2人だけの決戦
まぁフレド頑張れよ
2人の激しい競り合いは続く。
フレドは殺意に満ち溢れた斬撃を飛ばしてくる反面クリートは抵抗するぐらいの力でしか反撃はしていない。
クリートには戦う意思がもうほとんどない。
だがフレドの怒りの意思が多いせいでなかなか戦闘に決着がつかない。
クリートは銃剣と銃を頑張って用いて攻撃を行うが相手が強すぎる。
止まらない。
「クリートー!」
「フレドー!」
2人の決戦は激しくそして悲しみしか残っていない。
クリートは最後の手段、アクトを解禁させた。
多分ブラスターフォームの中から出てきたので使えると判断したのだろう。
しかしその判断は正解だ。
使える。
「こいつで終わりだ!」
スーツの紫の部分が白色に変色した。
最大出力なのかは分からない。
でも力が無限に湧き出る感覚だ。
「クリート!なら俺もこいつで!」
フレドはマントに包まるとマント部分から多数の刃がでてきた。
クリートはそれに少し怖気付いたがもう何も考えずに突撃を行う。
「フレドー!これでー!」
「クリートー!こちらもだ!」
フレドとクリートはジャンプをした。
フレドは回転。
クリートはキック。
普通に考えたらクリートの方が不利だがクリートはあの湧き出る力の意味がわかった。
あれは分身体をだせる力だったのかもしれない。
クリートは多数の分身体と一緒に360度にキックをフレドに撃ち込んだ。
撃ち込んだ瞬間激しい爆風が辺りを包んだ。
遠くから見ても爆発は見えるぐらいのでかさ、多分イテシーの人々は恐怖しているだろう。
そこは少し申し訳ないと思うクリートだった。
爆風が収まるとクリートとフレドが落ちてきた。
クリートはあの攻撃がとてつもなく負荷だったようで上手く立てない。
フレドも同じく立てないが攻撃の激しさで体がやられてしまったようだ。
「く、クリート・・・」
「フレド、もう・・・やめよう」
「お、俺は・・・諦めれない・・・これ以上・・・もう・・・失う物が・・・何も無い」
「やめろ・・・これ以上戦っても結果はどの道暗い道しか残ってない、戦うだけ失う、俺もお前も一緒だ」
「なら・・・どうして殺した!」
クリートはここがチャンスだと思い今までの事を話すがやはり嘘だと思われてしまう。
まぁそうだろう。
だいぶ空想気味な話故信じにくい、それも今フレドはクリートのことに不信感を覚えている。
「・・・殺らなくちゃ!・・・俺は殺るべきことが!」
「フレイヤが望んでいることでは無いはずだ!・・・あいつの性格上そんなこと何一つも望まない!平和があればいいだけなんだよ」
「それはフレイヤの望みでは無いのは確かだ、しかし誰が最初にフレイヤの望みなんて言ったか」
「・・・そういうことかよ」
クリートは察した。
その望みはフレド自身の復讐の意思だということに。
クリートは銃剣を使い立ち上がりフレドに手を貸す。
「上がりな、俺は俺で倒すべき相手が一人いる」
「・・・・・・堕ちたな、ヒーローとしての資格が」
だがきっと喋り方からしても少し希望があるような話し方だった。
「俺はもう後戻りはできないしする気もない。一生罪に向き合う覚悟は出来ている」
「・・・ならそれを死で証明してくれ!」
と言うとフレドはクリートの手を握り立ち上がると胸装甲を思いっきり斬り飛ばした。
「うわぁ!」
「俺がいつお前と戦うなんて言ったか?」
「ぐっ!・・・もう!これ以上戦うのなら・・・」
クリートが再び銃剣を握りフレドに構えるとフレドの真後ろ辺りか少し隣ら辺かの奥に人影が見えた。
影の雰囲気からクリートは血管がブチギレそうになる感覚を抑えフレドの真横を通り走り抜けた。
「てめぇ!!あいつか!」
と叫ぶとバレたのだと自覚し木の影から出てきた。
やはり予測通りライアだ。
「バレたか、まぁ面白いのを見させてもらったわ」
フレドはイラついた様子でライアに聞いた。
「何が面白い・・・言ってみろ!・・・俺にわかるぐらい簡単に」
と聞くとライアの口からは思いもよらぬ真実が飛び出てきた。
フレドにとっては衝撃的な事実でありクリートにとっては無罪の証明がこの場でできる。
「あの女性を変身させたのは俺だ!」
「あの女性・・・変身?どういうことだ・・・ま、まさか!」
察しが着いたのだろう。
その発言はクリートの言ったことを全て裏付けることしか言っていないのだから。
フレドは剣を首に突きつけ
「てめぇ!・・・お前が・・・あいつをやりやがったのか!」
「そうだ、面白いものだ・・・同士討ちは・・・」
「ふん!」
「ごふっ!」
フレドのパンチがライアの腹に入った。
ライアは生身故ダメージは大きい。
ライアは腹を抱え少しづつ倒れてきている。
「ぐっ!だが俺を殺してもあいつは蘇らないぞ」
「・・・これは俺の願いだ・・・全て俺のために戦っていた、クリート、ごめん、ごめんなさい!」
「・・・いや、俺も悪いところはあったさこちらこそ本当にごめんなさい!」
「そんなお涙頂戴な劇は飽きたよ」
と言うとライアは変身した。
フレドはクリートの方へ振り向き
「ごめん、本当にごめん、そして自己中でごめん、また会えたら友達としてくれるかな?」
「何を言ってるんだ馬鹿野郎!友達だよ!俺たちは!」
「クリート!・・・じゃあ行くよ」
と言うとフレドは剣を握りライアの方へ走り出した。
もう覚悟を決めたのだろう。
2人はどこか木々の間をすり抜け見えなくなってしまった。
クリートは疲労やダメージで動けない。
だがフレドを助けないと次は見殺しまで入ってくる。
銃剣を握り立ち上がろうとするが立ち上がれない。
きっとフレドもダメージは酷い。
さっきの攻撃が当たったのだから、それなのに戦いに行かせた罪。
クリートはたった一つのことを考え銃剣を使い立ち上がろうとした。
かなり自己中心的な考えだしさっきまでのことを考えると完全にクズだと自分で思う。
「もう!罪は背負いたくない!」
たったその思いで立ち上がり2人の方へと向かった。
ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・)




