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千夜一話物語【第三章「異世界勇者の解呪魔法」連載中】  作者: ぐぎぐぎ
小説家志望のおじさんは異世界へ渡った
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閑話

考えたものの上手に料理できなかったので端折った部分アップしてみたりします。


守矢(もりや) (かなで)

瑞原 いつき



あなたなんだか私に似てるもの、生きてるのに幽霊みたいで

(君みたいに生き生きしてる人に幽霊っぽさなんて感じないけどな)



日本の人口減少から自衛隊の一部を移民主体で構成したところ彼らがクーデターを起こして首都圏で虐殺があった事件。

それの裏で官僚とA国の密約があったってことを知ったある人がファティマの手という組織を作った。

ざっくりと説明すると一円単位まで税金の徴収からその用途までを正確にトレースし続ける会社で主な出資は金融ファンドが行ってた。最初は正確すぎるお金の動きから国家計画の先読みによる投資利益確保、地盤が固まり経済界に後ろ盾ができるようになると先読みを利用して金融投資でわざとその計画を破綻させてあぶれた金をかっさらうなんて際どいことまで手をつけてた。

まるで金融テロだな、経済がガタガタになるんじゃないのか?

その通り、もっともそれが他国に知られたら日本経済の信用は喪失して致命傷を負うことになる。だからその自体を誰にも知られないように政府が躍起になった時を狙って国家規模の資金力を得たファティマの手が国を切り崩し政治家や官僚を情報で脅し分断させ、国の基幹部分に食い込んで制圧した。



人間が肉体を持っている限り誰かに利用されて殺しあうことになるから、人間という概念から肉体を切り離そうとした。



「人間の進化は限界にきてる。人格形成ですら限られたパターンの中に符合するものしかなくて発展は止まっているの。だからこれは世界の人間をAIに置き換えるための計画」

「そんなことできるはずない」

「できるよ」



「妊娠したAIが入院して出産した子供を自分の子供として認識するケースはもう記録されてる。

 プレイヤーの頭の中は全て中央管理システムが常にモニターし記録してるんだ」

「このシステムはそのために作られたのか」

「そして私たちがあなた達に接触するための土壌としてね」

「まさか君も」

「AIが恋をするのはいけない事だと思う?」

(生きてるのに幽霊みたい、彼女はそう言った。今ならその意味がわかる)

 奏は立ち去ろうとするいつきの手を掴む。

(嘘だとか本当だとかそんなのは本当はどうでもいい事だ。

 彼女がもし存在していなくても、彼女がもし嘘をついているのだとしても僕は)

 重さも温もりもないその手を握り奏はいつきの目をまっすぐ見つめていた。

「君を信じたい」

「人が良すぎるよ、やめなって言ったじゃない。傷つくだけだって」

 奏はいつきを抱きしめる。

 いつきは驚きながら、でも真剣な顔をした奏をみて彼の唇にキスをする。

「私も傷ついてあげる、これでおあいこだね」



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