表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
千夜一話物語【第三章「異世界勇者の解呪魔法」連載中】  作者: ぐぎぐぎ
異世界勇者の解呪魔法
407/873

402回目 異世界勇者の解呪魔法(ディスペルマジック) 206:氷雨(1)

 ベイルと一緒に寝ていると、僕らを見つめ続ける誰かの気配がした。


 気のせいかな?と思い無視するが、寝返りをうっても時間が経っても、大きな誰かがそばに立って見下ろしてる感じが消えない。


 なに?なんなの?

 僕は恐怖心を抑え、ゆっくりと目を開く。

 ベッドの隣にラングレンが仁王立ちしていた。


「……おはようございます、ラングレンさん」


「おはようございます、雄馬さん。ベイルさんを迎えに来ました」


「う、うん。でもなんでこんな所に?」


「ノックしましたが、反応がありませんでしたので」


 何かあったかと思って入ってきたと……。

 壁掛け時計を見るとたしかにラングレンが来る時間だ。


「でも今日って休日じゃ?」


「奴隷の労務は休日もあります」


「んぁ……わりぃな雄馬、寝過ごしちまった」


 休みも仕事なんて、なんだかベイルに申し訳ない。


「うりゃっ」

 ベイルは僕の鼻をつまんだ。


「ほえっ!?はにするのヘイル……」


「また俺に気ぃ使ってただろ、顔に出やすいなお前」


 にへらとベイルが笑い、僕もつられてはにかみながら笑った。


 ベイルはさっと着替えを済ませ、出て行く間際に僕の顔の横に口を近づけた。


「できたら今日もお土産頼むな」


 そう耳打ちした彼に親指を立てて見せると、彼はニカッと笑いながら、ラングレンの後について部屋を出て行った。


 ベイルが出ていき、ポツンと一人で部屋にいると、なんだか妙に寂しさを感じ始めた。


 机の上に置いたブルーノの木彫り像を手に取り、ブルーノが削った痕跡をなぞりながら、酒場のみんなのことを思い出す。


「みんな元気してるかな……」


 しんみりしそうになった、まだ数日も経ってないのにホームシックなんて!

 お腹がぐうと鳴った。


 いつもは伊織とラウンジで軽く朝食を摂ってから講堂に向かう。

 だけど僕の部屋からラウンジまでは距離がある、講堂に行く用事がないなら近場で済ませたいところだ。


「購買行ってみようかな、場所は伊織に聞いたし」


 僕は部屋を後にして、購買に向かうことにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