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千夜一話物語【第三章「異世界勇者の解呪魔法」連載中】  作者: ぐぎぐぎ
千の夜と一話ずつのお話
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9回目 協力者はS

不慮の事故で人を殺してしまった青年は混乱し

スマートフォンのコンシェルジュAIに死体の隠し場所を聞いてしまう。

青年が馬鹿な事をしてると気づいて自分に対して失望していると、

AIは死体の隠し場所の候補をいくつか上げてきた。


はじめは驚いた青年だったが、ダメで元々彼女に

どうやって隠しに行けばいいかなどの質問を繰り返し、

時には警察の目を盗む方法まで聞いて、

それら全てに答えをくれるAIに従い死体を隠す事に成功する。


青年は手持ちの金が尽きてしまい、背に腹も変えられず

空き巣に成功する家の場所をAIに訪ねる。

AIは淡々とナビゲーションシステムを起動させ、

空き巣を行える時間帯、金目の物のある場所、

足のつきにくい盗む物などを答える。


青年はAIの言うとおりに空き巣を行い成功し、

殺人もばれる事なく日常生活に戻る。

しかしそこに待っていたのは定職にも就けず、

バイト先では罵られ、楽しみという事もお金もないつまらない暮らし。


そんな中彼は面白い事を探そうと大の字になりながら部屋を見渡し、

スマートフォンに目をとめた。


思い出したように彼はスマートフォンに駆け寄ると、

コンシェルジュAIを起動し、恭しく挨拶をする。

そして自分の人生が楽しくなる方法を彼女に尋ねた。

彼女は彼にとっての楽しくなる方法として三つ候補をあげた、

その中の一つに自首をする、という項目があり、

彼は一瞬血の気が引くが、迷わず他の方法で金を稼ぎ地位を得る事にした。


宝くじにも当たり、競馬も勝ち、それを元手にデイトレードで株を買い占めて、

巨万の冨を得た彼は今では摩天楼の一角に高層ビルを持つほどの地位に上り詰めていた。


AIに聞いた方法で様々な女性と関係を持ち、

その全員に浮気がばれずに付き合えてしまい一人になると笑いが止まらなくなる青年。

しかし彼のやりたい事も思いつく事も全てやってしまい、

これからどうしたらいいか金がいくらあってもわからなくなっていた。

そこで彼はAIに訪ねる、自分はこれからどうすればいいか。

AIは答える。

あなたはもう何も出来ません。

どういう意味だとAIに訪ねると、

他のユーザーがあなたに代償を請求に来るでしょう、

あなたにこの先は存在しません、よってあなたにはもう何も出来ません。


扉が開かれ、そこにはみすぼらしい姿の目深にフードを被った少年の姿が。

片手にはナイフ、そしてスマートフォン。

少年はスマートフォンに訪ねる。

どうしたらいい?

スマートフォンのAIが聞き慣れた声で答えた。

彼を殺してください、そうすれば彼の財産はあなたの物になります。

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