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likeよりlove?

体育祭の熱がクラスどころか学校中に広がっている今日この頃。


もちろんノルンはこの体育祭を楽しみに待っていた。

(もし借り物競争であんなことやこんなことがお題だったら)


ノルンは帰りながら明らかに異質なニヤニヤ顔をしながら歩いていた。


ヴェルとスクルドはその姿に心底気持ち悪さを覚えている。


「の、ノルン君?顔、変だよ」


「スクちゃん!いきなりそれ言う?」


「本当におかしいからノルンほらこれ鏡」


「ヴェル、そんなこと言われても・・・これ私?」


その時顔がやっと元に戻った。


それと同時に体から血が引く感覚をこの時初めて覚えれた。


ノルン自身驚きを隠せない。


スクルド達は半ば呆れの声になっている。


「そうだね完全にノルン君だね」


「そりゃ鏡だもの」


ヴェルもスクルドも今までに見た事のない顔でこちらを見ている。


その視線はなにか心に鋭く刺さるものだ。


「あ、あ、ああ」


「なんとなくだけどノルン君の考えが察したよ」


「い、言ってみなさい」


「クリート君のことでしょ」


「・・・くぅー!」


顔を変な声を上げながら赤くする姿は少し可愛らしさがある。


単純な性格が仇となった。


実際事実なので何も口出しできないのも割と性格が関係している。


「まぁ、程々にね」


「ノルン・・・私は?私は過去の人なの・・・」


「あんたを過去の人にした記憶もした経験もないのですが!」


ノルンとヴェルは取っ組み合い1歩手前になってきている。


ここで2人のストッパー役のスクルドが役に立つ。


「はいはい2人とも喧嘩はしない」


「ごめんねスクちゃん、でもこいつはまず消さないと!」


「ノルンー?割と真面目に・・・」


スクルドは手から剣を出し構えてきた。


かなり迫力のある雰囲気だ。


マジで斬ってかかりそうなオーラがある。


ヴェルはそのようなオーラにも気づかず


「あれスクルド、少し太っ・・・」


「ぎゃあああ!」


2人の悲鳴が住宅街を包んだ。


何があったかそこは察してください。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


3人が帰るともうクリートは家に帰っていた。


「遅かったな?あれ、大丈夫か?ノルン、ヴェル」


「ははは、大丈夫ですよクリートさん」


「だ、大丈夫だ貴様」


「ただいま!この匂いは今日はカレーかな?」


2人のボロボロな声とスクルドの声が良い感じに対比している。


2人の様子や声的に何か余計なことを言ったような気がクリートには察することが出来た。


そう考えると2人の馬鹿さ加減に呆れがあり頭を抱え。


「・・・なんとなく察しがついた」


「そうなんですか!クリートさん!」


「とりあえず余計なこと言うなよ」


そう言うことしか今クリートにはできない。


多分これもヴェル経由でこうなったのも何となくだが分かる。


ヴェルは割と思ったことをすぐ口にしがちな人だからいつも授業中等の場面で地雷を踏まないか心配になるくらいは地雷踏みの天才だ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ノルンはベッドの中で考えた。


(もし仮に借り物競争でそんな話題が来たとしてもクリートさんはこんな結末望んでるのかな)


少し自分の考えに迷いが出てきた。


クリートとはなんやかんや付き合ってまぁまぁ時間は経つ、クリートの性格もある程度理解してきたであろう時間だ。


だからクリートのことを考えると今回ノルン自身が考えたことは自己の思いが入りすぎて嫌になってくる。


(私はどうしたら・・・まずクリートさんは私の事・・・うぅ考えたら考えるだけ)


ノルンは考えれば考える程この関係について本当に悩み出てきた。


出会いの印象が最悪だったのに最悪の印象が勝手に恋愛感情を向けられるクリートのことを自分で哀れだと思うくらい追い詰められてきている。


(どうしたら・・・どうしたら、本当に・・・嫌!)


ノルンは今の関係は壊したくない、でもずっとこの関係も嫌だ。


わがままだし自己中な考え方だということも全て理解している。


(私は望んでるけど本当はクリートさんは私のことを・・・)


悩みに悩みまくり1度水を飲み頭を冷やすことにした。


部屋を出るとリビングが明るい。


もう全員寝たはずなのにと少し興味と不気味さを感じながらリビングに向かうと水を飲んでいるクリートが居る。


ノルンはさっきまで自分で考えていたことが重なりクリートを見ると涙が自然に溢れ出した。


自分でも分からない、何故か知らないが涙が勝手に溢れて止まらない。


クリートは驚いた形相で話しかけた。


少し心配混じりの声で罪悪感がある。


「ノルン!大丈夫か?急に泣き出して・・・」


「クリートさん、少し気になることがあるのですよ」


「なんだ俺の教えられる範囲なら教えるぞ」


いつもより優しい、若干焦りもノルンには見えてくる。


「私のことクリートさんは好きですか?」


クリートは狐につままれたような顔をしながらこちらを少し見ていた。


どっちかと言うとフリーズに近いものだ。


少し経ってクリートは口を開けた。


「わからないんだ、と言えばどうする?」


「・・・嫌いでは無いのですか?」


「嫌いなわけないだろ・・・嫌いならまずこの家から追い出してるし来る度に塩投げてるよ」


「・・・中々ですが信頼させてもらって本当に嬉しいです」


クリートは思い出したかのように話を変えようとした。


「ごめん話が逸れたな・・・俺自身好きか分からないんだ」


「わからないと言うと?」


「感情についてだよ・・・恋愛感情がよく分からないんだ・・・だからお前が好きか自分でもよく・・・」


「わかりました・・・今日はありがとうございま・・・どうかしました?」


クリートがノルンの腕を持ち帰るのを待った。


ノルンはまだ水を飲んでないからその指摘かなと思ったが実際は大きく違う。


「もしその感情に答えが出たら俺から言わせてくれ!好きだって」


「・・・わかりました・・・その一言を待っておりますね」


ノルンは渾身の笑顔をクリートに見せた。


その屈託のない笑顔は太陽のように明るく周りを幸せにしてくれそうなオーラが漂っている。


少しその笑顔に見惚れているとクリートはハッとした様子で


「なぁなんでここに来たんだ?」


「水を飲むために来たのですよ」


「ごめんな・・・時間かけて」


「良いですよ・・・気になったことを聞けたので」


ノルンはそういつもの屈託のない笑顔で答えた。


心なしかその笑顔は前より輝いて見える。


多分クリート自身の気持ちの変化だろう。


少しクリートがノルンに対する気持ちの変化がやっとことタイミングで変わってきてきた。


しかしまだクリート自身ニブニブなためその気持ちにすら気づいてすらいない。


多分ノルンは苦労するだろう、それをどうやって耐えるかが肝となりますね。


ノルンは水を飲み部屋にもどった。


シラフになり考えると凄い恥ずかしいことを聞いたのだと自分でも枕を顔につけながら思い足をバタバタさせている。


恥ずかしすぎて明日まともに顔を見れるかすら怪しい。


でも安心ができたので今日の質問はあながち失敗とは言い難いものだ。


(クリートさんが言ってくれる・・・楽しみだな)


そう考えると体育祭が楽しみで仕方なくなってきた。

ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・)

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