復讐の誓い日
今までで1番えぐい回かもしれん
クリートは近くの倉庫に入った。
何故かと言うとそこに向かう人がいたからだ。
もし避難民ならばバルドルが今指示しているところまで案内しないといけない。
「おい!そこは危険だ!避難なら俺がそこまでついて行ってやる!戻ってこい!」
クリートがそう言うと相手は止まった。
しかし顔を見ると人間では無い。
明らかに変身されている姿だ。
「・・・、まさかなここでも」
その姿は黒く何もかもが尖っている。
全身に棘があると言っても疑わないくらい棘だらけだ。
敵はクリートに向かい走って向かってきた。
クリートは避けて追撃のパンチを与え
「今までに戦った誰よりも弱いな」
「・・・・・・」
「見た目は今まででいちばん怖いがな」
クリートは正直その見た目の異質さや不気味さで少し恐怖を抱いていた。
しかし戦ってみると戦う気がないように感じもするが弱い。
だが敵もこれで終わるわけがなく。
「これは?ぐはっ!」
刺々しい肩アーマーの棘が飛ばされその数本がクリートを貫いたりした。
「はぁはぁはぁ、ぐっ!」
「・・・・・・」
敵は手のひらを見せるように歩いてくる。
手のひらを見せる意味がよくわかないが。
でも足つきは少しおぼつかない様子に見える。
何かに操られているかのようにも感じることは出来た。
クリートはもう一度立ち上がり敵の顔を思いっきり殴り飛ばした。
「おらァ!」
「・・・・・・」
「はぁはぁはぁはぁ、ま、まだやるのか」
敵はまだ動く。
クリートはその様子に激しく恐怖を覚えた。
だが立ち上がるのなら倒すしかない。
「止まれー!」
「・・・・・・」
「まだ、動くのか」
「・・・・・・」
「くっ!」
どれだけ殴られ蹴られても動き出すよう様はまるでサンドバッグのような感じだ。
しかし敵は抵抗をしだした。
黒い棘が下から飛び出してくる。
クリートはとりあえずジャンプをしたがあと1センチぐらいズレていたら串刺しだ。
クリートは間一髪で避けることに成功したが敵はその隙を逃がさずキックをもろに当てれる距離まで行くと飛び蹴りを食らわしてきた。
「がはっ!」
クリートの体がドラム缶郡に入った。
大量の荷物などが落ち轟音が倉庫の中を響かせている。
「はぁはぁはぁ、こ、こいつやるな」
「・・・・・・」
「来るのか?」
「・・・・・・」
「・・・ならこっちもやるか」
敵はまた走って向かってきた。
次は拳を握っている。
真剣な殴り合いになりそうだ。
敵のパンチを避けたつもりだったが反対の手でも殴られていたらしく攻撃が脇腹の装甲に当たった。
棘の塊を刺されたような痛みだ。
「ぐっ!」
装甲から血が出てきている。
クリートは一発で胸装甲にパンチを与えることに成功した。
敵はその衝撃で倒れたがまた立ち上がろうとする。
もうゾンビにしか感じない。
「・・・・・・」
「・・・まだやるのか?」
「・・・・・・」
「お前はテロリストの仲間なのか?」
「・・・・・・」
敵は何も喋らないし首一つも振らない。
また走って向かってくる。
どうしてここまで戦うのだ。
クリートはソードフォームに変身し直し
「もう、良いだろ、ずっと倒れてもまた戦わされてるだけならこれで終わりにしてやるよ!」
クリートは胸装甲を思いっきりソードフォームで斬った。
遂に敵が停止してくれた。
だが結果は残酷なものだ。
クリートは正直ただの一般人でも心がえぐれていたであろうに中にいた人はまさかの身内だった。
変身が解けた瞬間薄い金髪が真っ先に見えた。
次に血が見えた、見覚えのある体と一緒に
顔は幼い、体型はロリ型、巨乳。
信じたくない真実だ。
中にいた人はフレイヤだった。
フレイヤだと分かると今までの行動に全て意味が感じられた。
フレイヤは元々戦闘はしない、警察とは言えども補佐をするだけだ。
多分、いやきっと人を殴ったことがないだろう。
だから動きからも戦闘の意志を感じなかったのだ。
そして不幸はさらに続く。
「クリート・・・う、嘘だろ」
病院から無理やり来たフレドが斬られて変身が解けた瞬間を見てしまった。
もちろんながらフレドはフレイヤがあの禍々しい者になっていたなど知りもしない。
フレドが見えてしまった景色はクリートがフレイヤを斬ってしまったという事実のみだ。
フレイヤは斬られ力無くその場に倒れた。
クリートは絶望で動けない。
フレドは怪我など忘れ急いでフレイヤの所まで駆け寄った。
胸に大きな斬り傷がある。
それが致命傷だ。
それ以外にと小さな傷も多い。
しかしフレイヤは虫の息だ。
もう後は短い。
「フレイヤ!フレイヤ!」
「・・・お、お兄さん、ご、ごめん・・・約束破って」
「そんなことどうでもいい!大丈夫か!今すぐ連絡・・・」
「もういいよ」
フレドが電話をしようとしたがフレイヤが最期の力を振り絞ったのか電話を持つ手を握り訴えた。
フレドもその訴えに応えるしか出来ない。
最期は彼女の意思を尊重しようという意思だ。
「・・・」
「私・・・親が・・・すぐに死んでしまって愛情分からなかった・・・でもお兄さんのおかげで・・・家族・・・わかった気がするよ・・・」
「わかってるよ!これからもするだろ!なぁ!」
「・・・・・・ごめんなさ・・・」
「おい!おもんない冗談はやめろよ、なぁ!起きろ!フレイヤ!なぁ!」
もうフレイヤは動かない。
フレドの頬にあった手が力無くその場に落ちた。
だが顔は満足そうな顔で寝ている。
もう二度と起きない。
その瞬間何かがちぎれた。
「・・・くそー、なんで!なんでフレイヤ!なぁ!くそー!」
フレドは泣くしか出来なかった、大切な人を失いそして殺した人も今まで大親友だと思っていたクリートだという事実。
泣くしかできない。
クリートも同じく絶望していた。
人は殺さない、あの時シブーに言われた一言が永遠につまり最終的にテロリストのボスも殺さないと決めていた。
しかし決めてすぐ人を殺しそれも身内のフレイヤ。
敵になってたとはいえクリートは心底自分に絶望した。
戦う意味、この戦いを終わらせるためには何が必要なのだ。
もう分からない。
クリートは一生人殺しの罪、そして心理的にも身近な人を殺した罪。
そのふたつの罪が永遠にのしかかる。
フレイヤ
死亡
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