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千夜一話物語【第三章「異世界勇者の解呪魔法」連載中】  作者: ぐぎぐぎ
千の夜と一話ずつのお話
30/873

30回目 ストローマン

薩摩一都には小学生のころ無二の親友がいた。彼の名はヒロヤと言った。

他人の心の機微に敏感で優しすぎたヒロヤは心を病んでしまい音信不通に、

それから5年後に彼から久々に会いたいと連絡がありあいに行くと、

そこには見違えるように自身に満ち溢れた笑顔を称えたチャラ男、ヒロヤがいた。

彼はいまホストをしているのだと一都に説明した。


ヒロヤが一都に連絡を取ったのはある事が原因だった。

一都は人生で初めて好きな人ができた、彼女の名は田辺詩織と言った。

はじめはルックスもいまいちで奥手な一都は片思いだけにしておこうと思っていたのだが、

彼女に関してのある情報を得て状況が変わった。


巷で噂されているどんな女性も口説き落とすことができるという

超恋愛AIを使っていろんな女性を口説き落として遊んでいる男、黒井定郎が詩織を狙っているらしいのだ。


定郎の手が及ぶ前に一都は詩織を助けたいと考えた、

でも彼には致命的に友達がおらず、

ダメもとで小学生の頃みんなで作った学校掲示板サイトに呼びかけて、

自分に恋愛の指南をしてくれる人間を募った所、ヒロヤから一都に連絡が入ったのだった。


ヒロヤは今やホストクラブでナンバーワンのやり手で巷ではTVのタレントよりも有名人、

そんな彼が手助けをしてくれるというのだから勝ったも同然だと一都は思った。

「俺は悪女専門なんだ」

というヒロヤの言葉を聞くまでは。


ヒロヤは言った、

悪女ってのは世渡りが上手でも全身を武装して歩いてるようなものだから、

どうしても心のうちに寂しさでできた弱い柔らかい部分がある。

ヒロヤはそうした女性の中の悪を見抜いて、

そこからその女性の中にある柔らかい寂しさの本心を見つけ出して一気に攻め落とすのだと。


魔性だなぁ、と一都が呆れて言うと、

俺は魔法を使って夢を見せる悪魔なのさ。とヒロヤは笑った。

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