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告白前夜

フェークが起きると目の前にはソルーがベッドの隣に座っている。


「うわぁ!び、ビビったァ」


「人を悪霊みたいに言われるのは失礼です!」


「すまない」


ソルーがプンプンと音を立てて怒っている。


しかしその目はかなり涙のあとが目立つ。


そこには触れないようにした。


時刻が気になり時計を見るとあの時から一日寝ていたということに気づいた。


だから心配してくれてたのだろう。


そう思うと罪悪感がある。


しかしフェークは意識を失う前の告白紛いな内容はほとんど忘れているため割といつもと同じ雰囲気で話しかけているがどうもソルーは違うようだ。


顔を赤くしながらどこか見つめてるわけもないが頑なにフェークと目を合わせない。


泣いていたのが恥ずかしいのもあるがそれだけじゃないと思う。


フェークはソルーが泣いているから恥ずかしいだけじゃないと思うことは出来る。


でも口には出せないがすごく可愛い。


しかしこんなこと言うと普通にしばかれそうなので心の中で留めておくことにしておいた。


「なぁ、俺意識失う前の記憶ほとんどないんだけど何かあったか」


「ふぇー!い、いや・・・あれは・・・言葉の綾というか・・・そんなに覚えてないのですか?あれだけ答えてくれたのに」


「もう頭フラフラだったからな適当に相槌打ってただけだ、簡単に説明すると深夜テンションのもうひとつ先のやつだと思ってくれていいよ」


「・・・分かりました」


ソルーは顔を膨らませながら拗ねた様子でいる。


何となくだが何を言ってたか思い出してきたが可愛いのでこのままにしておこう。


ドアの外からもの音が聞こえる。


大人数では無い、影を見ると大男らしき人が一人いる。


その影を見た瞬間一発でわかった。


ゴリだ。


フェークは一瞬身構えたが入ってくると雰囲気は全然違っていた。


前までは喧嘩大好きマンみたいな典型的ヤンキーと思わせる風貌があったが今は優等生のオーラを纏っている。


その豹変ぶりに2人は口をパッカーン開けたまま見ることしか出来ない。


「師匠!大丈夫ですか!」


「いつの間に俺はお前の師匠になったのかはさておき・・・だいぶ雰囲気変わったな」


「確かに前まではフェークのことを恋敵だと思ってました・・・でも今はその恋路を応援したくなりまして」


「なんでまた・・・まぁ嬉しいんだが」


「ソルーさんが今まであった経緯全部教えてくれたのですよ、大変勝手ですが本当にその経緯で感動してボロ泣してしまったのですよ」


「そんな泣くものかね?」


「そりゃもう、思い出しただけで」


話している最中にもゴリは目から涙を浮かべている。


どうやら嘘ではないようだがここで泣かれると面倒な面がある。


「わかったわかった、泣きやめ」


「あ、ありがとうございます、本当に感動的で、泣き出すとめっちゃ引かれましたが」


「そんな気はしてたよ・・・まぁありがとうな」


「こちらは謝っても気がすみません、なにか手伝うことがあれば」


「まぁまた今度な」


その暴露のおかげでソルーが喋っていた内容が完璧にわかった気がした。


そう思うと急に恥ずかしくなり視点が天井を指した。


その様子にゴリは少し疑問に思ったらしい


「どうかしたのですか?」


「あ、いや、俺運ばれて目覚ましたときに記憶がほとんど無かったんだ、でも何となくというか完璧にわかったわ・・・明日からどう行こう学校」


「まず師匠はソルーさんに答えを言わなくちゃ」


「あ・・・」


完璧に理解したことに感動を覚えまくっていたが実際大事なのはYESorNOの弁当だった。


ゴリも空気を読んで静かに病室から出て行った。


今どっかに行かれると困ると言いたい気分だがソルーに何言われるか分からないし多分ゴリは嫌と言い切るだろう。


そしてさっきまで黙っていたソルーが口を開き出した。


「フェーク君、あの・・・答えはまた今度とかでいいですよ・・・一応退院日時聞くと明日には帰れるみたいですし」


「りょ、了解・・・大丈夫なのか帰らなくって?」


「え、帰って欲しいのですか?」


「いやだった時間もう夜中の10時なんだが・・・」


「私今まで我慢してきました、たまには羽目を外すくらい・・・いいですよね」


