多分メイドに近い人
クリートとフレドは昼ごはんを食べた後にフレドの家に行った。
フレド曰く
「また帰って一緒に待ち合わせ面倒だろ、なら来たら?」
本当に彼らしい理由だ。
とりあえずお言葉に甘えてフレドの家に行くことにした。
地味にフレドの家はあまり行かないので少しワクワクする。
家の前に着きフレドがインターホンを押した。
ワンコール目にてフレイヤがすぐに出てきてくれた。
「あれ?あぁ、言ってましたね来るって」
「ごめんな、急に」
「いえいえ大丈夫ですよ、クリートさん、どうぞいらっしゃいませ」
「あ、ありがとうございます」
「別にそこまで敬語ではなくていいですよ」
「フレイヤの話し方で言われると説得力無いな」
「そうですねクリートさん」
フレイヤはずっと笑顔で接してくれる。
とても良い気分だが前回わざとでは無いが殺しかけてしまった時の罪悪感がクリートにはある。
それゆえ少し気まずさがあるが2人の話し方的に特に気にしていないのが唯一の救いだ。
「ではどうぞ中に入りになってください」
「ごめんなフレイヤ」
「お、お邪魔します」
入る時にフレイヤが2人分のスリッパを置いてくれている。
2LDKで今まで一人暮らしのフレドには大きすぎるぐらいでかい家だったが2人で住んでいるのが今のフレドの家の事情だ。
フレイヤからの恩を受けているのが余計にあの時の罪悪感を倍増させていく。
でも逆にここで変な行動をするより恩を受ける方が2人にとっても大事だろうと思い変に考えるのをやめた。
考えるのを辞めたら少し体が楽になってきてきた。
「うぉぉ前来たより綺麗」
「それは嬉しいです、私こう見えても家事は得意なもので」
「フレド・・・本当に幸せ者だな」
「本当に恵まれてるよ、人間関係面では」
「お兄さんにそう言って貰えるのは嬉しい限りです」
フレイヤは飛びっきりの太陽のような笑顔でそう答えた。
フレイヤは良い子だなと言いたいところだがフレドに変な目で見られるのは嫌だしフレイヤも嫌がりそうなのでその言葉は胸にそっと抑えることにした。
フレイヤが机まで案内するとお茶を出してくれた。
緑茶だ。
「紅茶ではなくてすみません、ちょうど葉を切らしていまして」
「大丈夫だよ、変に紅茶出されると余計緊張感あるしこっちの方が気分的にも楽だしね」
「すみません、本当に」
「フレイヤそこまで気を使わなくていいよ、クリートと俺は友達同士だし」
「わざわざありがとうございますお兄さん」
フレイヤの尽くし具合にかなり圧巻している。
頭を下げるとそのまままた台所へと戻って行った。
2人はお茶を飲みながら今日のフェークのことを話し合っている。
その間もずっと家事をしているのがどうしても気になった。
フレドも同じことを思っていたようだ。
「フレイヤ!手伝うぞ」
「だ、大丈夫ですよ、わざわざ友達様が来ていらっしゃるのでお兄さんは友達と・・・」
「俺もやるぞ、さすがに罪悪感が半端ない」
「クリートさんはお客様なのでやらないで結構です!」
「じゃあやりたいからやると言えば・・・」
「・・・う、難しいです」
「まぁあれだ俺もクリートもやりたいからやるだけだからあんまし気にしなくていいよ」
「すみませんお兄さん、クリートさん」
3人でやると仕事は一瞬で片付いた。
元々家事スキルが多少ある2人がやったのであんまり戸惑うことなく終わらせれたのも早くなった要因だろう。
残っていた家事が終わると3人はフレドの部屋である洋室へ入った。
紛れることも無くゲームの為だ。
クリートはフレドの部屋に飾るように置いてあるレーシングゲームのカセットを取り出し見せた。
「・・・このゲームなら3人でできるぞ」
「ナイス!コントローラーもジャストで3つだしフレイヤもやるぞ」
「良いのですか?お兄さん」
「みんなでやると楽しいだろ、操作方法ならその都度教えてやるし」
「ありがとうございますお兄さん」
「クリートすまんちょっとカセット変えておいてくれ、予めの操作方法教えていくから」
「了解了解」
クリートは慣れた手つきでカセットを変える。
一応ゲームはやりまくっている身なのでクリートなのでこのくらい朝飯前だ。
すぐにカセットを変えレーシングゲームに変えたがまだ教えている。
(フレド面倒見がいいんだな……あいつこういうところイケメンだな)
少し盗み聞きをするがとても操作方法が分かりやすく誰が聞いても分かるような説明だ。
カセット変えたのを気づいたフレドはフレイヤに「すまない」と呟くとクリートの方へ向き電源をつけた。
「お前早いな、終わらすのが」
「まぁたくさんゲームやってる身としてはこのくらい朝飯前だ」
「カセット変えるだけの仕事いけば?」
「ねぇよ」
ノンストップツッコミが炸裂した。
フレイヤはコントローラーをあせあせしながら触っている。
多分初めてに見えるが何となくやった面影があるような操作もたまぁにするので少なくとも初体験では無いだろう。
ゲームをつけると慣れた手つきでキャラを選んで行った。
フレイヤはてっきりすごい時間がかかるのかと思っていたがやはり操作が初には見えない。
「・・・・・・あの、お兄さん・・・これでいいのですか?」
「キャラ決めたしこのまま待っておいてくれ」
「分かりました」
「フレド・・・フレイヤ上手いのか?」
「・・・察してくれ」
「了解・・・手加減するよ」
しかし結末は以外なものにとてもフレイヤが強かった。
ダントツ一位でゴールを連発していく姿はまるでチーターのようだ。
「フレド・・・」
「聞くな・・・影で努力してたんだろう」
「違いますよ・・・お兄さんのプレイを見よう見まねでやってみたのですが」
「それで上手くできるって化け物かよ」
「ふふふ」
その顔は自信に満ち溢れている顔だ。
その中には嬉しさややりました感を醸し出している。
正直見よう見まねで上手にできるフレイヤの力がとても羨ましいこと限りない。
「もう時間だし食べに行くか?」
そうフレドが言った。
時刻はもう夜に近い。
気づいたら夜になっているくらいやり込んでいたようだ。
そう言うとフレイヤが寂しさを覚えた顔でこちらをじっと見つめているのでフレドは
「フレイヤもたまには来たら?楽しいよ友達とご飯は」
「でも・・・いいのですか?」
「大丈夫だよ、クリートの奢りだし」
「ふざけんなよてめぇが奢れ!」
「わかってるわかってる、フレイヤお金持ってるよな」
「はい・・・持ってますよ」
「じゃあ割り勘でいっか」
3人での食事は初めてなのでかなりクリートは緊張している。
今まであまり人と飯を食べに行くことをしなかったクリートは緊張で心臓がはち切れそうだ。
でもフレイヤも同じく友達とご飯は初めてそうだしそのためか顔に少し緊張を感じている反面ワクワクな雰囲気も感じる。
(まぁ楽しめればいいか)
そう思いながらクリートは店へと向かった。
ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・)




