魔人VSヒロイン ~それは紛れも無くヤツさ~
遅れてすみません。
三話分キリの良い所まで作って……と思ったら遅れました!
洞窟内に太陽が現れ、轟音と熱風が吹き荒れる。
洞窟の壁や天井が熱で溶かされて出来たマグマが滴る。
「灰塵と化せ。招かれざる者。
お前は喚ばれていない。私の孤独を破るだけの力も無い。
自分の愚かさと無力さを精々呪え。」
轟々と音を立てて燃え上がる火を見て彼(?)は言った。
ユラリ
背を向けて去ろうとしたその時、火が揺らいだ。
「?」
気のせいか?勘違いか?幻が見えたのか?否、違う。
小さかった火の揺らぎは広がり、渦巻き、大きくなり、火の中に黒いシルエットが浮かび上がり…………
「熱っ!!普通この火力端からぶつける?天井とか地面とか溶けてるじゃない!!」
両の手の中で何かを唸らせながら、シルエットが火を割って中から出て来た。
「ヒロインは死なんよ。何度でも甦るんだから!!」
不死鳥系ヒロインが現れた。
火の鳥に囲まれた私が取った行動。
さっきも言ったと思うけど、(具体的には前話最後)ヘカトンケイルは不定形な火との相性が悪い。 アルゴスと組み合わせて撃ち落とす事は出来るけど、火の粉一つ通さないのは難しい。
回転の風圧で吹き飛ばそうにも、明らかにホーミング(軌道可変)する感じだし、頭から足下から焼かれたりしたら最悪詰む。
例え1手目を耐えられても2手目への対応が間に合わない。
かと言って、両の手で廻し受けしたのでは到底間に合わない。
だからこそ。
『抜バール』
背中から得物を引き抜いた。
両手に掴むは超重量、高融点の名状しがたい略奪と破壊の象徴。 それを手の中で高速回転させ、全方位からやって来る火の鳥を片っ端から鶏挽き肉にしていった。 バールが生み出す空気の流れが回す手を守りつつ、挽き肉(火)を量産していく。
そんな訳で…
「この柔肌… 火 傷 一 つ 無い! あの程度で私を殺れる訳無いでしょーが!!」
無傷のまま火の中から現れたって訳。
「……訂正しよう。少なくともほんの僅か、私の悠久の虚無の、ほんの刹那だけを打ち砕く事が出来るかもしれない。」
さっきから目の前の謎魔人の言い方が気に喰わない。
なんか諦めた様な、人を醒めた目で見ている様な、機械的な……炎バラ撒いているのに全然熱意が無いっていうか………。
諦めていないのに諦めているフリしている感じっていうか…………。
「ウジウジしてて鬱陶しい‼」
後ろで燻っていた火の鳥の燃え残りを、バールの風圧で掻き消す。
「一発ブン殴らせろ!少なくとも焼肉にされかけた分はブン殴る!」
バールを構える。
謎魔人は構えもせず、首に巻いている蛇も大して警戒心を抱いていない。
暇潰しなんざさせん。ガチでブチのめす!
炎から出て来るあの孤独なsilhouetteは!
御免なさい。タイトルの元ネタは知っている性別と年代が局地的なネタです。




