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千夜一話物語【第三章「異世界勇者の解呪魔法」連載中】  作者: ぐぎぐぎ
異世界勇者の解呪魔法
477/873

471回目 異世界勇者の解呪魔法(ディスペルマジック) 270:空に輝く虹のように(6)

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 激闘を制し、仲間に讃えられている雄馬を見つめる男がいた。

 男はかつての自身の姿を、雄馬に重ねていた。


 雄馬が来るまでは、祓魔師のリーダーである彼は仲間達から尊重されていた。


 しかしアバター化できない雄馬のハンディーをものともしない活躍、そして足手まといだったほのかを躍進させたその手腕から、今や祓魔師達の関心は雄馬に集まっている。


 それに比例するように、みなはリーダーに対する陰口を口にし始め、彼に冷ややかな態度をとるようになっていた。


 彼にとってそういった変遷は初めてではない。

 だから対応方法も熟知している。


 判断が軽率な者の思考は、少しの刺激で反転させる事が可能だ。

 他者を価値で図るものは、圧倒的価値を示す他者に支配されやすい。


 そのための手段を始めるため、彼は雄馬に近づき声をかけた。


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「やぁ雄馬、素晴らしい活躍だったね」


「あ、ありがとう」


「なんだよ将冴、お前が人を褒めるなんて珍しいな」


 将冴に突然褒められ、僕と陽介は思わず警戒した。


「ははは、そんなに身構えないでくれよ。まだ帰還までは時間がある、話したい事があるから付き合ってくれないか?」


「将冴から雄馬に話ってなんだよ、なんか怪しいな」


「邪魔をしないでくれないか?それに二人きりで話したい、君はついてこないでくれ」


「なんだと!」


「まぁまぁ、わかったよ。人に聞かれたくない話って事だよね」


「ああ、その通りだ」


 将冴はニヤリと笑う。

 なんだか怪しいけど断っても面倒なことになりそうだし、素直についていくことにした。


 たどり着いた場所は競技場のような広場だった。

 人気がなくてなんだか寒々しさを感じる光景だ。


「それで、こんな所でなんの話?」


 将冴は振り返ると、気持ちのいい笑顔をした。


「君にはここで死んでもらいたくてね」


 将冴は不意打ちで爆発魔法を撃ってきた。

 交わしきれず直撃、僕は爆発魔法の業火に飲み込まれた。

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