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罪を背負う者

あの襲撃事件から数週間が経った。


もう退院の許可が降りたがノルンは降りない。


ノルンの怪我の状態が酷すぎていつ退院できるか怪しいラインと聞いている。


クリートは退院前にノルンの様態を見たがやはりまだ動けなさそうだ。


「ノルン、俺やるべきことがあるから先行くよ、きっと戻ってくる」


「そこで逃げないことくらいわかってますよ、どれだけクリートさんと過ごしてきたか……」


「大して長い時間は過ごしてないがな」


「待ってますよ」


「大丈夫だ」


と言うとノルンの居る病室を出た。


クリートはノルンから1つ話を聞いたのだ。


フレイヤが生きているという事実を。


あの時死体が無いという事実やそういう面から察しがついていた人は頭なでなでしてあげる♡


フレイヤはあの時息絶えたかと思ったが知らず知らずのうちに回復魔法を自分にかけていたのだ。


そのまま少しの間は気を失ってはいたもののすぐに目を覚まし近くを探索していたといった感じだと後で本人から聞いた。


とりあえずクリートはフレイヤに会うことを最優先にした。


フレドに希望を取り戻してあげたいああなったのは自分の責任だと自責の念でいっぱいなクリートは真っ先に向かう。


向かう先はフレドの家だ。


少し緊張したが覚悟を決めインターホンを押した。


そのインターホンはとても重く感じる。


外からでもわかる大きさのインターホンが聞こえる。


かなりドキドキだ。


許してくれるだろうか、もう元の関係に戻れないだろうか

そんなことを頭の中をぐるぐる回りまくっている。


ドアを開けると頭に包帯を巻いてあるフレイヤが迎えてくれた。


「今回は本当にすみませんでした!」


出会い頭すぐに頭を下げた。


もう直らないかもしれない、でもこれをしないと人としてダメだと理解がありための行動だ。


「いえいえ、クリートさんが謝ることはありませんよ、このことはあなたの不可抗力なぐらいわかってますよ」


「でも謝らないと気が済まないんだ!俺のせいでフレドが破滅に向かっているんだ……」


「お兄さんが!?」


「だからお願いだ、手術しても成功するかわからないんだ!」


「……分かりました、あと他に治したい人はいませんか?」


「ノルンもだ、全身が折られたらしくて」


今クリートの母ならいけると思ったでしょ、クリートの母はそれぐらい大きな傷は治せないのだ。


よって使えるのはフレイヤのみとなっていた。


「考えただけどキツそうですね、分かりました……」


「本当にありがとうございます」


「頭をあげてください、あなたは悪くないんです……悪いのは襲撃に来た方達ですよ」


「……そう言って貰えると少し心が楽に……いや、なんでもない」


「もう行かないとですね」


「あぁ、ごめんなフレイヤ」


フレイヤはクリートが思っていたほど恨んではいなくて少し安心した。


フレイヤは怪我で動きが鈍くなっているといった様子はない。


本当に安心だ。


以外にも直ぐに病院へ着いた。


フレイヤはすぐに病院へと入る。


よっぽど心配なのだろう。


そういう気がする。


エントランスにつきクリートは前に対応してもらった看護師さんを見つけたのでその看護師さんにフレドの様態を聞いたがそれは衝撃以外見つからなかった。


「すみません!フレドはどこですか!」


「それが……フレドさん今日来たら居なくなっていたの」


「……え」


2人は同時にハモった。


月までぶっ飛ぶ衝撃をこの身で実感した。


フレイヤはクリートの袖をつかみ


「先にノルンさんを助けに行きましょう」


「ああ、わかった」


と言うとクリートは看護師さんに頭を下げそのまま走ってノルンの病室へと向かった。


病室に入るとクリートより前に退院していたヴェルとスクルドがノルンのお見舞いに来ていたようだ。


「あれ?クリート君にフレイヤちゃん?どうしたの」


スクルドやヴェルはどうやらフレイヤが生きていることを知っていたような反応だ。


まぁ今は早く話を終わらせたい感じなので変に話が長くなるのはゴメンだったので好都合。


「スクルド、フレドが消えた」


