接触
はい、この編長くなりそうですね
今フェークの部屋の空気は気まずさを極めている。
誰かが話さなければならない。
最初に行動を起こしたのはフェークだ。
「クリート、ちょっと待ってて、ソルーどうして家の前にいたの?」
「爆音で起きてしまって」
「起きた理由じゃなくて来た理由が欲しいんだが」
「・・・少し気になってきたの」
「・・・そういう事ね、心配かけてごめんな」
クリートは明らかにここにいてはいけないオーラで体が壊れそうだ。
(俺いるんですけどーイチャつき過ぎると羨ましさで死ぬんだが)
心の中で絶叫している。
そうこう話しているとソルーは立ち上がり
「ごめんなさい、とりあえず今日のところは帰ります」
「良かったら一緒にやるか?」
「すみません、寝ないといけないので」
「ごめんな、心配かけて」
「では、早めに寝た方が良いですよ」
「大丈夫だ、いつも遅刻はしてねぇから」
ソルーは部屋から出ていった。
クリートはかなり気まずい気分で死にかけている。
だが喋らなかったらアウトなので
「・・・あ、あ、あ、安心しろ、俺は言わねぇから」
「ひとつ言う、付き合っては無いからな」
「あれで付き合ってないって言うのが難しいよ、まぁ進展待ってるからな」
「待たなくても永遠にこんな感じたよ、とりあえずゲームすっか」
「そうだな、やるかー」
しかしクリートは全くゲームに集中出来なかった。
あの出来事のせいだ。
(あいつ、何普通に進展させてんだよ!まさかだと思うけどあの家賃払いに行ったのも嘘なのか)
気になって仕方ないが聞くのはあまり良くないかと思い黙っておいた。
日が昇る前にクリートはフェークの家から出た。
「じゃあ、また明日な」
「そうか、もう日が昇ったのか」
「とりあえず急いで帰るな、進展待ってるからな」
「何度も言ってるが進展できねぇよ」
「ハハハ、まぁなんかあれば相談は乗るし手伝ったりするからな」
「じゃあな」
「待ってるからなー」
クリートは帰る最後まで諦めずに言って帰る。
どれだけ言っても進展は無いと思う。
だがやはり気になるものは気になる。
フェークはバレたことにすごく焦っている。
もしフレドなんかにバレたらと考えると背筋が凍る。
でもそんなことを考えてる割にはめちゃくちゃ寝れた。
起きた時には昼前だ。
「ふぁー、朝か、昼じゃん・・・まいっか」
とりあえず昼ごはんを買いに行こうと扉を開けたら目の前にソルーが居た。
「何故にだ」
「生活基準がゴミなので元の生活基準に戻しに来たのですけど」
「大丈夫だ」
「明日から学校ですよ」
「大丈夫だ、俺が遅刻したことは無いだろ」
「そんなことじゃありません、体がぶっ壊れたら学校どころじゃ無いですよ」
「大丈夫だ」
「・・・私が見てて大丈夫に見えないのですよ」
「なんか言った?」
「何も言ってません」
少し拗ねた言い方だ。
実際フェークの生活基準はこの世の終わりに近い。
ソルーはフェークの部屋の中に入った。
「おいおいおい何してる!」
「朝ごはん食べてないのですよね?とりあえず作りますよ、材料もあるので」
「大丈夫だよ」
「隣人が生活習慣病予備軍なのを見て見ぬふりできないし」
「・・・ごめんな、後ありがとう」
「これは私の意思なので別にいいですよ」
30分くらいでご飯が出来た。
どれも美味しそうだ。
魚と米とスープ。
健康的な朝ごはんの模範解答のような感じ。
食べてみるととても美味い。
「美味し!」
「ありがとうございます、じゃあ帰りますね」
「ごめんな!ありがとう」
「別にいいですよ、私自身暇ですし」
「やることとかないのか?」
「勉強ぐらいしかないです」
「娯楽がないのか・・・」
「まぁそうですね」
「じゃあまたゲームやるか?」
「良いのですか?」
「良いぜ、ちょっと俺ご飯食ったら行くところあるし家留守してる間はずっとやってて良いけど」
