585/873
578回目 異世界勇者の解呪魔法(ディスペルマジック) 376: 怒りの炎
青白い光と共に爆炎が上がるのが見えた。
「なんだぁ?」
ベイルは窓の外を覗き込もうとする。
「危ない!!」
僕はベイルに体当たりして床に押し倒す。
「なんだよいきなり」
ベイルは少し恥じらいながら顔を赤くする。
「耳塞いで、目閉じて、来るよ!!」
身構えると窓から爆音と共に強烈な衝撃波と爆風が飛び込み、部屋を滅茶苦茶に吹き飛ばした。
天井から破片がパラパラと降り、部屋を見ると壁はヒビだらけ、調度品もめちゃくちゃで惨憺たる有り様になっていた。
「怪我はない?」
「お、おう。なんだったんだ今の」
「大規模な爆発が遠方で起きると、音と衝撃波が後から届くんだ。雷が落ちた時に光が先に見えるのと同じみたいにね」
「ほえー、そんなことが起きるのか……助けてくれてサンキューな雄馬」
僕らは互いの拳と拳をぶつけてニッと笑った。
それにしても今の爆発、蒼炎だった。
きっとベラだ。
ストレードさんがフックを使い、屋根の上を急いで爆心地にカッ飛んでいくのが見えた。
「僕らも行こう!」
そう言いながら僕は窓枠を蹴り外に飛び出した。




