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恋のうたは流れない

あかん、フェークのキャラは好きなんだ。


好きなんだがこれ以上やると主人公の座をとりそうで仕方ない

「俺、怪盗なんだ」


「・・・え」


フレドとクリートは同時に言ってしまった。


いきなりそんな事実を言われると現実か本当かわからなくなる。


「まぁいきなり言われてもビビるよね、でも本当なんだよ」


「・・・どうして怪盗なんてなったんだ?」


「俺は妹をただ助けたいんだ」


「・・・妹?」


クリートは混乱している。


親のためこんな歳の男が怪盗していることの驚きが多すぎる。


「親が不治の病にかかったんだ、でも治療法などはあるんだ」


「じゃあどうして不治の病って言われてるんだ?」


「・・・治療費が高いんだ、とても」


「・・・」


クリートは黙ってしまった。


聞いてはいけないことを聞いたと思い申しわけなさで一杯だ。


だがこの気まずさを変える人が来てくれた。


ソルーだ。


ソルーがこちらに来て頭を下げた。


こんな姿を見たことない。


ていうかすること自体知らなかった、こんな姿クラスメイトに見られたらなんと言われるのか。


「あ、ありがとうございます」


顔が赤くなっている。


恥ずかしいのだろう。


フェークはソルーに近づき頭を撫でながら


「良かった良かった!」


「・・・一応、助けて貰ったので、あの二人にも助けられました・・・ありがとうございます」


クリートとフレドは謎の照れがあった。


優越感という感情とても大きかった。


フェークは帰ろうとするソルーの後ろを追い続けている。


はたから見たらただのストーカーだ。


「もうやめてください、通報しますよ!」


「ただでは捕まるわけ・・・」


またカバンを投げつけられてしまった。


これでも辞めないフェークは精神が強すぎる。


さすが怪盗と言いたいがここは見習いたくない。


フレドは立ち上がり


「帰るか、疲れた」


「わかる、帰ろ」


2人はとぼとぼと帰路に歩いた。


驚きと疲れのダブルコンボでボロボロだ。


クリートは帰るとノルンが笑顔で迎えてきてくれた。


「クリートさーん!おかえりなさい!」


「あぁ、ただいまただいま」


クリートの疲労感は今のノルンのテンションにどうしても対応できない。


それにノルンも気づいたようで、


「どうしたのです?いつもより疲れてそうですよ」


「色々あってな」


「フェークさんと一緒に帰りましたか」


「フェークならソルーにつけてったよ」


「彼らしいですね」


「捕まらないことを願うよ」


「まぁ彼なら何とかしそうですね」


クリートはダルい体を自分の部屋まで持って行った。


ベッドに入ると自分でもびっくりするくらい直ぐに寝れた。


過去一直ぐに寝れたが明日も疲れると考えるだけで気が遠くなる。


だが時間は止まらずそのまま朝になった。


クリートはとりあえず学校に行くとことにした。


正直こんな静かに登校できるのが毎日の楽しみにしている。


登校を抜くとほとんどが地獄になる。


学校に着くとソルーが居た。


ソルーはずっと静かに本を読んでいる。


彼女らしいっちゃらしい。


フェークがついに登校した。


うるさき日々がまた現れる。


「クリート、フレド、おはよう!ソルーも」


「おはよ」


「おはよう」


2人は挨拶を返したがソルーは返さない。


それでもめげずに挨拶している。


「おはよ!おはよ!おーはーよー!」


「・・・おはよう」


遂に口を開けた、顔は少し赤くなっている。


その様子にフェークは心底喜び


「ソルー!嬉しいよ!」


「やっぱ言うんじゃ無かった」


少し拗ねている雰囲気がある。


でも着実と性格が柔らかくなった感じがした。


今日も今日でフェークは何度も話しかけたが全て失敗した。


それだけ頑張っても振り向かないのはもはやすごいと思う。


時間は経ち下校時になった。


下校時は急な大雨だ。


いわゆるゲリラ豪雨というだと思い少し時間をおいてみたがやはりやまない。


クリートとフレド、フェークは学校で絶望していた。


だが3人とも傘は持っている。


クリートは2人に聞いてみた。


「なんで帰らないんだ?」


「この雨、帰るのめんどくさくない」


「俺も同じだよ、ソルー居ないかな?」


「下心は隠せ、せめて心の中で・・・」


「クリートさん!」


この明るく元気な声はきっとノルンだ。


クリートは後ろを振り向くとやっぱり予想通りだ。


「帰らないのです?」


「この雨だと帰るのが面倒でな、少しくらい待てば止むだろ」


「そう言ってもう10分くらい経ってるの知ってるんだからね」


小悪魔な顔をしながらクリートに囁いた。


クリートはもう諦めて帰ることにした。


「じゃあな、また明日」


「おう、またな熟年夫婦」


フレドはクリートをからかうのが好きだ。


「っな!ムッコロ・・・」


「じゃあ帰りましょうか!クリートさん!」


「なんでそんなノリノリなんだよ」


「なーんでもないです!」


ノルンはクリートを連れてノリノリで帰って行った。


フレドも諦めて帰ることにした。


どの道止みそうにないと理解したからである。


「俺も帰るよ。多分止まないな、お前も早く帰った方がいいぞ」


「・・・そうだな、俺も帰るよ」


結局雨は止むことなく夜まで降り続けてしまった。


場面は変わりフェークの下校時。


フェークの下校時の事だった。


この公園はフェークが登下校時に必ず通る道だ。


まぁまぁでかく滑り台もデカくフェーク自身もたまぁに使うブランコもある。


近くにデカめのベンチもあるくらいデカめな公園だ。


いつもと同じように帰っているとフェークは見かけてしまった。


薄く透き通るような青髪、とても綺麗な姿勢や体型。


フェークは間違えるはずもない。


「あれ?ソルーさん」


ずっと俯きながらみんながクソデカベンチと言っているベンチに座っている。


傘なんか付けずに。


「・・・フェークさん?」


「名前呼び!まさかの、いやいやそれよりどうしてここに」


「か、関係ないです」


「・・・そんなわけないだろ目に涙浮かんでるぞ」


「え」


フェークはいかにもそれらしく目の涙をはらってあげた。


「ひとつ聞く、前見た時もこんなだったな、なんでだ」


「あ、あなたに関係は無いです」


「気になるんだよ、そんなずっと泣いてて」


「私は強いで・・・」


「そんなわけないだろ!」


フェークはつい声を上げてしまった。


「ヒッ!」


という小さな声を上げてしまっていた。


少し申し訳なさで謝った。


「ごめん!」


2人はとても気まずかった。


さすがにあんなことがあったので喋りにくかった、だがソルーが突破口を開いた。


「・・・話します」


「何を?」


「こうなった経緯とかを」


「別に嫌なら言わなくていいよ、そんな赤の他人に教えたくないだろ」


「良いです、あなたの性格上気になって仕方ないと思うので言いますよ、どうせ減るものじゃないですし」


ソルーはまた目に涙を浮かべ話し出した。


その内容はとても辛く酷いものだった。

ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・)

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