「本当にいいのですか?」
目が輝いている。
ゲームは何物にも代えがたい娯楽だ。
今まで娯楽に飢えている人がやると中毒に近いくらいやってしまうだろう。
ご飯を食べ終わり身支度して家を出る前に
「じゃあな、ちょっと長くなるのかもしれないが待っててくれ」
「わかりました、気をつけてください」
フェークが向かうのはクリートの家だ。
昨日の件を言いふらされていないか確認のために向かった。
家の前につきインターホンを押す。
開けてきたのはヴェルだ。
「あなたは確か同じクラスの」
「あぁ、ヴェルザンディか、クリート居るか?」
「クリートね、貴様〜人が呼んでるぞ・・・フェークだ」
「居そうか?」
「少し待って」
「了解」
2分くらいすると下から降りてきた。
「フェークかとりあえず上がって」
「良いのか?」
「良いぜ、どうぞ」
「・・・じゃあよろしくお願いいたします」
フェークは何も考えずに入った。
だがクリートは周りには言いふらしはしないが身内には言いふらしていることに気づいていない。
家に入り居間に呼ばれるとノルンとスクルドがキャーキャー言っている所を見てクリートへの殺意が一気に湧いた。
「クリート!言ったのか!」
「大丈夫だ!フレドには言っていない、そしてこの件は済まない、どうしても気になったもんで情報提供ついでに教えた」
「な、何ー!」
「とりあえずあとでなにか奢れよな」
「ジュースでいいか?」
「俺はそんな安い人間では無い、焼肉だ」
「・・・じゃあ無しだ」
「さすがだ」
「ちょろいな」
フェークが居間に座りお茶をクリートの母から受け取った後尋問タイムが始まった。
最初はノルンからだ
「中々だよねぇ怪しいとは思っていたけど」
「そんなにバレやすいか?俺」
「フェークさんからじゃないよソルーさんの反応から何となく察した感じです」
「そっちか〜!」
まさかのソルーがぼろを出していることに驚いている。
だが思い返すと結構あるなと思い出した。
次はスクルドだ。
「でもあの人を落とすって中々だねぇ、フェーク君も凄腕だねぇ」
「落としてもねぇし恋愛はくそざこなんだが」
「そんなことないよ、実際僕のクラスの半分がフェーク君に恋してるし」
「すげぇ人数だな」
「だって君は無自覚に人を落とす力あるからね」
「そんな力持ってたのかよ」
フェーク自身もその力については初めて知ったし無意識に使っていることにも驚きだ。
フェークは昨日のことをクリートに聞いてみた。
「関係なくなるけど昨日クリート、あの攻撃は凄かったな」
「急に!?まあ俺自身分からないけど・・・」
その言葉を遮るかのようにノルンが聞いてきた
「クリートさん!昨日居ないと思えば戦っていたの!?」
「戦っていないと言えば嘘だが、まぁ無事だし」
「もうやめてよね、怖いから、それで何があったの?」
フェークは昨日クリートにあった全ての出来事を話した。
紫色に装甲が変わりガントレットが両腕、両足に着いたこと。
その全てを話した。
ノルンは驚いた様子だ。
ただでさえ不明点が多いガントレットの件なのだから。
「ガントレットが着き装甲の色が変わるってもう意味がわからない感じね」
「キックした時にとてつもない威力の爆発があったんだよ」
「ていうことはあの爆破の件はクリートさんが犯人ってことね」
「・・・」
真実を突きつけられ黙ってしまった。
実際犯人だが。
クリートは1つ気になった点を聞いてみた。
犯人の生死だ。
「そうだ、犯人は死んだのか?」
「生きてるわ、でもかなりボロボロみたいだよ」
「生きててよかった〜」
クリートは安堵した。
あの強化フォームは一体何なのか、まだまだ気になる点が多い。
ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・)




