潜入 校舎戦線
ゴリが怯んだ時フェークはこれを逃がさぬ様な食いつき具合でゴリの攻撃を開始させた。
ワイヤーを辺り全体に貼り高速移動しながらゴリを翻弄している。
ゴリも負けじとツルを出すがツルが当たるはずもなく無駄な努力となっていた。
「こちらが反撃開始の時間なんだ!邪魔をするな!」
「こ、こいつ!速い」
「ひとつ聞きたい!あんたはソルーの何を知っている!」
「ソルーのことか!」
「お前はあいつが生まれ持っての天才肌だと思っていたのか!」
「よく喋るな!」
「あいつは影で血のにじむ努力をしている!それを見てきた!」
「遂に認めたか・・・」
「あいつがトラブルで泣いた時も寄り添ったさ!そのくらいの覚悟があるのか!」
「・・・!」
「無いのならどこかへ行きな!」
そう言うとフェークは思いっきりゴリの顔を蹴り飛ばした。
蹴り飛ばしの威力はとても高くキメラ体でも火力は折り紙つきだろう。
しかしそのような程度でやられるほどヤワな人間ではないのがゴリだ。
ゴリは一瞬油断したフェークを逃さなかった。
ゴリはツルを渡り廊下目掛けてはなった。
なぜ渡り廊下側に放ったのかというとその方向にフェークが居るからだ。
しかも今は無防備な状態。
一瞬油断したフェークを空中で見事に掴み取る事が出来た。
「し、しまった!」
「油断したのが罪だったな!」
ゴリはフェークを空中で捕まえるとキン肉バスターをする体制に変えた。
空中から地面にフェークを突き刺す様にキン肉バスターを行うことが出来た。
音や派手さ等は無いが火力は絶大そのものだ。
フェークは立ち上がろうとするが上手く立ち上がれない。
「はぁはぁはぁはぁ」
「さぁもうギブアップか?」
「ま、まだだ」
そう言うとフェークは足にナイフを付けてゴリ向かって走り出した。
ゴリはフェークの雰囲気が一気に変わったことが体で理解出来た。
これはまじでヤバいやつ。
そう理解して急いで逃げたのは良いが間に合うわけもなく。
「うぉぉぉぉ!」
「こ、こいつはァ!ああああ!」
ナイフがワイヤーを使い射出されゴリの腹を見事に貫いた。
それも派手では無いがゴリには効果が絶大だ。
フェークは変身が解除された。
顔から血が流れまくっている。
変な汗や息遣いも荒く今にも倒れそうなくらいフラフラだ。
さっきの地面引きづりもだいぶダメージになったのにそれに加えキン肉バスターが重なった。
普通なら致命傷を超えて死亡までいきそうだがフェークはギリギリ耐えきった。
ソルーのためにも死ねない。
その意思があったが限界点は近いようだ。
「はぁはぁはぁはぁ、あっ」
その瞬間フェークは意識が急に遠くなった。
今回の戦闘の傷が深くそして大量な傷や血の状態が酷かったようだ。
ゴリの腹は何も傷ができていない。
キメラの性質上痛みは残るが傷としては残らないというのが性質としてある。
ゴリは腹を抱えながらフェークを抱え体育館へ歩き出した。
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少し2人の男子生徒を倒すのに苦労したがクリートとフレドは何とか倒しきった。
生身の戦闘は久しぶりだしこのところを見られないように気をつけながら戦った為予想以上の時間をかけてしまった。
2人とも優等生をなんとか続けたいためだからだ。
2人を倒し草むらに隠してそのままフェークの行った方へ行ったが誰一人も居ない。
周りを見回すが誰も居ない。
でも下を見ると血痕がある。
「フレド・・・」
「クリート・・・お前もやっぱりわかったか」
「あいつ大丈夫なのか」
「・・・体育館に行くしかないか!」
「確かあそこからあいつら来たんだしな」
「急ぐか!」
「・・・了解」
