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千夜一話物語【第三章「異世界勇者の解呪魔法」連載中】  作者: ぐぎぐぎ
異世界勇者の解呪魔法
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784回目 異世界勇者の解呪魔法(ディスペルマジック) 565:グリダロッド争乱(4)

「妙な力を使う、プレイヤーか?だがしかぁし!私のこの愛の力の前には無力だと知れ!」


 ディーンは自身の力に酔いしれるようにそう言うと攻勢を強める。

 踏ん張る足が滑る、立っている事すら難しい状態になった。


 マンティコアは強烈な風で暴風圏を生み出しディーンの暴風圏をこじ開けた。

 木の葉の斬撃が僕を避けるように吹き飛んでいく。


 僕はマンティコアの起こした風に乗り、文字通り暴風になって周囲のグール達を蹴散らしていく。


 それと同時にマンティコアの風が霧状のディーンを彼が起こす風ごと押し固め、彼を強制的に実体化させた。


「そんなっ!?馬鹿な!!」

 ディーンは目を見開き衝撃を受けているようだ。


 僕はフレスベルグを召喚し熱線を放つ。

 フレスベルグから放たれた輻射熱がグールを一掃し、ディーンに熱線が直撃した。


「馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿なぁああぁ!!」

 ディーンの叫び声が耳を断末魔の叫びに変わり、彼の実体のほとんどが消し飛ばされた。


「ぁ…ぁ……」

 ディーンはすんでの所で体を霧に変えていたらしく即死は免れていた。

 しかし体の大半を失った彼が実体化すればその場で死に至る。


『まだ生きてやがる、しぶとい野郎だ』

 ヴカは苦々しい口調で言った。


「ァあ……ぁあぁ…ステファ……ニィ……」


 亡者が神に救いを求めるように、ディーンは虫の息でナイトシェイドに縋りついた。

 彼の想いに応えるようにナイトシェイドはコクピットのキャノピーを解放する。


 逃すわけにはいかない、僕は紅玉の腕輪をナイトシェイドに向けフレスベルグの熱線を放つ。


 フレスベルグの触手がそれに反応し、全ての腕を使い圧縮空気の壁を展開。

 触手全てと引き換えに熱線を防がれてしまった。


 コクピットシートには赤ん坊のように横たわるディーンの姿が、赤い内装はまるで子宮のようにも見える。

 赤ん坊を抱くようにキャノピーが閉ざされる。


 ナイトシェイドは何かの装置を展開し黒い球体状のワームホールに飲み込まれ消滅した。


 それと同時に外から大きな崩壊音と滝のような水の流れ込む轟音がし始めた。


「これってまさか」


『雄馬やばい!やばいよォッ!?』

 ベイルの悲鳴にも似た通信が入る。


『不味いぞ雄馬、地下空間が崩壊して海水が雪崩れ込んでる。このままじゃお陀仏だ』

 クガイは慌てた様子でそういった。

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