耳元で囁かれた時理性が切れそうだったが必死に理性を保ち耐え着ることに成功できた。


「お、お願いだ・・・俺だって男なんだよ・・・そんなこと言われたらその・・・理性が・・・その」


「理性が何です?」


その声は完全にイタズラというか淫魔というかそれに近いものがある。


完全に弄んでいる感じがひしひし伝わってくる。


下手しいここがラブホに変わってしまうような湿度に変わってきていた。


フェークは男の怖さを教えるためにソルーの唇に指を当てて言い聞かせた。


「イタズラするのならこうだぞ」


「・・・ふふふ、全然イタズラに感じませんね」


「はぁ、やっぱりそうか」


「・・・でも遊びすぎた私もいけませんでしたね」


「だから良ければ次からはそのような言葉遣い辞めないか・・・理性がもたなくなる」


「ふふふ、私はフェーク君なら襲ってくれても良いですけどね」


かなり小声で言ったので少なくともフェークには聞こえない。


なんならソルーにも聞こえにくいので尚更だ。


フェークはこの会話を続けていると脳がダメになりそうなので急いで話を変えて何とか理性ゲージを満タンに戻して行った。


さすがに2人とも眠気でどんどん疲れてきたのでソルーはもう帰ることにしたようだ。


帰る前に唇に指を当てイタズラっ娘な様にフェークを見つめながら


「待ってますよ、反応を・・・」


と言うとソルーは帰って行った。


ソルーが帰るとフェークは寂しさと疲れがゾッと襲ってきた。


このまま居たら脳がダメになるし居なくなったらなったで寂しいものでもある。


人間とは不思議な生き物だと何故か哲学じみたことをかんがえてしまった。


今日のこの数分でもだいぶ疲れたので1度脳をリラックスのために寝ることにした。


(帰ったら伝えるか・・・それとも学校で伝えるか・・・悩む)


フェークは男だ。


男なら飛びっきりのサプライズで告白したいというロマンはある。


男はいついかなる時もロマンを求め生きている。


それはフェークにも言えたことだ。


フェークは考えに考えついた1つの究極の告白を考えることが出来た。


決戦(告白)の日は休み明けの学校だ。


もうこの日を逃すと多分きっとできないだろう。


自分のヘタレさに至極呆れ返っていた。


そのためか脳はやすまなかった。


ただただ脳がとてもしんどい。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


夜が明け退院の時となった。


フェークは家に帰るとソルーが居るしとても悩んだ。


今なぜ会いたくないのかと言うと。


いわゆる好き避けというものだ。


もしソルーに会うと2人とも恥ずかしさでとても見てられないこの世の終わりみたいな雰囲気を出せてしまうからだ。


そのため策は練ったしかしひとつしかできなかった挙句その策はアウトだ。


クリートとフレドはフレイヤの力で治ったとは言えども体的には明日からやっとまともになると言ったところだ。


そのためクリート、フレドの家にお世話も除外だ。


どの道学校の用意は全て家なので必ず戻らなければいけない。


そのため結局なし崩し的に家に戻ることにした。


バレないようにコソッと家に入り何とかバレずに入ることが出来ることで何とか一段落と言ったところだ。


少し音があったためバレたはいると思うがいつもの如くあらわれない。


昨日の一件が恥ずかしすぎたのか寝ているのかのどっちかだ。


フェークは前者だと思っている。


この一日はとにかく明日に備えるように準備した。


シミュレーションも台本も考え何とか計画は完成した。


あとはそれをどれだけ本番で活かせるかだ。


これまでのことは全てもうこれ以上ソルーを我慢させないために行うことだ。


(飛びっきりのサプライズで幸せを教えてやるよソルー)


そう考えるとより更に計画は考えられる。


夜な夜な考えたので次の日見ると頭おかしいだろというものが見つかるかもしれない。


しかしそれも使える一つの手だと思いながら考えていく。


少しだけだが自然と明日が楽しみになってきた。


ブックマーク、ポイント等やって欲しいな♡

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