「嘘!?傷酷いはずなのに!」


「それが本当なんだよ」


「それは本当なのか貴様」


「あぁ、至って事実だ、ひとまずノルンを治療する、お願いだフレイヤ」


と言うと既に治療を終わらしていたようだ。


ノルンの方へむくとノルンが動いていたので察した。


「クリートさん、お兄さんどこにいるのでしょうか分かります?」


「分からない、でも何となくならわかるような気がするんだ」


「本当なの?」


フレイヤの目にはだいぶ涙が浮かんでいる。


せっかく復活できた後にこれだ。


クリートは今回のことに大きく絡んでいるため何とかして終わらせたい。


「みんな、ごめんなフレド探索は俺一人で行くよ」


「どうしてです、クリートさん!」


「そうだよクリート君」


「また死ぬような真似をするのか貴様」


だがクリートにはクリートなりに責任を感じているためこれだけはどうしても譲れないみたいだ。


「これは、これは俺とフレドの友達としての問題だ、お願い!今回は俺がやる!」


そのクリートの迫力に押されたのかみんな黙ってしまった。


今まで見た事のないくらいの迫力だ。


何やるのもダルそうなクリートが今回ばかりは本気な目になっている。


その様子や覚悟をみんなは汲み取っただ。


「わかりました、でもお願いです!」


「なんだ」


「生きてください!私クリートさんに死んで欲しくないのですよ、クリートさんが死にかける思いも懲り懲りです」


「そうだよ、クリート君、ノルン君ずっと心配しているんだからね、必ず帰ってきて」


「貴様を信じてるぞ」


「お兄さんを、元に戻せるように頑張ってください、応援しています」


クリートは病室を急いで出て「ある場所」へと向かった。


あのフレイヤが死んだと思った倉庫だ。


(あいつなら必ずいる、もうこれは魂で理解出来る)


急いで止めなくちゃ繰り返しのつかないことになるかもしれない。


そんな恐怖がクリートを襲う。


そんな思いを胸に倉庫に着くとやはりフレドは居た。


体は多少病院で治療している影響か以外にボロボロまでとはなっていない。


それでも骨は折れていたり肺は穴を空いているということを聞いた。


なぜ普通にたっているのかが不思議で仕方の無いことだ。


「クリート、どうしてきたんだ?」


「あんたに伝えるべき事実を見つけたんだ」


「・・・わかった」


「・・・え?」


「最期に1つお願いがあるんだ」


「最期ってまだお前は・・・」


「俺は罪を持ってしまった」


「え・・・」


「ライアを殺した」


「・・・」


「もう後戻り出来ないって意味わかったかもしれない」


「俺はお前のそんなことを聞きに来たんじゃない!フレイヤが生きているってことを言いに来たんだ!」


「・・・!?」


「今普通に生きている、もう戻ってきてくれ、お前が破滅の道に向かうのは俺もフレイヤにも迷惑だ」


「・・・ごめんそれでも俺は戻れない」


「なんでだよ!」


「・・・あいつを人殺しの知り合いにしたくない、それはお前にも言えることだ」


「それが罪なら俺はそれを認める!そしてあいつもあいつで人を殺しているんだ、覚悟がないなんて言わせない」


「だから俺を殺してくれ!」


その声は悲壮感を漂わせている。


クリートはフレドを思いっきり殴り飛ばした。


「俺は絶対にそんなことを許さない!」


「くっ!・・・俺だって嫌だよ」


「ならなんで・・・!」


「罪を背負ってあの世で償いたいんだ」


フレドはそう言うと変身した。


その手は若干戸惑っているようにも見える。


クリートはもちろん何をするのか聞いたがフレドは黙ったままエンドスカパを発動させてしまう。


「何をするんだ!」


「これで!」


フレドは剣を引き抜き首に付けるとそのまま首を落とそうとしている。


クリートは変身しフレドを殴り飛ばした。


「はがっ!」


「死んで償われるのならみんな死んでる!俺だって罪はあるさ、でもそれと向き合うのが生きるなんだよ!」

ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・)

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