276回目 可哀想な狼少年
昔ある所に真面目でよく働く羊が大好きな羊飼いの少年がいました、彼は貧しく牧羊犬を持つこともできず、毎日それはそれは大変な仕事でも羊たちと楽しくがんばって働いていました。
しかしある日意地悪な村の人が、あいつはいつも野っ原で寝そべって遊んで暮らしている。と根も葉もない話をし始めました。
その話が広まると今度は別の人が、あいつの生活を支えさせられている自分たちは被害者だと言い始め。
それを聞いた少年が弁解するとみんな彼を嘘つき呼ばわりしはじめてしまいました。
ある日狼が来て少年が助けを呼んでも、みんな彼を嘘つき扱いして助けようとはしませんでした。
大切な羊を1匹でも逃がそうと最後まで頑張った少年は、狼に喰い殺されてしまい。村人はみんな少年のことを嘘つきの末路だと責め立て供養すらしませんでした。
地獄に落ちることになった少年はみんな死んでしまえばいいのにと初めて憎しみを知りましたが、そこに獣人姿になった羊たちが現れ、少年の弁護をし始めたのです。彼らは少年の行き先に人の天国がダメなら、自分たちの天国へ彼を招きたいと訴えました。
そして遂にそれが許されると、羊達は自分のことのように少年によかったよかったと泣いたり喜んで彼を迎えてくれました。
少年は人間ってゴミだな滅びればいいのにと思いながら羊の天国で彼らと仲良く楽しく暮らしましたとさ。




