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千夜一話物語【第三章「異世界勇者の解呪魔法」連載中】  作者: ぐぎぐぎ
異世界勇者の解呪魔法
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787回目 異世界勇者の解呪魔法(ディスペルマジック) 568:追跡(2)

 ナイトシェイドを追跡する僕らを阻むように海中で爆発が起こり、いくつもの水柱が絶え間なく立ち昇る。

 それを避けながら進んでいくと水柱の中に巨大なイカの足のようなものが現れ攻撃してきた。


 邪神族だ、水柱に潜んだイカの足が不規則な動きでファルスタッフを襲う。

 超巨大な海獣が複数体僕らを攻撃しているようだ。


「邪神がナイトシェイドを守らせてるのか」

 ヴカは淡々と操舵を行いながら言う。


 僕は邪神族の攻撃に機銃掃射で応戦しながら、ナイトシェイドとの対決に向かう彼の精神面が気になった。


 ナイトシェイドに組み込まれたステファニーはもう人としては死んでいる。

 そうだとしても彼にとっての最愛の人をその手にかけることができるのか。


 黒い雪のブリザードが吹き荒びだす。

 周囲の島々の地形が雪による腐食で崩れて崩壊していく。


 邪神族の攻撃に加え、海中から金属の銛のようなものが六本襲ってきた。

 それらは自らの意思があるかのように海中を魚の様に飛び回り攻撃してくる。


 どちらかだけなら相手にできるが、海上の邪神族の足、海中の銛、その両方に対応するには手が足りない。


 追い詰められる中、砲撃が邪神族を蹴散らし僕らに道を作る。

 紅蓮地獄の艦砲射撃だ。

 生命力感知をすると甲板にクガイとベイルがいるのがわかった。脱出後すぐに合流したらしい。


 紅蓮地獄から放たれた冷気の斬撃と砲撃で、三体の邪神族は紅蓮地獄の方に向かった。


 紅蓮地獄は邪神族の高機動に負けない速度で攻撃をいなす。

 その姿はまさに最強の海賊船に相応しい動きだ。


 紅蓮地獄の戦いにパラディオンの援護射撃も加わる。

 船の性能に天と地の差があるパラディオンだが、紅蓮地獄のサポートができる位置どりをキープしながら援護を繰り出せるのは、ひとえにガフールさん達海軍組の練度の高さによるものだろう。


 敵が邪神の力を貸りるならこちらは仲間が力を貸してくれる。

 みんなが作ってくれたチャンスだ、僕はブロックさんにつけてもらった機能を起動しファルスタッフはさらに船速を早める。


 改造の内容は境界層制御装置だ。


 どういった仕組みかというと、流体にはコアンダ効果という性質で角度の変化が強くなる部分から境界層剥離という現象を起こし、それにより船が減速してしまう。

 なので境界層剥離が起きない様に流体との境界に高速で水を噴出し、船体に這う水を加速する事で減速を防げるといったものだ。


 効果は抜群、爆発的に船速が伸びてナイトシェイドに肉薄する。


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