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タイムリミット(後編)

「はぁはぁはぁ」


クリートは着地は決めれた。


しかしそれよりも自分の体の限界点がもう目の前に近づいてきていることが肌で感じてきている。


歩くのも壁に横たわりながら歩くのが精一杯だ。


クリートは壁を使い何とかの思いでショッピングモール内に入るとまだノルンは居た。


「あ!クリートさん・・・どうしたのですか!その傷は!」


「あ、この傷はオーディンと戦ってボロ負けさ」


そうあの時なぜクリートはオーディンに捕まっていたのかと言うと負けてしまったのだ。


それでも尚動き続けるものだからオーディンはあの謎の紐を使いクリートの体を無理やり拘束させ創世の力を取り上げようとしている時にフレドが来て事なきを得たのが経緯だ。


ノルンはクリートの体を見ると急いで近づき抱きついた。


ノルンの横顔を見ると涙を浮かべている。


「クリートさん・・・私・・・」


「わかってる・・・生き残るよ・・・これは確約できる」


クリートはノルンに優しく話しかけ落ち着かせた。


生き残るとは言ったがクリートは少し自信が無い。


仮にこの戦いに生き残っても寿命はもう数えれるくらいしか生き残れない。


そうなればまたノルンを悲しませることになる。


それがクリートには大きく心残りとなっている。


「ノルン・・・ありがとう、俺もう、戦わないといけないようだな」


「・・・うん」


そう言うとクリートは優しくノルンを離した。


もっと味わいたかった。


でも目の前の現実はその行為を止めるように進む。


「早くしろ、クリート・・・お前の創世の力を奪い、新たな世界を創る!」


目の前に居るのはクリートのトラウマであるあのキメラの姿だ。


しかし今のクリートはもう全てのことに決意が決まったクリート。


恐れるものは何も無い。


「ノルン、俺やっぱり自分の生みの親とは決着つけなくちゃいけないんだ!」


「それを許諾するのは私では無いよ」


そう言うとクリートは息を吸い腕時計型バックルを構える。


構える最中色々なことを思い出した。


ノルンとの出会いから今までのたくさんの思い出。


楽しいことも苦しいことも沢山ある。


少し不思議な生活もこれでピリオドが打たれることになる。


「あぁ、俺だな・・・じゃあこれを最後にするよ・・・変身!」


クリートは今まで死んだ全ての者に声を聞かせるくらい大きな声で叫んだ。


(みんな!俺これで終わらすよ!)


ガントレットブラスターフォームと姿を変える。


「さぁ、これで終わりだ!」


銃剣を構えオーディンに向かい走り出す。


ノルンは何も出来ない。


いやしてはいけないの方が正しい。


それくらい2人の戦い方は激しく並の人間の戦いでは無いようだ。


「はぁ!」


「ふん!」


クリートが銃剣を振るうとオーディンはその攻撃を片手で防いだ。


しかしクリートはその防ぎの時の腕を使いオーディンが攻撃できないほど至近距離にまで追い詰めた。


「ここなら攻撃できないな!」


そう言うとクリートは自身の銃剣の銃を大量に撃ちまくった。


バンバンバン!


バンバンバン!


バンバンバン!


オーディンの体に大量の鉛玉が当たってるようだ。


するとオーディンは1度距離を離れどこかへ消えた。


(どこだ!)


少し焦りの気持ちが生まれだしたが後ろから物音がするのを聞き取れた。


「そこだー!」


クリートは見抜いたのか銃剣を後ろに振り斬る。


感触がする。


少し重い感触だ。


「がぁっ!」


後ろにワープしていたオーディンに見事に当てることが成功していたようだ。


それによりオーディンは体を大きく斬られてしまった。


オーディンは斬られた部位を片手で抑えつつクリートに見えぬ早さでクリートの首根っこを掴んだ。


「ぐっ!」


クリートは自身の油断を恨むがもう時すでに遅しだ。


そのままオーディンは足を思いっきり踏ん張り高くとても高くジャンプした。


ブゥーン!


