表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
千夜一話物語【第三章「異世界勇者の解呪魔法」連載中】  作者: ぐぎぐぎ
異世界勇者の解呪魔法
625/873

619回目 異世界勇者の解呪魔法(ディスペルマジック) 413:面影に勇気を重ねて

「どうしてヘルズベルの街の中に……」

 アリスがたじろいでいると、棄獣はエスメに向かい触手を突き出した。


 アリスは咄嗟にエスメを庇い、見えない壁が触手を弾いた。

 アリスは自分のHPが5分の1削れたのを横目に確認し、馬を棄獣にけしかけ距離を離す。


 棄獣はガルドル文字に侵食された人間を取り込もうと狙う。

 エスメは貴族だから、ガルドル文字を強制的に読まされているわけではないはずだ。


「エスメ、もしかしてガルドル文字読める?」


「え?えぇ、お仕事に支障がありますから読みましたけれど」

 アリスは唇を噛んだ。


「なんですの?あの化け物は」

 エスメのこの反応では壁の中の住民は棄獣の存在を知らないようだ。

 そんな環境に放たれれば大惨事は免れない。

 棄民闘技場の惨劇がアリスの脳裏によぎった。


 棄獣と戦っていた馬が触手に叩き潰され消滅、棄獣の意識が再びエスメに向かう。


「アリス」

 ロビンの声に視線を下にすると、アリスが抱きかかえていた白騎士がロビンに代わっていた。

 ロビンは血まみれ、息も絶え絶えに口を開く。


「あれを使うんだ」

 アリスはロビンにうなづく。


「エスメ、私の後ろに隠れてて」

 ロビンがアリスを庇うように前に出る。

 彼の眼前には迫り来る棄獣の姿がある。


「何をする気ですの?」


「悪夢を解き放つ」

 そう言うとアリスはロビンに向かい手をかざす。

 こんな時なのに怖さは感じない、アリスは薄々その理由に気づきつつあった。

 アリスは心に彼を思い浮かべ、脅威に立ち向かう為に強く唱える。


「来て、ジャバウォック」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