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最悪なDay(2回目)

クリートとアフィー、ノルン、ヴェル、スクルドは大急ぎでトイレの前へと着いた。


まだフェークがトイレに居るのはバレていないのが不幸中の幸いだ。


しかしこのままずっとトイレだとバレるのも時間の問題だとみんな理解している。


クリートはトイレの中へ入る。


「みんな、ここで待っておいてくれ、人が来そうなら何とか・・・とにかくどうにかしてくれ」


クリートはもう考える間もなく言った。


傍から見るとただのヤケクソだ。


でもみんなもそこまで考えていないのが幸となり誰も指摘せず頷いてくれた。


トイレの中に入るともう外に出ようとしていた2人がいる。


フレドとフェークだ。


クリートは何とか2人が無事なことが何より感動した。


「フェーク!バレてしまった!」


「な、なんだって!」


「とりあえず話は後だ外に逃げるぞ!」


「え、嘘!おいクリートそれは本当か!?」


「本当なんだよフレド」


フレドは青ざめ、フェークは顔が固まってしまった。


クリートはとりあえず2人を外に出す前に周りを確認したが誰も居ない。


「ふぅー」


そんなことを思っているのもつかの間だった。


「居たぞー!」


その声はトイレから見て右側から聞こえた。


どうしてバレたのかは分からない。


でもクリートが原因なのかそれとも周りを囲っているノルン達でバレたのかは知る由もない。


クリートは急いでトイレの中へ戻りドアを閉め考えた。


「終わった、バレちまった」


「ははは、ここで俺たち全員あの世ゆきだー」


「おいフェークまだ諦めるなよ、まだ・・・あれこれトイレから外に出られそうじゃない?」


「お前!まさかやるのか?」


「フレド、怖いのか?」


「くっ!やってやらァ!」


この学校のトイレは窓がある。


頑張れば人1人降りれるくらいはある。


だがまさかこんなところで使えるとは思いましない。


というか思うわけが無い。


とりあえず錯乱状態のフェークを1度叩き起し正気に戻させた。


「はっ!俺は・・・」


「この窓から出るぞ」


「わかったよ、ワイヤー広げといてやるからな」


「ありがとうな」


「クリート!これで出れるはずだ!」


「ありがとな!フレド」


フレドはさっきまで窓を限界まで開けていたのだ。


ここの窓は使う人がほとんど居ないため開けるのに時間がかかる物だった。


無理矢理だが開けることが出来たが、それと同時にドアから大量の人が来た。


前を守ってくれていた人たちは物の見事にやられている。


男子生徒の底力と馬鹿さ加減に笑いが込み上げてくるものがある。


みんな目が変わりまくっている。


血眼だ。


だいぶ狂気的なものを見たような気分。


ホラー映画のワンシーンだと言われても無理はなさそうな感じが今実際クリート達の周りに起きている。


フレドはこの状況でか細い声でクリートに囁いた。


「これ、俺寝れるかな」


「あ、お、俺も寝れるかな」


2人とも今日はよく眠れなさそうだ。


でもいちばん眠れなさそうなのは誰がどう言おうともフェークだ。


知らない間に追われる身となってしまったのはかなりの恐怖だろう。


「居たぞー!」


「捕まえろー!」


そう言うとほうきを持ちトイレ内に進軍してきた。


フェークは2人を抱え窓から飛び降りた。


男子生徒軍は大急ぎで窓へ向かい下を覗いたがワイヤーを使い体育館へと向かっている様子を見つけた。


みんな目を見開いてみていることしか出来ない。


だがそんなことで止まってられるほど暇ではなかったのかすぐさま行動に出る。


男子生徒達は電話を使いどこかへ電話をかけた。


「ボス!奴らは体育館へ逃げましたで」


「・・・了解、この私直々で相手してやる」


「ボスが相手なら心配無いですね」


「ここらで私の本気を見せてやる!」


どうやらボスが居るような様子だ。


しかしそんなこと3人は気づく訳もなく体育館へと向かった。


体育館の天井に着くとそのまま外へ出ようとしたが体育館の上から男子生徒が5人現れた。


標準装備なのか知らないがみんなほうきを持っている。


なぜほうきがすごく聞きたいこともあるがまず接敵は面倒くさいので下に降りた。


こういう時のフェークのワイヤーは心強い。


何とか安全に降りることができたが下にも敵がいる。


敵は2人だ。


いつもの事ながらほうきを持ちながら襲ってきた。


クリートとフレドはフェークのためにその男子生徒二人に立ち向かう。


クリートはほうきの斬撃を避けその隙にほうきを持つ手を蹴り飛ばしほうきを落とした。


「フェーク!逃げろ!体育館内は怪しいから近づくな!」


「くっ!済まない」


そう言うとフェークはクリート達を置いて校門へと足を進めた。


あともう少しで帰れる。


だがそう上手く行くことはなかった。


校門前からフィジカルの化け物が現れた。


体がとてもごつくあだ名は「ゴリ」と呼ばれている。


ラグビー選手顔負けの強靭なフィジカル。


そしてソルーのことがずっと好きだったためフェークに対しての怒りは底知れない。


「ははは、ゴリ先輩、どうしました」


声がかなり震えている。


見た目のインパクトと圧倒的な体格差が戦力を物語っている。


「ほう、のうのうとここに来て生きて帰れると思うなよ小僧」


「せ、先輩、俺とソルーはそのような関係では・・・」


「黙りな!」


迫力のある大声が当たりを包んだ。


その姿はもはやゴリラのようだ。


叫ぶとゴリはフェークの方へ走って向かってきた。


(完全に適当に向かってきたな、この程度なら)


ゴリは無心で突っ込んできたのかと思ったが実態は全く違う。


こう見えてゴリは頭を悪くても戦闘や運動になると脳がとても活性化するような人間だ。


ゴリは1度体を下げて片足立ちからの片足キックをフェークにぶち当てた。


フェークはその衝撃で口から血を吐き壁に撃ち込まれてしまった。


「がはっ!」


(た、単細胞だと思っていたけど強すぎないか!)


ゴリは指をポキポキと流しながらフェークの元へ向かい歩き出す。


その姿はヤクザにしか見えない。

ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・)

ちなみに変身しない理由はテレビ関係者などにバレないためです

バレたら面倒なので

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