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271回目 異世界勇者の解呪魔法(ディスペルマジック) 79:護るべき大切な人のために(20)
祈りは私にとって救いだった。
この無慈悲な世界にもし神様がいないとしても、祈りをささげている間、確かに神様はこの世界にいて、私は彼に救いを求めて祈ることができる。
その事でたとえ救済のために神様が世界を壊し始めるとしても、誰が咎められるだろう。私だろうと、貴方だろうと、世界の終わりには誰しもが祈る。孤独の慰めに、神様を求めるのだ。
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ブロードヘインの住人達は、現れたその化け物を見上げ祈りを捧げていた。異様な光景、その都市の住人にはあれが神々しいなにかに見えているようだった。




