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千夜一話物語【第三章「異世界勇者の解呪魔法」連載中】  作者: ぐぎぐぎ
異世界勇者の解呪魔法
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687回目 異世界勇者の解呪魔法(ディスペルマジック) 478:信号ラッパ

 モーガンもなにかを察知したらしく真剣な表情で遠くを見ている。


「な、なんだよみんなして、俺を脅かそうったってそうはいかねぇんだかんな!」

 そう言いながらベイルは僕の腕を抱き、耳を伏せ尻尾を股に挟んで震えている。


 漁船の上で海の中、いつもと違う環境にベイルも不安になっているらしい。

 彼の頭を撫でると、ベイルは僕の頬に頬擦りした。


「ちと雲行きが怪しいな、ひと泳ぎ確認してくらぁ」


 そういうやいなや、モーガンは海に飛び込み魚のような速度で暗雲に向かって泳いでいった。


「速え」


「さすがシャチの獣人だね」


「ギョギョッ軍艦だギョ!こっちに向かってきてるギョ」


 同船していた魚人のアドニスが声を上げ、そちらを見ると確かに大きな船がこちらに向かってきているのが見えた。


「中世のフリゲート艦そっくりだ、ボトルシップのミニチュアしか見た事ないけど」

 

「こんなとこを軍艦が通るなんて珍しいギョ」


 ダルゼムさんはそういうと、軍艦との衝突を避けるために船の進路を変更した。


 受けている風は同じだが帆のサイズが桁違いに違うため、軍艦がグングン近づいてくる。


「妙じゃないかにゃ?あちらさんこっちの船に合わせて進路変更してるみたいだにゃ」


 軍艦がすぐ近くまで迫って来ると、あちらの甲板から太鼓の音に続いてラッパのような音が聞こえた。

 それを聞いて魚人達はさあっと血の気が引いた顔をした。


「どうしたんだよ」

 ベイルが不安そうに聞く。


「今のは船と船の間で連絡するための信号ラッパギョ、意味は……」

 デイモスが言い淀み、ダルゼムさんが引き継ぎ口を開く。


「この船を拿捕する、無駄な抵抗はするなって意味だギョ」

 そう言って彼は困った顔をした。

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