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千夜一話物語【第三章「異世界勇者の解呪魔法」連載中】  作者: ぐぎぐぎ
異世界勇者の解呪魔法
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772回目 異世界勇者の解呪魔法(ディスペルマジック) 553:デッドロック

 バグジーが言うには邪神を絶海に封印しているエレメントは、蒼穹氷晶や宝輪そしてもう一つ存在している。


 このオーガスティン諸島自体が封印の要として機能していて、ダンウィッチの周辺は特に重要な場所なのだという。

 おそらくテンペスト島に施されていた混沌侵蝕の力を利用する魔女の魔法のような技術だ。


 なんの狙いかグリダロッドがダンウィッチの地形を破壊し人々を皆殺しにした事で封印の一部が緩められ、その結果邪神の力が強まっているらしい。


「つまりイーストウォッチタワー事件は事故ではなく人為的に行われた虐殺、まぁ都市伝説のような話だがな」


 話が終わると、ヴカの頭に浮かんだ強烈なフラッシュバックが僕の頭に流れ込んできた。


 イーストウォッチタワーに撃ち込まれた爆弾の爆炎と煙の中蠢く不可視の巨人の姿。

 それがヴカを見ると嘲笑うかのようにニヤリと笑って、カオスバーストを引き起こし、爆発が人を飲み込みその精神を起爆剤に連鎖して島を飲み込んでいく光景。


 彼の頭の中が憎悪と苦悩でぐちゃぐちゃになり、痛みが彼の自我を蝕んでいくのがわかった。

 心が壊れそうになり彼はバグジーから手を離すと、よろよろと近くの柱にもたれかかる。


 彼は死体のように濁った目をして祈るように地面を見つめていた。


「ヴカ……」


 僕は見ていられず彼の肩に触れる、しかし彼は険しい顔をして僕の手を払い突き飛ばしてどこかに行ってしまった。


 僕を拒絶する時、彼の心には微かな感謝と滲み出るような恐怖があった。


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