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告白のその後

告白が終わりその日の学校はずっとその話で持ちきりだ。


「鉄の(アイアンレディー)」があのような照れまくった顔をみんなの前で晒したのが初めてだしそれに加え彼氏彼女の関係になったのも尚更だ。


学生の間で公開告白は大注目の的だというのにそれが誰もが認める美男美女カップルの誕生となると尚更熱はすごい。


いつ収まるか分からないくらいだ。


クリートとフレドはずっと誰かに囲まれているフェークを見ながらジュースを飲んでいる。


普通に静かにいきたい主義派のクリートは少しフェークのことを同情しつつその反面羨ましいさもある。


「フェーク災難だな・・・フレド今日ご飯どこで食いに行く?」


「そうだな・・・いややっぱりあいつは今日ソルーとお楽しみだ・・・ここは友達として大人しく身を引くか」


「そうだな・・・まぁ二人で食うのも悪くないな」


「あぁ、それでこそ友達だな・・・とりあえずヤリゼイサでも行くか」


「安いし美味いしで最高だよな」


2人で今日の晩御飯を考えている時尋問が終わったフェークがこちらに来た。


心無しか少し顔が疲れている。


まぁ戦闘で大怪我負ってその後告白とかいうスケジュールの詰め込み具合で体がガタを迎えているのだろう。


フェークは多分疲れが酷くて今すぐにでも帰りたいだろう。


実際ゴリに受けたキン肉バスターがとても痛く今も若干痛いぐらいまである。


中の人を完全に殺しに来ている技なので本当にキツイ。


もうそんなオーラが辺りに出ている。


というか顔にそう書いてあるくらいヤツれてる。


クリートはそのやつれ具合が少し気の毒に思い後会話の内容がないため聞いてみた。


「フェーク、一応聞くが今日ご飯食いに行くか?」


「きょ、今日か・・・」


「すみません2人とも今日はフェーク君と一緒に居るので少しキツイみたいです」


「大丈夫だよ、そんな気がしてたし」


「してたのかよ!」


フェークの隣からスっとソルーが出てきた。


何となくその予感はクリート、フレドはしていた。


そのためかあんまし驚きはしない。


というかここで来ない方が逆に恐怖覚えてしまう程だ。


何故か知らないがソルーの今の雰囲気が懐いた大型犬っぽさを感じる。


家族の愛を受けたことないせいか愛に植えていたのだろう。


そのため甘えたい人にはとことん甘えている感じがする。


ソルーがそう言い切ると2人は帰って行った。


別に2人は不満などなく円満さえしてくれれば嬉しいので別に何も思いはしない。


ただただ祝福の気持ちでいっぱいだという気持ちはある。


そんなことをしているとすぐに下校の時間になった。


今は学校がちゃんと元に戻るまでは午前で帰宅されるのでもう帰っても良いと言われていたのだ。


クリートとフレドは顔を見合せながら


「俺達も帰るか」


「そうだ、もう昼飯も食べに行かない?」


「わかった、ノルン達には伝えておくよ」


「助かるぜ、俺もフレイヤに・・・と」


2人は連絡し終えるとそのまま学校を去った。


若干フェークが2人から少し距離が遠くなるような気がしたがそれでもフェークが2人を友達と思っているので友達と思えるような関係性は続くだろう。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


場面はフェークとソルーの下校時。


ソルーは1度懐いた人にはとことん依存しやすい体質などをここで理解した。


ソルーはずっと手を握りながら歩いている。


恥ずかしさ等どこかへ捨てたのだろうかそれともソルーの価値観の変化かは知らない。


でもフェークは少しこの距離感が恥ずかしく感じる。


周りからの視線はとても居心地が悪く中には殺気を感じる視線も見えた。


少しビビっている姿勢がソルーにも受け取れたようで


「あの、フェーク君?気分悪いですか」


「・・・あ、いやそんなことは無いんだが、近くないか」


「そうですか!学校のカップルはこういう距離感なのでつい」


「それは見習うべきでは無い気が・・・」


この高校のカップルは特にバカップルがきっとソルーの目に止まったのだろう。


イチャつきが半端なく強いカップルを見たせいでカップルの価値観が圧倒的にズレている。


少しこれは教育が必要だとフェークは瞬時に理解した。


「まぁ家の雰囲気を学校でもできるようになったと思った方がわかりやすいかな・・・」


「そうう事ですか・・・変に考えなくてもいい事なのですか・・・ありがとうございます」


「まぁ変な事せずこういう他愛ない会話だけでも良いだろ、変にやってまたあんなことはごめんだ・・・特にキン肉バスターみたいなものは二度と受けたくないし」


「すみません・・・私のせいで」


「別にキレてないよ・・・俺が弱かったせいだ」


「フェーク君は弱くなんかありません!」


急にソルーが声を出してきた。


少しいきなりなので少々ビビってしまうが直ぐに元のソルーへと戻る。


顔を赤くしている。


恥ずかしさもあるのだとフェークは思う。


多分自虐外野だったのだろう。


「す、すみませんつい」


「いや、俺こそ悪かった」


「本当にすみません・・・本当に」


「大丈夫だよ・・・俺こそ」


2人は初心なのか夫婦漫才なのかよく分からない空気感をずっと放っている。


初心なカップルと言えばそう見えるしご長寿夫婦だと言われればそうにも見える。


なんとも言えないカップルとしてできていて周りからはどっちやねんと言われてそうな雰囲気だ。


「あのすみません急ですが今日晩御飯どうします?」


「え?」


「もう付き合ったので我慢などしませんよ・・・覚悟していてください」


その目はすごく妖艶さを感じさせる。


大人の余裕というのかそれともイタズラな気持ちで言ってるのか全く分からない。


「では先に帰って待ってますね」


「あ、あぁ、楽しみにしてるよ」


ソルーは唇に手を当てニコッと笑顔を見せその場から走って家へと向かった。


フェークはソルーがその場から居なくなると一気に疲れが襲ってくる。


理性を保ちつつ痛みにも耐える。


これほどまで疲れたことはそうそうないだろう。


痛みはすぐに治る、しかし理性との戦いは永遠に続くと考えたら気が遠くなる。


(好きになってもらうのは嬉しいこと限りないけど理性が・・・はぁ、どうしようか)


何故か知らないが途方に暮れる人の気持ちが若干わかった気がしたかもしれない。


1歩1歩歩く足が登校ぶりに重たい。


ここからフェークの理性とのバトルが始まる!

ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・)

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