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千夜一話物語【第三章「異世界勇者の解呪魔法」連載中】  作者: ぐぎぐぎ
小説家志望のおじさんは異世界へ渡った
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159回目 ゴーストヴィジョン 2

 ある日の夜買い物帰りに奏は暴走族に絡まれてしまう。そんな奏をバイク殺法で助けてくれたお姉さん、彼女は自分の名を木津リサと名乗った。彼女は昔はレディースのヘッドをやってたらしい。

 リサにバイクのツーリングに誘われた奏は彼女のバイクの後ろに乗って出かける事に、道中奏はリサにテル君と勝手にあだ名をつけられる。

 昔好きだった男の人が好きだった小説の登場人物に雰囲気が似てるからだというリサ。

 彼女から渡された『若きウェルテルの悩み』を家で寝る前に読んだ後、奏は「暗くない?」と呟く。

 その後も奏はリサと街のいろんな場所に行き、奏は街の知らなかった絶景をいろいろ知って感嘆の声を上げる。

「ずっと暮らしてた街なのに何も知らなかったんだ僕って」

「良い顔してるよテル君」

 そう言って満足げな顔をするリサ。

「行きたい場所があったらVRでいつでも瞬時に行けますけど、こうやって旅して目的地に向かうのってなんだか楽しいですね」

「最初は私もバイクは後ろに乗せてもらう側だったんだ。二人でいろんな場所に行って、毎日のことや好きな事やくだらない事を話して、それが楽しくてね。一人になった後も忘れられなくて今度は自分で運転し始めたんだ」


「ホントはね君が危なっかしくて見てられなかったからツーリングに誘ってたんだけど、今は少し違うんだ。私との出会いが君にとって良い事であったらいいなって思うよ」

 奏はその言葉に顔を赤くするが、そんな事を言って貰える価値のない自分に後ろめたい気持ちを抱く。


 その後奏が暴走族に狙われた原因は瑞原いつきと出会ったことが原因らしいとわかる。

 リサに復讐するため暴走族達が電脳探偵に彼女の過去をネットで探させ彼女を脅す。

 リサの大切な人は事故で半身不随になりVRで彼女に会っていた。そのやりとりの履歴から彼が死んだのはリサが死なせたからだと噂を流されリサが大切な人から受け継いだ花屋が閉店の危機に。


「ネットの情報は他人のプライベートの履歴でしかなく、情報を見たからといってその人の心の中を直接見た事にはならないし、ましてそれで脅す道具にしたり優位に立てるものでも、踏みにじる権利が得られるわけでもないんだ」

 奏はそう地域住民を説得して周り、彼女としてきたツーリングでの楽しかった事を元にツアーを組めば地域振興に使えるからと彼女を中心にした企画を動かそうとする。

 そんな彼の助けをすると言ったいつきの暗躍でリサを頼るしかなくなった商店街の人々は彼女の人柄を知り誤解を少しずつ解き、夏祭りで暴走族が祭りを台無しにしようとしている事をいつきから聞いた奏とリサが暴走族を迎撃し、祭りのパレードでリサと彼女に付き合わされた奏の活躍により祭りが例年にない盛り上がりを見せたことから、商店街の人々は今まで遠巻きにしてきた彼女の存在を商店街の一員として受け入れるのだった。


 再び彼女とのツーリングの日に約束の場所に行くと、ツーリングに興味を持った商店街の人々まで沢山参加していてこれじゃどっちが暴走族かわからないなと苦笑する奏にリサは花束のような満面の笑みを浮かべるのだった。


ギャルゲーみたいなのやってみたいって常々思ってたので、いろんなヒロインルート書いてみようと思うんです!

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