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千夜一話物語【第三章「異世界勇者の解呪魔法」連載中】  作者: ぐぎぐぎ
異世界勇者の解呪魔法
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685回目 異世界勇者の解呪魔法(ディスペルマジック) 476:モーガンの目的

 僕らを乗せた漁船は入江を出ると大海原に出た。


 見渡す限りの海に出ると何だか心まで大きく広がったような気持ちになる。

 潮の香り風が気持ちいい。


「うーみー!!」

 ベイルは子供みたいにはしゃいでいる。


「自分は大丈夫……大丈夫ですから……」

 マックスは船酔いで死んだようにぐったりしている。


「にゃにゃっ離すにゃー!」

 リガーは海面を飛び跳ねる魚をとろうとして船から落ちそうになり魚人に取り押さえられていた。

 港でくすねていたらしき魚がポケットからポロポロ落ちている。

 そこに混ざった金貨や宝石はどこで盗んだのか後で聞くことにしよう。


 モーガンは腕を組んで船首に立っている。

 波で揺れているのに微動だにしない、そのバランス感覚は彼の経験から培われたものだろうか。


「ときに雄馬さんよ、どこに行くのかあてはあるのかにゃ?」


「ないよ」


「にゃに?」


「おい雄馬お前まさかノープランで出航したのか?」

 ベイルとリガーがざわつき始めた。


「僕にはないって意味だよ。僕はモーガンに船が必要だと聞いて、彼がそれに疑問を持たなかったって事は、モーガンにも船があれば進められる作戦があるって事でしょう?」


 僕がそう言ってモーガンを見ると、彼はニヤリと笑う。


「ご明察だ」


「ならなんでおいら達に声をかけたんだにゃ?船のあても行き先もあるなら一人で十分じゃないかにゃ」


「人手は多い方が良い、それに魔王候補と探した方が楽しくなりそうだろ?」


 彼はそういうと僕を見る、どうやら彼の興味は僕にあるらしい。

 魔王四秘宝の蒼穹氷晶が狙いなら、同じ魔王四秘宝である紅玉の腕輪と幻影水晶のイヤーカフに興味がないはずはない。

 頼もしい仲間ではあるけど油断はしないようにしよう。


 僕はモーガンにそんな気持ちを込めた視線で笑顔を返す。

 彼はそんな僕を見て満足げに笑った。

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