表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
98/123

正義の取捨選択

体育祭が始まった


始まって欲しかった・・・


場面は学校。


クリート達は体育祭とは言えども投稿は制服だ。


普通に体育祭を何とか終わらしたかった。


登校中は少し気だるさがあるが少し楽しみにしている自分がある。


いつものように学校に着き教室に荷物を置きそのまま中庭に初めて行くことにした。


陽キャの気分を味わいたいからだ。


日差しが校舎内から分かるくらい気持ち良い。


特に中庭は日差しがよくありそりゃ集まりたくもなるだろう。


中庭に着き歩こうとした時だった。


学校内の中庭に着いた時非日常は常に突然だ。


前の時みたいに世界が割れた。


またあの時のように、しかし今回はデカイ、前回の3倍はでかいような見た目だ。


大量の船がまたあの時のように出ている。


現実は突如鋭利な刃物になる。


時には母をも上回る母性を出す時もある。


しかし今の現実は何よりも鋭い刃物のようだ。


クリートは船が空を埋め尽くす光景を見ると前回のトラウマ、全てが蘇った。


「うわぁぁぁあ!またかよ!くそ!」


クリートは学校内なのに絶望で叫んでしまった。


頭を抱え、いや抱えるしかできない、そうやって現実から目を背けることしか出来ない。


またあの時のような悪夢が目の前に広がることを考えると絶望以外ない。


本当ならここから青春の1ページを刻む体育祭が始まるのに。


中庭内で絶望で俯いているクリートを見かけたフレドがまた更に不安を煽るようなことを口に出し出した。


「なぁ!これも不安だが今日ソルーからも聞いたのだがフェークが居ないんだ!」


「そ、そんな・・・嘘だ・・・嘘だ!なぁ!この現実は嘘なんだよな!なぁ!」


もう精神が潰れる1歩前だ。


しかし現実は無情にも続く、続々と進行してくる船をただただ見つめるだけしかできない。


フレドは急に変身しだした。


前回使っていたエンドスカパの力を持つ姿に変えた。


「・・・俺は戦うぞ、こんなところでむざむざと死ぬぐらいなら足掻いてやる!生き残って得る後悔より死んで得る達成感の方が気持ちいいんだよなぁ」


「フレド・・・わかったよ、戦うぞ!俺も」


クリートはフレドの言葉を聞き立ち上がる。


クリートもエンドスカパの力を得て戦う用意をした。


「行くぞ」


「あぁ、行くぞ相棒(クリート)


「だな相棒(フレド)


2人は大量の敵のいる割れ目にその身を投じた。


割れ目の近く、学校の屋上に立ちたくさんのAI兵の進軍を見ながら色々なことを考えたがここまで来て退けない。


死は覚悟の上だ。


もう何も怖くない、しかし唯一の心残りはある、お互いの大事な人。


(ノルン。すまない、でも俺が望んだ結末なんだ、許してくれ)


(フレイヤ、また泣かすなんて俺はお前のお兄さんなんか向いてないんだな・・・でもお前は幸せを掴める、だから生きてくれよ)


「じゃあ行くぞ、フレド」


クリートはフレドの方へ向いた。


顔の表情が見えるはずもないのに向いたのは癖かそれとも無意識のうちに表情を探していたのか理解できない。


「ふ、行くか」


2人はわれめに向かい走り出した。


不思議なことに割れ目の近くは無重力だ、その力で船を支えていたのだとこの時理解出来た。


しかし無重力は無重力でしんどい。


近くの船に飛び乗り次の作戦を考えたが船に人が入ったのを確認した他の船は急に攻撃を開始しだした。


「こりゃ骨が折れるな!なぁクリート!」


「あぁ、もう本当にな」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「フェーク君?ねぇなんで私に剣を構えてるの・・・ね、ねえ」


