表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
千夜一話物語【第三章「異世界勇者の解呪魔法」連載中】  作者: ぐぎぐぎ
異世界勇者の解呪魔法
624/873

618回目 異世界勇者の解呪魔法(ディスペルマジック) 412:ハートに火をつけて

 爆発音と共に壁に大穴を開け、そこから馬に乗った騎士とメイド二人が飛び出した。

 白騎士の馬はアリスとエスメを乗せて、倉庫の中を駆け抜ける。


「それそれ、どきやがれですわー!!」


 アリスが手にした松明の火で導火線に火をつけ、エスメは立ち塞がろうとする悪漢目掛けて爆弾を次々に投げつけていく。


 白騎士の馬は階段に差し掛かると、勢いそのまま跳ね飛び階段の壁を蹴り、踊り場に着地、再び跳んで壁を蹴り、出口に通りかかった悪漢の真横に飛び降り、後脚で悪漢を蹴り飛ばしつつ駆けていく。


 荷物のない広い空間に出ると、全方位からアリス達を取り押さえようと網が投げつけられた。


「白騎士さんお願い」


「お任せあれい!」

 白騎士は兜の下の目を光らせ、槍を振り回して網を絡め取り払い飛ばすと、前方出口の上に槍を投げつけ突き立てる。

 出口を出た瞬間背後の壁が崩落しバリケードになった。

 

 開けた通路に出ると今度は四方八方から矢が飛んでくる。

 白騎士はマントでアリス達を庇いつつ、飛来する矢を剣で切り払っていく。


「今日の白騎士さんいつもと別人みたい」


「こんな時くらいらしくせにゃ、騎士の名折れってもんですわい」

 ぜぇはぁと荒い呼吸をつき、鎧の下から汗を流しながらも、白騎士は兜の下の目を優しく綻ばせる。

 前方から怒声を上げながら大量の悪漢が現れ、白騎士はむうと唸り身構える。


「わたくしがやりますわ!」

 エスメはそういって残りの爆弾に火をつけて投げた。


「これはちょっと……」

「投げすぎかも」

 白騎士とアリスは目を丸くして大量の爆弾を見送る。


 前方で強烈な爆発が起き、地面が崩落し始めた。

 白騎士の馬は落下しつつ瓦礫の上を跳び周り、一階に降りると全力で走り出す。


「やりましたわ!あとは正面扉からここを出れば!!」


 言いかけたエスメとアリスを白騎士が突然抱き抱え、次の瞬間一同は強烈な衝撃に吹き飛ばされた。


 二人を庇った白騎士が体を強かに壁に叩きつけられた。


「ガッ……ふっ」

 白騎士は兜の下から大量の吐血をして地面に落ちる。


「あいたた、一体なんですの?」


「白騎士さん、しっかりして」

 アリスが白騎士を抱き抱える。

 壁にぶつかった際に背中から木材が突き刺さったらしく激しく出血している。


 白騎士の馬が何かを威嚇するかのようにいななき。

 アリスとエスメがそちらを見ると、そこにあったのは巨大な廃獣の姿だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