表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生公爵家令嬢の意地  作者: 三ツ井乃


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

99/119

それから実家では

国王やその周辺がどう思いましょうが一応ゼンコウジ神殿についての人選と顔合わせは穏やかに終わったわ。

急なマトラ神の更なる神託やら神器の存在に、神器は献上させてはと王家や国王に阿る一部の佞臣から

全く神意を無視した声が上がりましたが、神罰が実際に下されて破門され神聖力を喪い人権も剥奪され

家畜よりも野生の獣よりも魔獣よりも下等な生き物へと堕とされた

外道者の存在にそんなバカな提案は無視されたのでしたよね。


王様は少し残念そうにされておられたとハインリヒ様は仰られていたわ。

目の前で何度もマトラ様から物を頂戴してるのですもの、羨ましく思われるのでしょうね。

それでも私から鏡を取り上げようとしたり、シナノ領を私とお父様の知恵とお金で開発させるだけさせてから

将来的に王家直轄領として取り上げる算段をしているのも知られてましたしねぇ。

一応王家って大分昔の、古代に活躍された勇者の子孫だからそれなりに加護や祝福を頂いているとは思い

それをハインリヒ様に伺いましたところ、過去に何人かの王族や王となったご先祖様のやらかしで

段々とそういった加護とか守護的なものが薄れていっていると返されました。

だからこそ"マトラ様の愛し子"という存在の転移転生人を王家の血に取り込んで

加護を増やそうとしたのでしょうけれど、そのやり方の強引さにますます神の寵は薄れる悪循環。


2世帯住宅というより、家族其々が小さな城か邸宅のような住まいを持つ王宮は

王と王妃の宮、王妃の宮に其々王子や姫といった子供達の宮が増築っぽく足されて

ある程度成長した王子達は其処から独立して王の住う宮の周りの王子宮に住まい、

王太子は王の宮に連なる宮に入り、王太子妃は王太子宮と王妃宮に繋がった奥宮を拝領する感じかしら。

なので渡り廊下で繋がれた其々の宮の間に若夫婦の寝室とリビング的な小さな宮があります。

そのリビング、と言っても一般家庭とは比べ物にならない広さと豪華さの一室で夫のハインリヒ様と

そんな雑談をしておりました。


元々兄のカルロを側近とするべく幼少の頃から王宮に上げていた従兄弟で親友。

その妹という事で家同士、親子で親しくお付き合いのあった顔見知り夫婦だったので

家同士の完全な政略婚夫婦よりは会話も弾み、ここだけのと少し踏み込んだ話題も平気で口にします。

そしてハインリヒ様は弟君、私の元婚約者のベオヘルグ様の事もあって王家の利益より

私のことを優先して考えてくださります。


先だっての聖堂での猊下からの神託も既に耳にされているようで、私のためのキッチンを王太子妃宮に

リフォームして用意してくださるようです。

ですのでお台所が出来たら聖堂で顔を合わせたシェンさんにお弁当を作っていってあげようかと思っています。


「そうだ。カルロがお前に会いたいと言っていたぞ」


「あらそうですの、お兄様が、一体何の用かしら?」


「舅殿がカルロに爵位を譲りたいそうだ、まぁ舅殿は公爵位を譲ったとしても名誉将軍のタイトルもお待ちだが…

それにしてもまだまだお元気であろう、なのに、もう代替わりしようとは何かあったのであろうか。

午後に訪ねて来るそうだから直接話を聞こう」


ハインリヒ様から聞かされた父の隠居宣言とも取れるお言葉に驚いてしまいます。

結婚して家を出るまでお父様はお元気であられたのに一体何故かと

お兄様にしても急にそのような事を仰られるとは実家で何かあったのでしょうか?


私はシナノを化粧領に頂いている関係で領内の運営やアラクネ糸の製糸工場の相談等

歴代のお妃様に比べて訪ねてくるお客が多いので、王太子妃宮の端に面会用の応接室が備えてありますから

改めて場を用意せずとも会う事は出来ます。

それと嫁ぐ経緯もあって異性であっても家族なのだからと父や兄との面会も随分と配慮されてますので

そちらに案内すればすぐです。

普通の妃だと予定を立て改めて許可を取り、親兄弟であろうとも異性だからと

立ち会いの為の人員と護衛を配置し、宮の何処に呼ぶのかで色々と考えなくてはならないので

面会は年に数度とかになってしまうそうよ。

お兄様は代替わりの手続き関係で王宮の政庁セクションの方に来ているそうなので

後でこちらに寄られるとの事で私の女官と、ハインリヒ様の秘書官とのあいだで調整中との事よ。

決まり次第、知らせがあると言うことなので、このままここでくつろいで待つことにいたしましょう。


そして呼ばれたので、応接室へ向かう既にお兄様が訪ねていらして待っておられました。

急な話だったので挨拶もそこそこに一体どうしてお父様が引退などと言う話になったのかと

尋ねてみれば、前々から考えていたとお兄様はおっしゃられていました。

お父様は末っ子の私がどこか良いお家へ縁付いて嫁いだのなら面倒な役目や爵位をお兄様に譲り、

悠々自適の旅に出たいと考えていたようでした。

本当ならお母様も一緒にと遠い昔に約束をしていた希望だったそうで、私が家を出た後に聞かされた

お兄様方も大層驚かれたそうです。

それでも聞かされた私もですが、王宮側や軍の上層部の皆様も寝耳に水の突然の引退宣言に

右往左往といった感じだそう。

キリアラナ王国自慢のドラゴンスレイヤーで、ドラゴン素材を所持する財産持ちでもある

お父様は軍の方でも重要な人物らしくて引き留め工作も凄いらしいわ。

それでもお父様の意思は固く、代替わりに伴いその財産を相続するお兄様に

今更アプローチを掛ける御家が何件かあるそう。


既にカルロ兄様にはアンリ伯爵家令嬢 ミリアナ嬢との婚約が調っており、半年後にはお嫁さんを迎えるのですが?

私の急な王家への輿入れに伴って家格を合わせる為と、令嬢はベンタロン大公家養女格として嫁いで来るそう。

次兄ハミル兄様にも軍馬の産地、交易で栄えたスレイプニルの領主 ヘルモーズ子爵家令嬢 シャーレイ嬢が

グランジニ伯爵家へ養女として家格を調えてからの結婚が決まっているのに

私の知識や王家との繋がりファングル、シナノの両国からの利益を期待して愛妾や側室でもと

実家の方は妙な申し入れと釣書を携えた使者が列をなしているとお兄様はボヤいている。

特にハミル兄様の婚約者はまだ幼く5年後の挙式を考えているので、

結婚までの間に何とか娘をねじ込めないか画策するものが多いとの事だ。

話を聞いていると、お父様は半年後のカルロ兄様の結婚式に参列した後に家を出て、

ハミル兄様の結婚式の前に帰ってこようと思っているのだろう。

そしてハミル兄様もお父様と一緒に旅に着いていって武者修行と決め込みたいよう。


カルロ兄様は、お父様の突然の申し出と弟の思い付きに頭が痛いよう。


これは伯母様にも相談しないといけないのかしらと後で手紙をお出ししてみようと思い、

お兄様にもそのように伝えれば、まずはそうしてくれと疲れたようにため息をついた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