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千夜一話物語【第三章「異世界勇者の解呪魔法」連載中】  作者: ぐぎぐぎ
異世界勇者の解呪魔法
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197回目 異世界勇者の解呪魔法(ディスペルマジック) 9:追憶の森(4)

 森を訪れて2週間が経過した。僕らはオブジェクトの位置を特定しその近辺にやってくる事ができたが、カオスオブジェクトの混沌浸食のためか空間的な捻れが発生し、前に進む事も後ろに戻る事も出来ない状況が数日続いていた。

 その日も僕とグレッグは二人の獣人と2班に別れて探索を続けていた。グレッグが言うには浸食の起きている境界面がどこかにあり、それを特定すれば現状の打開は可能、そのため僕らは主に浸食境界を探して探索していた。

 しばらく探索を進めている最中、唐突に鳴り響く轟音に僕らが振り向くと森の中だというのに大量の水が津波のように押し寄せてきた。

「オレの側を離れるなよジョッシュ!」

 そう言ったグレッグに捕まろうとした僕だったが、津波の速度が速く濁流に巻きこまれ、流されていく僕を追いかけて走ったグレッグを食人樹木の枝が貫き、縛り上げてしまう。

「グレッグ!」

「諦めるなジョッシュ!手を、手を伸ばせ!」

 そう言ってグレッグが伸ばした手を僕は一度は掴む。しかし、流されてきた瓦礫が頭に

当たり、手の力が弱まりそのまま流されてしまった。

 遠のく意識の中、グレッグが僕の名を呼ぶ声が何度も繰り返し聞こえた。

 この世界に転移してきた時の事がフラッシュバックする、僕はグレッグと過ごしてきた日々を思い出し、まだ生きていたいと、心からそう願った。

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