが使えると思います!」


「キラキラ女児オーラ?」



꙳✧˖°⌖꙳――こんな感じで、どうかしら?꙳✧˖°⌖꙳



「うわっ、まぶしっ」


「ちなみに、最近の“あにめ”の変身シーンでは、変身空間にストーリー性を取り入れたり、女の子が上下左右に動きまわったり、歌って踊って演奏したりするそうですね――それから、変身中にじゃんけんをするなどの“いんたらくてぃぶ性”を取り入れることで、より没入感やエンタメ性を――」


「……やることが……やることが多い……っ」


 こうして、マリリーンが目を閉じて考えこむこと、しばし。


「……よし、だいたいイメージが固まったわ。こんな感じかしら?」


 やがて、マリリーンはうんと頷くと、魔法で水の画面を作り出し――。



꙳✧˖°⌖꙳――きゃるる~ん♪ りゅんりゅん♪ エリエリりん♪ きらめけミラクル☆ 爆ぜろマジカル☆ 愛と正義のエリート美少女戦士✧ 魔法少女エリミナ――爆☆誕っ!꙳✧˖°⌖꙳



「ふおぉおお~~っ✧」


「わぁっ、すごいっ! エリミナさんが“あにめ”になってるっ! キラキラしてるっ!」


「…………や、やめてぇ……っ」(赤面)


「やー、エフェクトってのがあるだけで、だいぶ見栄えが違うもんだねー」


「くららら☆ ま、これぐらいは余裕ね」


「え、なに……? くららら?」


「といっても、まだまだ納得できるクオリティーじゃないわね……イメージも完璧に固まってないし、カメラワークも微妙だし……背景やエフェクトがこの色だと、キャラと小物が浮くから色の調整も――」


 と、いつの間にか、マリリーンがかなり“あにめ”作りに積極的になっていた。

 どうやら作業をしているうちに、世界屈指の幻術職人としてのプライドに火がついたらしい。


「……そうね✧ 変身アイテムや振りつけもいろいろ試したいわ✧ それと、初回の変身シーンは1分半ぐらいの長さにしたいわね✧」


「というわけで、エリミナさん! テイク2お願いします!」


「えっ!?」


 そんなこんなで――。



「――きゃるる~ん♪ りゅんりゅん♪ エリエリりん♪ きらめけミラクル☆ 爆ぜろマジカル☆ 愛と正義のエリート美少女戦士! 魔法少女エリミナ――爆☆誕っ!」(テイク5)



「はい、OKでーす」


「ぜぇ……はぁっ! な、なんの儀式なの、これ?」


 こうして、『魔法少女エリミナ』の変身シーンができたのだった。


「あとは、やっぱりマスコットキャラが欲しいですね!」


「……ん、そうね✧ 魔法少女といえば、やっぱりマスコットキャラは必須ね✧」


「んー、といっても、さすがに“中の人”が用意できないんじゃない? 小さくてしゃべるかわいい生き物でもいればいいけど……」


「あっ、それなら! しゃべりはしませんが……イフォネの町の辺りに、“ぽけ○ん”にそっくりで、かわいいモンスターがたくさん――」


「………………」


「………………」


「なんでもないです」


 なにかを察したローナであった。


 なにはともあれ、気を取り直し。


「うーん、小さくてしゃべるかわいい生き物ですか……なんか、そういうの、最近どこかで見たような――あっ!」


 と、ローナは、ふと思い出す。


「そうだ、私に心当たりがあります!」



         ◇



 ところ変わって、王城の地下深く……。

 特級凶悪犯たちが収監されている地下牢獄。

 その中でも、厳重に“封印”がほどこされている最奥の独房に……。

 かつん、かつん……と、揺れるランタンの光が近づいてきていた。


『――ぐごごご……なんだ、看守か? またぬる~い尋問でもするのかァ?』


 その独房につながれた小さな影が、ランタンの光に照らされ、だんだんと輪郭をあらわにしていく。


 そうして姿を見せたのは、地底王国ドンゴワにて地上を滅ぼすための陰謀をくわだてた、危険な上位魔族――。



 ――溶岩魔人ラーヴァデーモン(※首だけ)だった。



『ふん、煮るなり焼くなり好きにするがいい。もはや、我は力を失った身……ここでは溶岩で回復することもできんしな』


 しかし、そんな言葉とは裏腹に。

 溶岩魔人の顔には、にたぁり、と人間に対する嘲笑が浮かんでいた。


 そう、英雄エリミナの知略(すごい)によって、溶岩魔人の襲撃はどれも被害なしに防がれ。

 さらには、エリミナの召喚獣(※ローナ)にトラウマ級の魔法を連発されて、ついには首だけのみじめな姿になってしまったが……。


 それでも、溶岩魔人はまだ、上位魔族としての誇りまでは失っていなかった。


『ぐごごご……人間どもよ、ゆめゆめ忘れるな。我は“傲慢の大罪”をつかさどる上位魔族――溶岩魔人ラーヴァデーモンッ! いかなる責め苦を負わされようと、我は絶対に人間などに屈しない――ッ!!』


 こちらに近づいてくる足音に向け、溶岩魔人はそう宣言する。


 そうこうしているうちに、溶岩魔人の独房の前で、その足音がぴたりと止まり……。

 そして、ついに足音の主があらわになった。



「あっ、溶岩魔人さん、こんにちはーっ!」



『…………屈します』



 溶岩魔人は屈した。

 そんなこんなで、マスコット担当の溶岩魔人が仲間になり――。




『――ぐごご☆ ボクは妖精のグゴップルぐごっ♪ ボクと一緒にマジカルジュエルを集めるぐごーっ♪』(裏声)




「はい、OKでーす」


 こうして、『魔法少女エリミナ』のマスコット妖精グゴップルが爆誕したのだった。


「えへへ! 溶ちゃんの演技かわいかったですよ! やっぱり、私の見込んだ通りでした!」


『……あの、魔族の情報を吐くので、今から司法取引とかって』


「? いえ、情報はいくらでも手に入るので、とくにいらないですが」


『……あ、はい』


 溶岩魔人(首)が背中(後頭部)から哀愁を漂わせながら、とぼとぼと部屋の隅にさがっていく。


「いや……あれがマスコットでいいの? あたしのデータによると、上位魔族のはずだけど」


「ま、まあ、デフォルメ効かせまくれば、なんとかなるでしょ……たぶん」


 なにはともあれ、こうしてマスコット担当も仲間に加わったことで――。


「……ひとまず、これで『魔法少女エリミナ』に必要なものは、だいたいそろったわね✧」


「はい、そうですね!」


 と、ローナは〝あにめ〟の撮影現場を見まわして宣言する。


「……それじゃあ、さっそく“PV”を作って、ここから本格的に『魔法少女エリミナ』を世に発信していきましょう!」


「おおーっ✧」


「えっ!? 世に出すの!?」



 ……エリミナが大観衆の前でアイドルライブをするまで、あと4話。



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― 新着の感想 ―
法的にも都合がいいわは草
魔族でも即落ちするんだなぁ しかも司法取引完全に無視されちゃってるし
イフォネの町の辺りに、“ぽけ○ん”にそっくりで、かわいいモンスターがたくさん 杖上手く扱えなくて虐殺した中にいたの?
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