実力差
フェークがこの気まずさを破るように走り出した。
「うぉぉぉお!」
「馬鹿なヤツね、死になさい」
そう言うとシギュンはトンファーの先端を打ち出してき出した。
先端はワイヤーでトンファーに繋がっており立体機動装置のように移動ができるような仕組みだ。
しかしフェークは当たるはずなく華麗に避けたがその立体起動の力でフェークに近づいたシギュンは反対の何もしていないトンファーを振りかざしフェークの腹に当てた。
この時フェークはトンファーとシギュンの戦闘センスが神がかっていることを感覚で理解できた。
これに関しては長年戦ってきているフェークの勘だろう。
シギュンのトンファーと格闘を上手く混ぜる戦術はとても強くフェークは何一つ手が出ない。
フェークはシギュンの格闘をナイフとマントを使いつつ防ぐがそれを上回る格闘センスに攻めることが出来ないどころか自分のことで精一杯だ。
「こいつ!強い!」
「別に私はあんたを殺すつもりなんてない!早く帰りな」
「ソルーを置いて逃げるほど男としては腐っては無いな!」
シギュンはフェークがソルーにこだわる理由がわからず徐々にイライラが募っている感じをみてとれた。
「なんであんなやつのために」
「多分昔も今も理由は違えど戦っていたと思うぞ」
フェークは大きく深呼吸してナイフを構え直すと
「昔なら夢見のためとか言ってたさ、しかし今は守るべき人が人増えた、ソルーのことを守りたい」
「あいつにそこまでの価値あるものかね」
「・・・少なくともお前らクズよりかは価値あるぞ・・・もう一度言おうか?」
「だいぶ口が良い奴だね」
シギュンは口や対応的にも見るからにイライラしてきているのがわかる。
ソルーはあの告白まがいのような言葉に動揺しているが今はそんな状態じゃないのは目に見えてわかっているためすぐに行動を初めた。
まずソルーはフェークの状況を変えるため何かできないか周りを見回したが何も無い。
結局すぐにソルーは自身の無力さや他人に結局頼ってしまう自分の情けなさに深く絶望するしかできない。
フェークの意思がソルーのためなのに肝心なソルーが何も出来ない、その悔しさが大きくて発狂しそうな気持ちだ。
それでも現実は残酷にも続く。
「がはっ!」
「所詮口だけってとこだね、ソルーの彼氏なんてそんなものよ」
そう言うとトンファーの先端からなにか飛び出してきた。
今度は2発、そしてワイヤーがない。
何か嫌な予感しかできない。
今までの勘を信じマントを自分に囲った。
その答えが模範解答だったようだ。
マントに着弾した時大爆発が公園内を包んだ。
時間的にはみんなが夕食を食べ終わり風呂などをはいっている時間なのでもちろん近所は少しざわつきを見せた。
爆発の影響で火が辺に飛び散りその影響で公園の草が燃えてしまった。
ソルーはその光景を涙ながら見ることしか出来ない。
その無力さ、見ることしか出来ない絶望感全てをソルーが襲った。
だがソルーが瞬きの次に目を開けた時にはフェークが居た。
火の海の中マントで囲い立っている姿を。
「フェーク君!」
「こっちもね何年も戦ってるのでね」
フェークはマントの囲いを解除し静かに歩き出した。
しかしシギュンのトンファーを見ると先端が復活している。
また撃たれるいった恐怖がソルーを襲ったがフェークは何かを投げた。
何かが爆発を行うと周りに花びらが舞った。
とても綺麗だ、しかしシギュンはこれをただの撹乱ようだと思ったようだ。
「そんな花投げて何になるのかな!」
「さぁな?だけどただの花だと思うなよ」
そう言うと花びらに当たるようにピストルを撃った。
傍から見るとその行為は無駄にしか見えないがこの花びらにはひとつ特性がある。
とてつもなく硬い物質で作られた人工の花びらなのだ。
しかし空中にあたかも花びらのように舞えるのは硬くそして軽いようにフェークが研究した結果見つけた物質を使っているためなのである。
そして話は戻り撃った直後。
弾は花びらを伝わりながらシギュンに当てた。
高速で反射を繰り返し火力があがりながらなのでシギュンはその衝撃で倒れてしまった。
これを転機とみなしまた大量に撃ちまくった。
しかしシギュンはすぐにトンファーを盾がわりに使い銃弾を防ぎきった。
「ありゃ!ならこの方法で・・・」
言い切る前にシギュンがトンファーの先端をワイヤーで飛ばしフェークの肩に突き刺した。
「うぐっ!」
「さぁ、形勢逆転の時間よ」
そう言ってシギュンが立ち上がると無理やりフェークの肩に突き刺さったトンファーの先端部分を抜かれ元の場所に戻った。
さっきと打って変わって状況が一変してしまった。
さっきまで床にいたシギュンと立っていたフェークがシギュンの起点で大逆転全ての立場が逆になるといった結果だ。
その光景を見てソルーは
(私がなにかアクション(行動)を起こさなくっちゃ……フェーク君を守るためにも)
自分が何かしなくちゃ次は愛したい人まで失ってしまう。
ソルーは周りをもう一度見回し起点を探した。
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場面と時間は変わりクリートの場面へ。
少し見た目が変わったロキの姿にクリートは怖気付いている。
(前までの状態でも倒せなかったのに今強化されたあいつに勝てるのか)
自分の自信が消えていってきているのをいやでも理解出来てしまう。
「・・・怖気付いているのか?」
その一言で心を読まれてるのではないかというありもしない恐怖と図星だという焦りでついロキに向かい走り出した。
「図星か・・・甘い、甘すぎる!」
ロキは手持ちの剣を振りかざしたがさすがに簡単すぎる攻撃なのでクリートには当たらなかった。
「・・・ソードフォーム!」
スピードフォームの装甲から全体的に装甲が厚くなるソードフォームへと変身させた。
これはロキの性能がどれだけ上がったのかが分からないため多少攻撃が当たっても本体にダメージが当たりにくくなっているソードフォームで肉体検証するためだ。
「また同じ手か、それ以外ないのか?」
「ふん!」
クリートは走り出し思いっきりソードフォームの剣を振りかざした。
しかし間一髪でロキは防いでしまった。
ロキの反射神経に激しく驚くことしかできない。
しかし悠長にそんなことを考えている暇は無さそうだ。
ロキは防いだ後すぐに攻撃に転じた。
ロキの新たに変わった姿での斬撃はとても強く一発受けたらすぐに防御態勢が崩されてしまった。
「なっ!・・・しまっ・・・」
言い切る前にロキの斬撃がクリートを襲った。
剣の斬撃は腹を思いっきり斬った。
火力は心做しか前回に比べ上がっていないように感じたが反応速度が尋常にないぐらい早い。
もし仮に前回はバックルの性能が低くそれに足を引っ張られていると仮定したら今回の強化されたロキには足が出させない愚かそこにまで手が出せないくらい強くなってしまう。
さっきの斬撃で近くの草が生い茂ってる所まで飛ばされたクリートは剣を使い立ち上がり斬撃箇所の確認をした。
貫通まではしていないが確かに厚い装甲が斬撃の形に堅どられている。
「はぁはぁはぁ。ま、まだだ」
「諦めないのはいいことだが君はただの学生だ、それでやれるのか?」
「なら見せつけてやるよ・・・学生でも食い付けれることぐらい!」
そうクリートが言うと剣を構えロキに走り出した。
ああ言った反面実際何も策などが練れているはずまもなく。
(どうやろう・・・ここから)
ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω•˘ )




