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転生公爵家令嬢の意地  作者: 三ツ井乃


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19/119

お隣さんと異世界の話をしよう

悪巧みはここまで、もう一つのご用事を果たしましょう。


「そうですわ、折角コンヨー男爵が広めようとなされた芋が救荒食糧というだけで

下流階級の物と嫌厭されていて普及していないと伺いまして

拙いものですけれどこんなものを拵えてみましたの」


ファングル領屋敷付きの女中 リリィに合図し

用意したのは子供や孫にせがまれて作った洒落た感じの芋料理。

私も子供達も芋といえば戦時中に口にしていたのはほぼサツマイモの茎ばかりの

すいとんとか殆ど米の含まれていない芋御飯とか蒸しただけの芋とかで

あのボソボソした食感が苦しかった時期の事を思い出させるのもあって

私自身苦手なんだけれど好き嫌いはいけないと工夫したものを

コックが味見用に一口づつ貴族のテーブルに相応しい盛り付けで供したもの。


「飢饉や行軍の際の戦闘食の印象が強く中々売れずに我が領で

細々生産するのみのあまり一般的でない芋がコレですか…?」


「はい右側の此方からポテトサラダ、フライドポテト、ポテトグラタンに

温かいポタージュとビシソワーズという冷製スープ、芋の煮っ転がしに

スイートポテトに芋羊羹にポテトチップスと思いつくだけ

取り敢えず用意致したものですわ」


他にも色々あったけれどサツマイモとジャガイモで出来る料理だけ拵えました。

先々代コンヨー男爵が魔界に通じる森の中で発見したばかりの新野菜だという芋は

この世界じゃ非常時に焼くか茹でるかしかしないらしいので

お上品な盛り付けを担当してくれたウチのコックも驚いていましたけど。


「やはりグラーシア様は"転生者"であらせられましたか」


「えぇ本来ならば王子との成婚後に公表するつもりでしたけれど色々ありまして」


「我が祖父も転生者でして芋を発見し飢饉の際の救荒食や戦闘糧食として

栽培し国に提供した事と美酒"ショウチュウ"の発明で男爵位を得たのですよ」


フォークを取ってこれが芋かと賞味しながら男爵が

コンヨー家の謂れを説明して下さる。


「そうでしたか、それで家名がコンヨーであらせられて

閣下の御名がフリードリヒ様と仰られるのでございますね」


「グラーシア様はコンヨーの意味をご存知なのですか?」


「私の生きた時代から150年位前に此方の赤い芋を栽培普及させて

民を飢えから救った芋神様と呼ばれたお方の号だったと、

そしてフリードリヒという御名は此方の茶色い芋を普及させて国を豊かにした

文武両道の名君のお名前ですわ」


「何と!そんな素晴らしい意味があったとは」


孫娘がミンネザングを捻りにだかなんとか言ってお友達と欧州旅行へ出かけると

色々勉強してましたから私も年金から少しだけど餞別を渡したし

歌劇団のファンだっていう母親の長男の嫁もフランス行ったら

ベルサイユがどうのと餞別を渡してたわねぇ。

お土産に貰ったのがチョコレートの箱詰めと十字架模様のスカーフと

フリードリヒ2世の肖像画の大きなブローチ、だけど昔の人の肖像画で

耳の上で巻いた白髪とクリッとした目にリンゴみたいな頬っぺだと

全部モーツァルトに見えるのよね、ウチに遊びに来た茶飲み友達も

皆んなモーツァルトのブローチだって言っていたわ。

懐かしさに浸っていれば男爵も祖父君様の想いと愛情に感激していらっしゃいます。

その名前の由来となった大王は重税を課すくらい好まれたという

コーヒー豆を態々取り寄せた甲斐があったものです。


これからコンヨー男爵とは良い関係が築けそうです。

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― 新着の感想 ―
まさかの青木昆陽!Σ(^◇^;) 感激してる男爵か可愛いですね。
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