どんどん涙声に変わるソルーの声でフェーク自身気持ちが揺るぎそうだ。


フェークの戦う理由が揺さぶられまくる気分だ。


フェークは見た目が変わっている。


いつもの姿に肩からマントが出てきている。


武装も大剣と腰のホルダーにピストルがある。


「・・・ごめん」


しかし覚悟を決め剣をもう一度がっちりと握った。


時は溯ることこの事件から一日前


再度ソルーのいる病院へ向かったフェークにある男の影がある。


忘れるはずもない、今フェークが1番憎んでいるソルーの両親だ。


ロキが居る。


堂々と目の前から現れた。


「フェーク君だったかね?」


「あなたたちは・・・!?ソルーの」


「警戒はしないで欲しい、君達にあることを相談しに来たんだよ」


「相談!?」


怪しさがあるがそれでも気になるのが人間の性。


しかし内容は残酷そのものだ。


「私たちは今君の妹のいる場所を知っているしその近くは包囲した」


「脅しか?そんなものに・・・はっ!」


脅しを疑うのは誰でもそうだ、しかしこの事実を裏付ける写真を出した。


写真はフェークの妹の1番最新の写真だ。


現像時刻、近くにある電子カレンダー


全てのことが事実だということを理解するしかできないぐらいの証拠だ。


「・・・・・・どうして」


「そこでひとつ提案に乗ってくれ」


「・・・・・・」


声も出ない、ショックだと言うよりも内容は何となくだが察しは付いている。


怒りを心の中で押さえ込み取引内容を静かに聞くが許せない内容だ。


「ソルー殺してくれ、殺せば私たちが君の妹を助けるよ、もし殺せないのならこのライブカメラで殺すのを見せてあげるよ」


「・・・!?そんな内容!」


フェークは怒りでロキに掴みかかるが何も動じない。


慣れているのかそれともなんとも思わないのか知る由もない。


動じないしむしろ威圧すら感じるのか自然と掴みかかるのを辞めてしまった。


その時ロキはまた話だした。


「ギブアンドテイクと言うやつだ、さぁどうする?」


「・・・」


戦っていた理由を取るか大事な人を取るか・・・


わからない・・・でも自分はどうすれば良いか全くわかない。


戦うと決めた理由がここで達成される・・・しかしそれと同時に大事な人を失う。


もし辞めたら戦う理由、守りたい人を守れない。


その罪が永遠に付きまとう。


どの選択をしてもバッドエンドしかない。


フェークは頭を抱え項垂れた。


今までのこと全てを無駄にするか無駄にしないか。


大事な人を取るか守るべき人を守るか。


若い自分には的外れだし重たすぎる内容だし責任感だ。


その事を汲み取ったロキは去ろうとする前に


「別に答えは今決めなくて良い、どの道近い未来会えるし」


「それは!どういうことだ!」


「・・・まぁ近い、本当に近い未来に分かるよ」


「・・・・・・」


「ではまた会う時」


追いかける気力も体力も無い。


今はひとまずソルーのところへ行くことにした。


だがずっと考えていると頭が狂いそうになる。


ソルーと居ると目標が揺らぐ、自分は何のために戦ったのだ。


妹を守るためだ。


ソルーの居ないところでとことん考えたが結末が分からない。


2人を守るには1人では叶えれない。


そうこうしているうちに夜が明け体育祭日だ。


正直気分は全く乗らないがとりあえず行く用意をした。


もう今は気分を大きく替え体育祭用の気分に変えた。


「もうこんなに考えてと今はわからない・・・行くか」


気分をリフレッシュさせ学校へ向かいそしてあの割れ目を見る。


決断はもう間近になってるのは見て受け取れる。


割れ目を見ている最中ソルーが運悪くと言うべきか来てしまった。


「ソルー、俺は・・・」


「どうしたのですか?」


「・・・変身」


変身した姿は前とは違う。


肩にマントが着いてあり武装も大剣、ピストルと大分男前な武装だ。


そしてソルーに向かい


「俺、どうすれば良いんだ!」


そう大剣を構えながら言うことしか出来ない。


精神的に追い詰められこうなってしまった。


この経緯があり今に至る。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ソルーはフェークを仮面越しに見つめることしか出来ない。


まだ悩みがある。


ソルーの今の悲しみを持つ姿を見てどうすれば良いのか・・・


「教えてくれ・・・教えてくれ・・・くそ!うわぁぁぁあ!」


「フェーク君!いつもと雰囲気が違ってとても怖いです・・・」


どうすれば良いのか全く分からない。


しかしどちらかを取ってもそれが正義になるのか自分には全くわからない。


仮にロキと戦っても負けしか無い。


もし倒したとしても殺される可能性しかない。


怪盗のように・・・守るべきものを・・・守る。


どちらが正義か

ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