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世界最強の魔女、始めました 〜私だけ『攻略サイト』を見れる世界で自由に生きます〜(Web版)  作者: 坂木持丸
第12章 あにめを作ってみた

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116/139

115話 休暇を満喫してみた

大変お待たせしました……! 連載再開です!


ちなみに、漫画版7巻が本日発売! おさらいもかねて、漫画版もぜひ!


■これまでのあらすじ

王都で家をゲット → スローライフで“無”を生み出す → ドワーフたちの国・地底王国ドンゴワに旅行 → “無”で冷蔵庫を作る → ドワーフ姫のワッフルが鍛冶師ドワーゴの弟子になる


◆ローナ・ハーミット

インターネットが大好きな普通の女の子。


◆邪神テーラ

ローナの同居神①。もともとは地の女神で、今は肘もつかさどっている。


◆闇の女神ロムルー

ローナの同居神②。ボイスが実装されていないため筆談コピペで会話する。本好きの引きこもり体質。


◆封ちゃん(封印されしエクス=ディエス)

ローナのペット。見た目はエクス○スというよりゴルベ○ザに近い。


(※9章・邪神テーラまでのキャラは、こちらでイラストつきで紹介されています!)

https://magazine.jp.square-enix.com/sqexnovel/series/detail/sekaisaikyonomajo/


 ローナが地底王国ドンゴワを救ってから、しばらく経ったある日のこと。


 今回のドンゴワ旅行でも、なりゆきで『溶岩魔人による世界滅亡計画を阻止する』『天才職人ドワーゴをドワーフ王と和解させる』など、いろいろ活躍したローナだったが……。


 しかし、ローナにとってドンゴワ旅行の一番の収穫は、別にあり――。



「――というわけで、我が家に“冷蔵庫”がやって来ました!」



「おおーっなのじゃ!」

『8888』(拍手)

『エ、ェ……エクスディェェェエスッッ!!』(※かわいい鳴き声)


