掻き消す!
こうなれば仕方ない。
あんなモンスターを召喚した私にも非が有る。
何人か死ぬが、仕方ない。
『太陽神に願い奉る
我に力を貸し与え給え
我が御威光を振るう事を許し給え
我に不浄な者を焼く力を与え給え……………』
最初に寝かした奴が這いながら何かをぶつぶつ呟いている。
殴る?イヤ……不味いか?
寝てた奴の目の前にバランスボールくらいの大きさの変な……太陽?みたいなのが出来てる。
しかもなんか周りが陽炎みたくなってるし………多分熱い?
あれ無視して殴って……ボンしたら不味いよね?
ハァ、仕方ない。アレ使うか。
『不浄焼きし太陽神の怒りを思い知れ
不浄よ、灰燼と帰せ
疑似・紅炎』
小規模太陽が八坂へと襲い掛かった。
炎の向う側にガキのシルエットが見える。奴は微動だにしない。
獄炎を避けた時に他の連中が巻き添えを喰らう事を良しとしなかった。
博愛主義か何かのつもりか?
丁度あのガキの後ろには儀式の触媒の小娘達が居る。
避けられないまま、博愛主義だけ抱いて死ね。
?
目の錯覚か?
炎の先のガキの頭から二本の角が生えてきていた?
ボッ!
疑似・紅炎が消し飛んだ。
その先からゆったりと無傷で現れたガキの手にはバールの様なモノが握られていた。
「名状しがたいバールの様なモノ、抜バール!」
炎の向うから怪物がやって来た。




