227/873
225回目 異世界勇者の解呪魔法(ディスペルマジック) 36:追憶の森(31)
逃走中の僕を助けに入ったのは思わぬ人物だった。
「ヒャッハー!肉を焼くぜええ!!」
そういってボーディが火炎放射器のような何かを振り回して追っ手を足止めし、リガーがさっと割って入って僕の手を引き人ごみに紛れ込ませた。
「これで貸し借りなしって事にしといてくれにゃ」
「助かったよ、ありがとうリガー」
彼は僕にウィンクし、尻尾で僕の手を撫でると、山盛りに肉を盛った皿をから肉を食いながらボーディの元へと戻っていった。
なんだかんだでリガーって僕の事気にかけてくれてる気がするなとふと気づく、また今度話が聞けたらいいな、そう思っていると僕の服の裾を引っ張る感触に気が付いた。
僕がその感触の方を見るとそこには小柄なネズミ獣人の少年がいた。