 そんなこんなで、とある日の王都郊外。

 ローナの住んでいる家(恐怖の館テラーハウス)にて。


 ローナは、ドンゴワ旅行の一番の収穫物こと“冷蔵庫”を、同居神(邪神テーラ&闇の女神ロムルー)とペット(封印されしエクス=ディエス)の前でお披露目していた。


「ところで……“れーぞーこ”とは、なんじゃ? うまいのか?」


「あ、あれ? テーラさん、“冷蔵庫”知らないんですか? さっき歓声上げてたのに……」


「うむ、全然わからん。われは雰囲気で生きとるのじゃ」


『A.右に同じく』


「なるほど……えっと、“冷蔵庫”っていうのは、神様の家に必ず1台はあるという、『冷気を自在に操れる神器』のことでして――」


「神様の家すげぇのじゃ!?」


 と、ローナはインターネットを見ながら説明をする。


 ――“冷蔵庫”。

 それは、“三種の神器”の一角ともいわれる至高の魔道具の名である(※ローナ調べ)。


 ちなみに、ドンゴワ旅行時にも『ローナの家庭菜園から生まれた“無”(断熱材)』を利用して、“冷蔵庫”を試作してはいたが……。


 ここにある“冷蔵庫”は、ドワーフ姫のワッフル(今はドワーゴの弟子)とともに、さらに改良を重ねたバージョンだ。


 引き出しやラックを取りつけて、収納性をアップしたのはもちろん……。

 冷凍マグロ(冷却器)から放出される冷気の流れをコントロールすることで、簡単な温度調整もできるようになっており。


「むぉおっ!? 冷たいのじゃ!? な、なんじゃ、中に魔法使いでもおるのか!?」


「いえ、中に入ってるのは、冷凍マグロです」


「どーゆうことじゃ!?」


「ちなみに、下の引き出しは“冷凍庫”といって、氷も作れるようになってまして! “ふるさと納税”にも便利だそうです!」


『Q.部屋に置ける氷室 ……ってコト!?』


「はい!」


 この“冷蔵庫”は、今の神々は当たり前に持っているもののようだが……。

 どうやら、1000年も邪神として封印されていたテーラと、何百年も引きこもっていたロムルーには、新鮮なものだったらしい。


 とはいえ――。


「むぅ? じゃが、べつにこれ、氷室でよくないかの? わざわざ部屋に置く必要があるとも思えんが」


 テーラがいまいち使い道がわからないという顔をする。

 ただ、その疑問はローナも想定済みであり。



「そう言うと思って、()()を用意しました!」



 と、ローナは冷蔵庫であらかじめ冷やしておいた瓶を取り出した。


「えへへ、これはドンゴワ旅行のもうひとつの収穫物なんですが……これを飲めば、冷蔵庫の偉大さがすぐにわかると思います!」


「な、なんじゃ、それ? ぶくぶく泡立っとる名状しがたい黒い液体が入っとるが……まさか、おぬし、ついに邪法に手を染めて……?」


「テーラさんは、私にどんなイメージを持ってるんですか?」


 ちなみに、瓶に入っている黒い液体とは、神々の飲み物“こーら”であり。

 『ドンゴワ旅行のもうひとつの収穫物』とは――。


 ――“炭酸水”だった。


 というのも、地底王国ドンゴワ周辺の水源では、天然の炭酸水(それも炭酸強め)がとれるらしく、なんなら井戸からも炭酸水がとれるようであり……。

 ドワーフたちは酒がなくなると、炭酸水を『水』と呼んでがぶがぶと飲み始めたのだ。


 この炭酸水をもらって、屋台コンテストのときに作った“こーら”のシロップを加え、さらに“冷蔵庫”でキンキンに冷やした結果――。


 神々の世界で『一番売れているから一番うまい』とうたわれる究極の飲み物『キンキンに冷えた炭酸入り“こーら”』が、ついに完成形となったわけだ。


「ともかく、このキンキンに冷えた〝こーら〟を飲んでみてください! 飛べますよ!」


 というわけで、“冷蔵庫”の力のお披露目もかねて、同居神たちに“こーら”を試させたところ。



「むぅ、見た目はあれじゃが、できたての酒もしゅわしゅわしとるし同じようなもんかの――むぉっ!? オイオイオイ、なんじゃこれ!? こんな飲み物、初めてなのじゃ! パチパチ弾けて脳みそ幸せなのじゃ!」


『タイシタモノデスネェェェエッッ!!』(※かわいい鳴き声)


『(✧д✧)』



 と、同居神たちに大好評だった。

 やはり、“こーら”は、神々で一番人気の飲み物というだけのことはあるらしい。


「なるほどの……たしかに、キンキンに冷えた“こーら”がいつでも飲めるのは、最強じゃな!」


『A.れーぞーこ 疑ってスマソw』


「ただ、さっきから気になっとるんじゃが……れーぞーこにエビが大量に入っとるのなに?」


「あっ、そのエビは、あとで揉もうと思ってまして! 最近は、エビを揉むのが流行ってるみたいなので!」


 そんなこんなで、“冷蔵庫”のお披露目を終えたあと。

 少しだけ快適になった我が家にて、ローナはお菓子やジュースを床いっぱいに並べ――。



「――キンキンに冷えた“こーら”よし! 号泣しながら焼いた“ぴざ”よし! ノートの切れ端を仕込んだ“ぽてち”よし! それじゃあ、今日はいっぱい“あにめ”を見るぞぉっ!」


『プイキュァァァアアッッ!!』(※プリティな鳴き声)



