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千夜一話物語【第三章「異世界勇者の解呪魔法」連載中】  作者: ぐぎぐぎ
異世界勇者の解呪魔法
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807回目 異世界勇者の解呪魔法(ディスペルマジック) 588:異変

 ラビアルを後にしてしばらく道を行くと、ヤブイヌ達の様子がおかしくなった。


 彼らが言うにはいつもなら船を見かけた子供達が迎えに来るらしいのだが、今回に限って誰もこないため村に何かあったのかもしれないと不安がっているようだ。


 ベイルが何かを嗅ぎつけ周囲を見渡す。

 ヤブイヌ達も続いて何かを聞いたようで耳をそばだてあたりの様子を探った。


「猛獣と血の匂い、それにヤブイヌの子供の匂いがする」

 ベイルは僕にそう呟く。


「やべえぞアーバン」


「急ごう!」

 アーバンがそう叫ぶと、ヤブイヌ達は一斉に走り出した。

 その後を僕たちも急いで追いかける。


 小さな丘と林を抜けるとヤブイヌの子供が3人、強大なグリフォンに襲われていた。


 ヤブイヌは一斉にブーメランを投げてグリフォンを牽制すると、グリフォンと子供の間に割って入るように飛び出し牙を剥いてグリフォンに威嚇した。


 グリフォンの顔を傷つけたブーメランをアーバンがキャッチすると、グリフォンは憎悪に顔を歪ませアーバンを睨みつけた。


「そうだ俺を見ろ、てめえの脳みそぶちまけてやるよ」


 アーバンが気を引いている間に、数人のヤブイヌが素早くヤブイヌの子供達を退避させる。

 残ったアーバン達はブーメランを再び投げ、飛翔しようとしたグリフォンの動きを封じた。

 するとグリフォンは即座に地上を猛烈な勢いで走り、巨木の丸太を思わせる巨大な腕と爪を振り回してヤブイヌ達を襲う。


 ヤブイヌ達はブーメランによる攻撃でグリフォンの動きの範囲を制限し、グリフォンの攻撃の矢面に打って出たアーバンは攻撃のタイミングに合わせて飛び上がり、グリフォンの勢いを利用して分厚い皮膚を牙で引き裂き頸動脈を噛み切って、頭を掴んで岩に叩きつけ宣言通り頭を叩き割った。


 僕らが彼らの側にたどり着く頃にはグリフォンは白目を剥き、泡を吹き出しながら全身を痙攣させ絶命していた。


 その様子を見たベイルが口笛を吹く。


「やるじゃねえか、こいつは俺もうかうかしてらんねぇなぁ」


 ベイルの言葉にヤブイヌ達は照れくさそうにすると、すぐに子供達の様子を見に行った。

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