2人は体育館へ再び戻るため走り出した。
割と生きてるか心配なラインだ。
でもさすがに学生、ここら辺の限度はわかるだろう。
それに賭けるしかないと思いながら走り出した。
体育館前は誰一人も居なくそしてとても静寂に包まれているが故に近寄り難い。
「フレド・・・開けるぞ」
「あぁ、覚悟は出来た」
クリートは若干重ためな体育館の扉を引いた。
古い鉄の擦り合う音がよく響く。
開けるとこちらを向いている男子生徒郡があった。
フェークは居ない。
クリートは周りを一瞬で確認しそのまま静かに閉じ体育館から急いで離れた。
しかし男子生徒郡は追いかけない訳がない。
後ろをチラッと向くと大量の人が後ろに居る。
「フレド!」
「わかってる!やるしかないのか」
「・・・もう覚悟を決めるしか」
覚悟を決め男子生徒郡を目の前に2人は構えた。
しかし結果は以外にもな結果だ。
「君たち!ゴリがどこにいるか知らないか!」
「・・・え?ご、ゴリ先輩」
2人はぽかんとしている。
ゴリとフェークどこに関わりがあるのか分からない。
でも世間知らずのクリートでもゴリのことは知っている。
1番不安な結末が起きそうな気がしてまもならない。
その組み合わせでクリートが絶望している間にフレドは詳しいことを聞いていた。
「何があったんだ、フェークに」
「ゴリ先輩軍団と戦闘になっていた・・・お前たちも戦っていたぞ」
「・・・そ、そんな、フェーク!フェ・・・フェークは生きているのか!」
「生きてはいる、でもどこにいるか・・・」
もっと詳しいことを聞くとこの人たちは全員ゴリの詳細な居場所を探してゴリのことを止めるために作られた部隊だそうだ。
でも先にフェークと接敵してその接敵が校門前ということなので中々気づかなかったらしい。
校門前で戦闘しているのを気づいたのは戦闘後、ゴリの私物であるペンが落ちているのがヒントとなったらしい。
そこから捜索が低迷しているらしい。
捜索のために向かわせた生徒数人が校舎に入り数分後には行方不明となっているらしい。
それが今の状況だ。
とりあえずクリートはいてもたってもいられないため校舎に行くと伝えた。
「なら俺も行くぜクリート」
「フレド・・・」
「とりあえず2人とも、ここで電話つけながら捜索はできるか」
「俺は良いけど・・・ならクリートは付けなくていいか」
「ごめんなフレド、じゃあ行くよ」
「あぁ気をつけてな2人とも」
そう言うと2人は恐る恐る校舎に入った。
校舎内はまだ昼なため明るい。
不気味なオーラなど何一つも無い。
だが行方不明という情報が入ると急に不気味なオーラが強く感じるようになってくる。
1歩1歩恐る恐る歩いていき一つ一つ探したが結局別棟の最高階の4階まで何一つもなかった。
最後までよく胃が持ったと2人は自分で自分を褒めたい気持ちでいっぱいだった。
数十分の探索が数時間に感じるほど長く感じる出来事だ。
遂にいるかもしれない教室を見つけた。
周りが電気ついていない中一つだけ電気がついていないのでそうだと理解が誰でも出来る。
2人はコソコソ歩きで教室前に着き目を合わせフレドがドアノブに手を伸ばした。
これを開けると何が起きるか分からない。
だからこそ恐怖が凄まじい。
「開けるぞ、クリート・・・準備は・・・」
「出来た・・・お前こそ大丈夫か手がガタガタ震えてるぞ」
「だ、大丈夫だ」
「そうか、じゃあ開けるか」
「了解だな!」
フレドは思いっきりドアを開けたが誰も居ない。
そう思ったのも束の間上から何か攻撃を仕掛けられているのも気づかなかった。
ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・)




