表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
千夜一話物語【第三章「異世界勇者の解呪魔法」連載中】  作者: ぐぎぐぎ
5歳の女の子と獣人さんのお話
93/873

93回目 コウモリと、虹色空のリヴィ

獣人種がアマゾン奥地で発見され新しい人種として

ちょっぴり差別されながら社会にとけ込んでいる世界

コウモリ獣人のケトンは泥棒をしてなんとか生活しているケチな男だったが

ある日盗みに入ったビルの中で人間向けに作られたアンドロイド「リヴィ」(5才体型)を誤って起動させ

彼女にマスターとして認識されてしまった


マスターマスターうるさいのでとりあえずケトンさんと呼ばせる事に

世間体から仕方なく彼女を幼稚園に通わせたりしながら

恋愛型ロボットであるリヴィの既成事実攻撃を必死にかわしながら

なんだかんだで二人で暮らす生活を心地よいと思い始めるケトンだったが


リヴィに搭載された人の心を持たせるココロシステムが

実は失われた神々に通じる力をもっていて

リヴィが魔法少女になってそっち系の事情に巻き込まれていく


そして獣人達は封じられた古の神々の眷族で

リヴィと対を成す少年が現れ

彼の持つ王の力に支配されていく獣人達

混乱と獣人を隔離しろ!という声も少なからず上がり出す



リヴィのオリジナルになった女研究家の存在が判明

魔法少女うんぬんの流れは実は彼女が誘導していた物だと判明

ケトンは彼女の遺した記録を読み解く中で

ココロシステムの本当の意味、

そしてリヴィがケトンへ向けた好意の一つ一つの意味が

彼の考えていた物より遙かに重い物だという事を知る


その一方リヴィはケトンを守るために彼と決別

魔法少女としての力を使い少年との戦いを繰り広げる

戦闘機からの攻撃を受け機械の体が剥き出しになっても

ケトンを守るためだけに彼女はたった一人で立ち向かう



ミサイル攻撃を受けた事も重なり力及ばず負けそうになるリヴィに

最新鋭の実験戦闘機の影が迫る

でもその機体の上に仁王立ちしている男を彼女が忘れるはずがなかった

ケトンはマフィアの二人の力を借りて

少年を破壊するためだけに作られた超戦闘機を奪取してきたのだ!



リヴィはケトンの目の前で

嬉しさとこんな姿じゃ嫌われちゃうという悲しみで涙が溢れる

でも次の瞬間ケトンの細くてでもたくましいその腕が彼女をしっかり抱きしめる

赤熱した部分で体を焼きながらもリヴィの頭に顔をうずめて

「もう二度と離さないぞ」と呟くケトン

お前をアイツから盗み出す!!そう叫ぶと彼はハッチを閉じて

戦闘機でもはやこの世界の神と化した少年に立ち向かうんだ



ココロシステムとはあの世の特定の人物と精神を繋げる事で

機械の思考を人間の思考にフォローするシステムで

あの世とはこの世界に現実に存在する大気中の生物の電磁パルスの複合体の事

神とはその電磁パルスの核を成す物


女研究家とケトンは子供の頃の友達で初恋の相手だった

女研究家は捕らわれた自分が病に冒され

ケトンへの想いを叶えるためにリヴィに全てを賭けた

リヴィとは女研究家そのものでもあったんだ



非常停止スイッチ的な役目の戦闘機だったけど

神となってしまった少年には後一歩の所で手が届かない

周囲の人間達の精神すら電磁パルスに取り込んでいく少年

どうしようもない状況の中リヴィは二度と元に戻れない事を覚悟で戦闘機と融合する


リヴィの犠牲でなんとか少年を倒す事ができたケトンだったが

戦闘機も大破して落下していく

せっかくまた会えたのにいなくなったんじゃ意味無いじゃないかと泣くケトン


そんな彼の前に少し大人な姿のリヴィが現れるんだ



「私はずっとあなたの側にいるよ」

そういってキスするとその姿が子供のリヴィに戻る

リヴィの魔法をサポートする妖精達が集まり

二人の周りを光の玉で包み込んでいく


寝ぼけながら目を覚ますリヴィ

彼女は彼女のまま子供のリヴィで、

いつもと様子の違うケトンを不思議そうな顔で見上げるリヴィを

彼は優しく頭を撫でて静かに抱きしめる


リヴィはなんだかわからないといった顔をしながら

「まぁ、いっか」

とにやけ顔でまた眠りについた



それからの二人はリヴィの既成事実作りも少し収まって

ケトンも家にいる時間が長くなり

自他共に認める仲良し家族の毎日が続いていったり


リヴィが成長するにつれて父親の泥棒家業に説教するようになったり

なんだか世話女房的な雰囲気を出すようになったり


それでもケトンに恋人が出来そうになると嫉妬する娘と

そんな娘に手を焼きながらもかわいくてしょうがないコウモリ獣人のケトン

二人は末永く幸せに暮らしたんだ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