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千夜一話物語【第三章「異世界勇者の解呪魔法」連載中】  作者: ぐぎぐぎ
異世界勇者の解呪魔法
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568回目 異世界勇者の解呪魔法(ディスペルマジック) 366: 左腕に潜む悪魔

 首筋にチリッと悪寒を感じ、風の動きを見て拳のような衝撃波を回避、背後の岩が砕けた。

 すぐに次、また次と加速度を上げて衝撃波の拳のラッシュが襲ってきた。


「くうっ!!」

 交わしきれなかった一撃をガントレットで受け

吹き飛ばされたところに、下から来た衝撃に吹き飛ばされ、空中で動けない隙に左右からの空気の壁で潰しにかかってきた。


 僕はポーチから取り出した木の種を急成長させ、それをつっかえ棒にして蹴り飛び空気の壁から脱出。

 一瞬で生み出した木が粉微塵に粉砕され潰されてしまった。


「そうでなくてはなぁ」


 おじいさんは楽しそうに言う、なんだかよくないスイッチが入ってしまったみたいだ、勝てるか不安になってきた。


 でも能力の正体はなんとなくあたりはついた。

 衝撃波を使った力。

 壁や物に反射させる事もできるようだ。


「一息つくには早いぞ」


 瞬時に目の前にきたおじいさんに杖で軽く胸を突かれ、巨漢に思い切り殴られたような衝撃を受け吹き飛ばされる。


 体捌きで衝撃を逃し受け身を取ってダメージは軽減したが体力が削られてる。

 オブジェクトが使えると言ってもこのデタラメな力相手にどう戦えばいいのか。


 僕はおじいさんの放つ衝撃波に対し無数の木柱をぶつけ相殺、木柱の隙間を潜り抜け、おじいさんの死角に出る。


 悪手だ、左腕から誰かの声がした。

 おじいさんは振り返りもせず僕にむかい見えない斬撃を見舞った。

 直撃したかと思ったその時、体が勝手に動き山刀で斬撃を弾いた。


『見ていられない、少し体を借りるぞ』

 左腕からそう聞こえ体が勝手に動く。

 山刀に光る文字が浮かんだ。


 まるで未来が見えているかのような動きで、絶え間なく襲ってくる斬撃を弾き距離を詰める。


「これはどう凌ぐ?」


 そう言っておじいさんが全方位から衝撃波を僕に放つ。


 山刀が輝き衝撃波が全て僕をすり抜けていった。


 今のは僕がゲームの時に使っていた「ビハインドダーク」というスキルに似ている。

 緊急回避用完全物理無効のスキル、だがこのスキルの真価はこの後にある。


 山刀から眩い閃光が放たれたかと思うと途切れなく発生していた衝撃波が消滅し、体のコントロールが僕に戻った。


 今のは「ゾーンオブリベリオン」だ。

 「ビハインドダーク」はこのカウンタースキルにつなぎこのフィールドに発生している全ての攻撃を無効化する。

 プレイヤースキルが発動してる、一体どうして?


 山刀の光は消えた、でもここまでお膳立てされれば十分だ。

 僕はおじいさんが次の攻勢に入る前に構えをとった。


「本気で行きます!どうか死なないで!!」

 おじいさんからの次の攻撃が迫る。


 伊織ごめん!僕は心の中でそう言うと右手裏拳で衝撃波を弾き、震脚から左の崩拳で衝撃波のバリアを砕き、その攻撃で生じた勁を全身のバネで巻き取り、この身を一本の槍とし、突き上げる右拳で螺旋状に渦巻く力を一気に爆発させる。


「はぁあああああーっ!」


「ぐぬうっ」


 衝撃波の最後の壁を貫きおじいさんの腹部に深々と右拳がめり込む。

 両腕のガントレットが度重なる衝撃に耐えきれなくなりバラバラに砕け散った。


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