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千夜一話物語【第三章「異世界勇者の解呪魔法」連載中】  作者: ぐぎぐぎ
異世界勇者の解呪魔法
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788回目 異世界勇者の解呪魔法(ディスペルマジック) 569:決戦

 ナイトシェイドは接近したファルスタッフに反応したのか機体の形状を変化させ流線型になる。

 巡航モードから戦闘モードに切り替えたようだ。


 再び通信機にノイズ混じりの歌が聞こえ始めた。

 歌声に混じる赤ん坊の声に僕は顔を歪めた。

 恐れていた通り、胎児の脳もナイトシェイドに組み込んだようだ。


 意思を持つ生物がカオスオブジェクトのジェネレーターとして使えるなら、胎児の脳は小型で高性能な部品になる。


「ヴカさんやれますか」


 僕は彼に尋ねる。

 こんな状況で彼に無理強いはできない。


「どこまで通用するかわからないですけど、僕が一人で戦ってもいいですよ」


 そう尋ねると少しの沈黙の後ヴカは口を開く。


「あれは俺だ、ステファニーに依存してこの世に縛り付けてる。だからこの歌は俺を呼んでるんだ全てを終わらせろってな」


 迷いを飲み込むような深呼吸の後、意を決した彼は言葉を続ける。


「彼女を解き放つ、力を貸してくれ相棒」


「いっちょやりますか!」

 僕は彼の決意を支えられるように力強く応えた。


 船体を加速し交戦可能距離に入ると、すかさずナイトシェイドのビットによる妨害と、新しく展開された触手による四本のウォーターカッターの攻撃が襲いかかった。


 ファルスタッフは海中に潜り機雷を展開して追撃するビットの数を減らす。

 しかし海底から巨大なサメ型邪神族が大きな口を開けて超高速で迫ってきた。


 ファルスタッフの潜航速度を上げブレードを展開し、巨大ザメの口の中に飛び込みそのまま鮫を上下に両断した。


 海底から続々とサメが浮上してくる。

 魚雷でそれらを迎撃しながらナイトシェイドに攻撃する為に浮上を始めると、眼前に奇妙な物が見えた。


 規則的に平面に揃った泡が同じ方向に動き、光すらも曲がって後には薄暗い海水が残る。


 接近してくるそれに寒気を覚えた僕は、銀の薔薇を使いショートジャンプでその空間を回避する。


 僕らを追いかけていた巨大サメ達が空間に巻き込まれ悶えながら直角にへし折れ血と臓物を平面に噴き出しながら絶命していく。


 ナイトシェイドの方から無数の空間が万華鏡のように拡散し降り注いでくるのが見えた。


「行きます」


 僕が言うとヴカは意図を理解し急速浮上をかける。

 僕は加速が十分になるまで空間に触れるギリギリまで堪え2回目のショートジャンプを行う。


 ナイトシェイドの眼前空中にワープアウト、立て続けのジャンプの負荷で僕は吐血した。


 隙だらけの状態のこちらの船底にナイトシェイドの触手による一撃必殺の空圧爆撃が迫る。


 僕はマニピュレーターを操作し、ナイトシェイドの残骸から移植したウォーターカッターで触手を切断、マイクロキャノンの砲塔がナイトシェイドを射程に捉える。


「ぶちこめ!!」


 ヴカの叫びと共に僕はマイクロキャノンを発射、ゼロ距離射撃の砲弾がナイトシェイドに直撃し大爆発を引き起こした。


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