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エレメント

正直過去編のフェークの恵まれなさに少し可哀想な気持ちでいっぱいです


怪盗になって以降色々なことがあった。


幸いにも人間関係はボス含め事務所に居るのは2人だけだ。


そのため人間関係のいざこざ等は全くなくボスはとても優しくそのため苦に感じるなんて何一つもない最高の職場だ。


業務内容はほとんどが力仕事だ。


基本は強盗の盗んだ物を盗み元に戻す等といった仕事しかない。


たまぁに聞き周り等の仕事がある程度。


だがフェークにはやりがいを感じていたのだ。


自分の力で世界が平和になりそれでお金が貰える。


これ程幸せな物は無いと思っていた。


しかしそのような楽しい?日々が音を立てて崩れ落ちるのを感じた。


ある日フェークの事務所のボスが殺されてしまった。


フェークが見た時にはもう虫の息だ。


「ボス!目覚めてください!ボス!」


だがボスはそのような状況下でも笑顔で


「お前も感情が芽生えたのか、嬉しい限りだ」


「ボス!」


「最期に1つ言いたいことがある」


「ボス!もう喋らない方がいいです!」


「ずっと笑え」


「え」


「俺がこんな道に勧めたのが悪い、だがお前には普通に暮らして欲しい」


「でも俺はボスと出会えて・・・」


「まぁお前が帰ってきたタイミングで伝えたいことがあったんだ」


「ボス!血が!」


出血量的にももう助からなさそうだ、それはボス自身もわかっておりだから最期にこのような話をしていたのだ。


「この高校で任務だ」


「この高校は?」


「く、クリートシンク、あいつと接触しろ」


「クリートシンクって言うやつにですか?」


「それが俺からの・・・」


息絶えた。


言い切る前に。


その事件の後フェークは今居る高校に入学が完了。


やはりボスは手を回していたらしくクリートと同じクラスに見事になっていた。


入学できたのは良かった、だがボスを失った無気力さで何もやる気がなかった。


ただただぼーっと生きる時間が続いていた。


しかしノルン達の編入から少したった後この無気力さを感じる出来事が終わりを告げる。


クリートがスピードフォームで初めて戦った時の戦闘を上から見ていたのだ。


フェーク自身任務を忘れていたためとりあえず暇つぶし程度に見ていた。


だがある会話が聞こえた。


スクルドとクリートの会話だ。


「・・・昨日の傷があるから無理はできない・・・」


「やってやるよ」


その会話を聞き一気にクリートという男に興味を寄せた。


前まではただの一般男性としか見ていなかったが実際は怪我をしても戦うガッツがある。


その精神力はどことなくあの時のボスを思い出せた。


「・・・あいつすごいな」


そこからあの任務をやり遂げよう、そう決意できたのだ。


コミュニケーションはとりあえず明るさが大事だと聞き明るく話せるように心掛るようにした。


その結果今まで以上に人に話しかけられることが増えた、主に女性だが。


その事で自信を持ち自ら話しかけることにし今に至った。


そしてフェークの夢からやっと覚めれたのだ。


起きた時冷や汗がとてもヤバく起きたあとも心臓が今までにないくらい激しく鼓動が鳴っていた。


目の前を見回すといつもの家だ。


何とか安堵のため息をだし立ち上がろうとした、だが目の前にはソルーが目の前に居る。


窓の景色を見ると真っ暗だ。


正直なんでこんな時間まで居るのかが不思議で仕方がない。


だがソルーは目覚めてすぐに理由を話してくれてそのおかげで理由がすぐにわかった。


「お目覚めですか?」


「はぁはぁはぁ、なんでこんな時間までいるんだ?少し失礼だが」


「すごくうなされてましたけど・・・」


「そんなにか・・・」


「怖い夢でも見ましたか?」


「いや、少し昔のことが思い出されてな」


「・・・前私の過去を聞いたのですから私にも聞く権利ぐらいあるはずですよ」


「いや、大丈夫だ」


「教えてください!隣人が苦しんでいる姿なんて見たくありません」


ソルーが今までに見た事のないくらい必死に言っている。


よっぽどうなされていたのか。


少し反省するべきところだ。


だがきっと嘘をついてもきっと見破られるだろうしこんな過去をどうせ嘘だと思うと感じたフェークはありのままのことを教えた。


だが予想外のことに全て信じてくれたのだ。


「正直信ぴょう性がありません話ですが目の前に変なものが現れた時私ちらっと見てたんです」


「その時クリートさんもそうでしたけど何故かみんな姿が違ったのが分かりました」


「見ていたのか・・・」


「えぇ、バッチリこの目で」


「なら話は早かったんだな」


「あなたの方が辛いじゃないですか、私なんか・・・」


「不幸話は比べるためにあるものじゃないし比べていいものでは無いことは覚えておくんだな」


「・・・すみません」


少し申し訳なさそうな顔で謝ってきた。


実際フェーク自身不幸話の背比べは嫌いだ。


「ごめん、急に熱くなってしまって」


「私こそすみません、確かに不幸話は比べるものでは無いですしね」


「ごめんな、辛い話ばっか、ゲームでもするかと思ったけど時間ないな」


「大丈夫ですよ、私は気にしていませんので、でもわかりました、なんとなくですが」


「何がだ?」


「あなたの性格、私とか友達と居る時はこういう喋り方ですが外ではなんというか仮面を被ったような喋り方みたいな」


「バレたか、まさか見抜かれるなんてな、少し気を緩めすぎた」


「でも自然体で接してくれると少し嬉しい」


「まぁ少なくとも信頼はしてるしお前もだろ」


「うん、少し」


かなり照れている。


顔が薔薇色に変わった。


よっぽど恥ずかしいのだろう。


だが恋愛ニブニブのフェークには何も分かっていない。


フェークはそろそろ時間だし帰らさないとと思い家に帰らすことを促した。


「もう明日から学校だし早く帰って寝た方がいいぞ」


「わかりました、では」


それだけ言うとそそくさと帰って行った。


フェークは今日のことを少し反省しながら風呂に入り寝る用意を行っている。


(でもなんであんなこと思い出したんだ、ソルーと居ると不思議な気分がずっとあるんだよなぁ)


正直友達になりたいだけだったフェークは予想外な出来事が多すぎて混乱しかけている。


でも明日の学校の為早く寝ることを決めた。

ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・)

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