表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/123

行く末

フレドの展開本当は考えてなかったんですけどね

病室が暗い。


真夜中にクリートは起きた。


運ばれてからどれくらい経ったのかわからないが携帯を見ると運ばれてから1日も経ってなくて少し安心だ。


周りを見回すとイテシーの病院だと理解した。


2度目のお世話だ。


でも前と部屋が少し違う。


周りを見回すとカーテンで周りが囲われているタイプの病室だった。


多分部屋が足りないので急いで作ったのだろうと感じだ。


いきなりの大襲撃プラス見知らぬものだらけなのが今回の被害の原因だと思う。


少し興味本位で隣を覗くためにカーテンを引っ張ってみた。


隣にはミイラ程では無いがそこそこ包帯を巻かれたノルンの姿を見てしまった。


ボロボロの体で本を読んでいる。


多分戦闘の激しさが原因だろう。


ノルン達より自分の興味のある方に行ってしまった自分を酷く憎んだ。


静かに出来る限り物音を立てずにカーテンを閉めたつもりがやはり少しは音がなってしまうのがある。


ノルンは目を覚ましてしまった。


快眠だったのに起こしてしまった罪悪感が胸に湧き出まくる。


「す、すまん!少しちょっとした興味本位で……」


「……クリートさん、生きてたのですね、良かった……良かったです」


ノルンは泣き出してしまった。


罪悪感で体が潰れそうだ。


「わ、私あなたが死んでしまったと思って・・・」


「ばっかやろう!俺が死ぬかよ・・・」


「そうですよね、クリートさんが死ぬわけないですよね」


だが声は不安や恐怖が混じっている。


よっぽど心配していたのだろう。


余計罪悪感が出てくる。


「あとひとつ謝らないといけないことがあるんだ」


「・・・何です?」


「フレイヤを・・・殺してしまった」


「知ってますよ・・・あのヘンテコな機械のせいですよね」


「しっ!知ってたのか!」


「はい、でもフレイヤさんは生きてますよ」


「いや、俺がこの目で死ぬ間際まで見てしまったんだ・・・人を殺してしまった・・・」


「大丈夫です、フレイヤさん実は・・・」


その事実はフレドにとっては希望しか無かった。


クリートはすぐに病院にある硬いベッドから体を上げ外に出ようとするが痛い。


「うぐっ!」


「クリートさん!」


「い、言わなくちゃ!」


「フレドさんにですか!」


「あいつが復讐を辞めさせるために!」


「今のあなたの状態じゃ無理です!」


「たかが病院だ!そしてこうしてしまったのも俺の責任だ・・・責任は取らなくちゃ」


「そのことはあなたの責任ではありません!あなたの不可抗力だっということもわかってます!」


「でもごめん、行くしかないんだ」


と言うとクリートは病室を出てエントランスに向かおうとしていた。


運良く近くにエレベーターがあるためそこから行ける。


壁にも垂れながら1歩1歩、歩き出し遂にエレベーター前へと着いた。


エレベーター内には人が居なくて何とか普通に降りれそうだ。


今のクリートはノルン程では無いが傷は酷い、それは見た目からもわかる事だ。


この状態で人と会うとまた1からやり直しだ。


何も苦労せず1階につきエントランスへと向かった。


しかしエントランスまで着くとさすがにフレドの病院は分からないので聞いてみた。


1人の看護師さんに聞くと顔を真っ青にしている。


そりゃ重症患者が院内歩いていることなんてあってはならないことだから。


だがクリートは必死に聞いた。


「お願いです!どうしても友達に伝えなくちゃいけないことなんだ!」


「でもあなたは歩いては行けない状態なのですよ!」


「・・・なら勝手に患者が動き出したって言ってください」


「それでも私達が怒られるのですよ!」


「お願いします!それかこれをフレドという人に!」


「・・・分かりました、あなたがあの方の知り合いなら少し、でもこのことは内緒ですよ」


「わかってます!」


だがクリートの必死さに看護師さんも観念したらしい。


看護師さんに連れられてきた場所は集中治療室の真隣の部屋だ。


部屋に入るとフレドが寝ている。


しかし怪我が酷すぎる。


クリートは絶句していた。


看護師さんは多分このことを言いたくないだろうが言ってくれた。


「フレドという方は傷が酷く当分は集中治療室で治療することになってるのです、でも成功するか」


「・・・すみません、わざわざ忙しい時間なのに」


「大丈夫ですよ、どの道伝えることだったので」


「・・・本当にすみません、頑張ってください」


クリートはまた体を動き出し部屋へと戻った。


クリートは運がいいのか悪いのか誰からも呼び止められずに元の病院に戻れた。


硬いベッドに腰を下げ下を俯いていた、いや俯くことしか出来ない。


あの出来事のあとだからだ。


「・・・フレド」


「フレドさん、大丈夫でしたか?」


「集中治療室行きだ、それも成功するか分からない」


「・・・すみません」


「謝ることじゃないよ、俺もノルンと同じ立場なら聞いてたし」


「・・・とりあえず今は楽しいことを考えて過ごすしかありません」


「・・・」


「人間暗いことばっか考えていると自分が嫌になります、少しでも希望を見るとどれだけの絶望も少しはましになります」


「・・・ありがとう、本当に」


「・・・でもきついでしょうね、私もあなたと同じ立場なら無理だと思います」


「・・・そうか」


「だから私があなたに希望を見せるために頑張ります!」


「・・・す、すまない」


クリートは下を向きながらこの言葉で涙のダムが決壊した。


俯きながらだがしっかり泣いているということをノルンは知っていた。


ノルンは今は動けないが優しい声で慰めてくれている。


本当に良い人と友達になれて良かったと思ってた出来事だ。


「クリートさん、あなたならテロリストも倒すことが出来ますよ」


「・・・本当にすまない」


「だって私が見込んだ男なのですから!」


「・・・うっ!うううう!」


クリートは少しでも早く前に向けるように努力しようと心に硬く決意した出来事へとなった。


そしてフレドの手術の成功を祈る。



ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