 さっそく、ローナの宴が始まったのだった。


「えへへ! 働かないで昼間からインターネットするのは最高だね!」


 だる~んっと寝そべりながら、〝こーら〟や〝ぽてち〟をむさぼるローナ。

 そんなローナにつられて――。


『_(:3」∠)_』


「じゃふぅ~。やっぱ、自宅しか勝たんのじゃ」


 と、同居神たちも、だる~んっとし始める。


「じゃが、ローナよ……最近なにかと忙しそうじゃったが、それはもうよいのか?」


「あ、はい。家電を作るために、“無”を量産してただけなので」


 そう、家電に使われている“無”という画期的な新素材(おもちゃ)は、ドワーフたちにとって、どれだけあっても足りることはなく。


 ローナとしても家電のために“無”を研究してほしかったし、作れば作るほどお金をもらえたこともあり……。

 結局、ひたすら“無”を作るはめになったのだ。


 毎朝5時に起きては、ベルトコンベア上を流れてくる“すいか”(原料)をひたすら錬金鍋でかき混ぜ、かき混ぜ、かき混ぜ……かき混ぜ続ける日々。


 しばらくすると、ローナは毎晩、“無”の夢を見るようになった。


 それから、今度は幻覚で“無”が見えてくるようになり……。

 さらに日が経つと、幻覚の“無”がリアルに感じられるようになっていった。


 そして、“無”がすれ合う音が、耳の奥でずっと鳴り響くようになり……ついには、幻覚の“無”に触れられるようになり……。


 やがて、ローナが――。



『そっか! “無”とは〈全にして一、一にして全〉なんだね!』



 と、理解したところで、ようやく休暇が取れたわけだ。



「……あ、あはは……神様たちが言ってた『働いたら負け』って、こういうことなんだなって……働いた時点で、もうゲームオーバーなんだなって……」



「ローナの目からハイライトが消えたのじゃ……」


『(´・ω・)ノ ナデナデ』


「ま、まあでも、こうして休みも取れましたし……しばらくは働かずに、家でだらだらインターネットをして過ごそうと思います!」


「うむ、その意気じゃ! それに家にロムルーと2人きりじゃと、会話がなくてめちゃくちゃ気まずかったからの!」


『\(^o^)/ヤッター』


『フウインサレシィィィイッッ!!』(※かわいい鳴き声)


 なにはともあれ。

 こうして、待ちに待ったローナの休暇が始まり――。



「――む? おーい、ローナぁ。おぬしに手紙が届いとるぞぉ」



 と、そこで。

 テーラが玄関のほうから、封筒を手に戻ってきた。


「え? 私に手紙? でも、インターネットやめられないんですが……」


「いつものことじゃろ。とりあえず、手紙は……ワッフル? とかゆう、うまそうな名前のやつからみたいじゃな」


「えっ、ワッフルちゃんからの手紙? なんだろう? “無”ならちょっと前に納品したばかりだし……」


「まあ、友ならば手紙を出すのに理由などいらんじゃろ。知らんけど」


「あっ……たしかにそうですね! もしかして、遊びのお誘いだったりして! えへへ、なにかな? なにかな?」


 こうして、ローナがわくわくしながら封を開けると。

 中から出てきたのは――。






―――――――――――――――――――

       注 文 書


 ローナ・ハーミット殿

 拝啓 平素は格別のお引き立てをたまわり

厚く御礼申し上げます。


 さて、さっそくですが、先日ご納品いただ

きました“無”は大変ご好評で、当店の在庫も

残りわずかとなってまいりました。

 つきましては、同商品を下記の通り、追加

注文させていただきます。

                  敬具

         記

 1.品 名 : “無”

 2.数 量 : 60

 3.単 価 : 60000

 4.希望納期: 6月6日

 4.納入場所: ドワーゴの武具屋

                  以上


         ワッフル・ド・ドンゴワ

――――――――――――――――――――





「「「…………………………」」」


 ローナの休暇が今――終わろうとしていた。




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― 新着の感想 ―
こんばんは。 エビ揉め、去年の流行語大賞は『月曜が近いよ』に取られましたが優秀賞には輝いてましたなぁ…。因みにエビを直接触ると(食べても大丈夫な人でも)アレルギー反応が出る場合があるから、ちゃんと手…
連載再開ありがとうございます。
再開お待ちしてました。 封ちゃんの声優力が問われる
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