オーディンのジャンプにより一瞬物凄い風が当たりを包んだ。


それによりノルンは軽く尻もちを着いた。


しかし今は立つこともせずただただこの情景を見ることしか出来ない。


(クリートさん・・・)


今のノルンには祈るしかできない。


その無力さに激しく後悔する。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「がはっ!はぁはぁはぁ、ごふっ!」


まだ意識があることが不思議で仕方ない。


何故かと言うと最上階から1階までとてつもないパンチで殴られ落とされる。


そのせいで血を吐き何とかの思いで生きている。


体に何か刺さっているのは知っているが取るのすら億劫になってしまう。


着地寸前でマントを体に巻いたおかげで何とか意識は失わなかったものの怪我は酷い。


「あれ、あなたは確かフレドだっけ?」


どこかから聞き覚えのある声が聞こえた。


フレドはボロボロの体を何とかの思いで立ち上がり顔を見るとその顔は見た事のある顔だ。


「ラルーさん?」


「良かったよ何とか生きはしているようね」


ラルーの顔を見るとさっきまでの少しビビっていた顔が明るくなった。


フレドも知り合いが来てくれたことにより孤独や不安は消えてきている。


「とりあえず出口まで行きましょう」


「わ、わかった」


ラルーとフレドはそう決めると急いで入口の方へ足を進めた。


しかしフレドの怪我のせいか移動に時間がとてもかかっている。


「ご、ごめん、まだ体が痛くて」


「いやすごい方よ、あの距離からそれもあの威力で殴られて生きてるんだから」


ラルーはとても驚きの表情でじっと見つめていた。


その時ある1つの疑念が頭に浮かんだ。


「まさか見ていた?」


「遠くからね」


見ているなら助けて欲しいと思ったがもう去ってしまったことなのであまり気にせずに歩いた。


というかそんなことを考えれるほど体力は残ってはいない。


「ははは、何だこの様は?」


後ろから笑い声が聞こえる。


その声はもう二度と聞くことは無いと思っていた声だ。


後ろからの謎の声を聞くとラルーは物凄いスピードと剣幕で後ろを見た。


後ろを見たラルーは声を漏らす。


「ら、ライア、生きているとはね」


「なぜあいつが!」


フレドはぼーっとしていた頭がこの瞬間冴えた感覚だ。


最後はこの手で打ったはずなのに生きていることが驚きで仕方ない。


「あぁ、確かにお前の攻撃で死んだと、思っていたよ!」


「え」


「お前は最後にひとつが足りなかったんだよ・・・さぁ遊ばせて行くぜ」


そう言うとライアは変身体に姿を変え黒い剣を肩に乗せ歩き出す。


「・・・変身・・・」


ラルーが静かに変身体に姿を変貌させる。


フレドも姿を変えようとしたがラルーに「今のフレドの体力じゃ無理だよ」と止められた。


フレド自身無茶なのはわかっているが目の前で見ているのは見ているので苦しい。


自分の無力さを感じさせられるなどの自己中な答えだがそれが本心なのは本心だ。


しかし目の前の現実はそのような思考すら考える暇を与えない。


ライアの攻撃が始まった。


まずライアは剣を大きくラルーに振るうがラルーはその攻撃を小型ナイフで無理ない範囲で受け流す。


ぶん!


かっ!


きーーーーん!


その受け流しを終えるとラルーはそのナイフをライアの腹に投げ刺した。


至近距離での投擲なので外れるわけがなくちゃんとダメージを受けている。


「がはっ!」


ラルーまた小型ナイフを用意するがさすがにライアも2度はやられずラルーを足で蹴り飛ばし距離を無理やり空けた。


「くっ!中々やるね」


「はぁ、さぁここから俺の領域(ゾーン)内だ、もうお前の行動など手に取るように分かる」


そう言うとラルーはライアの死角内に走り込むがライアは死角に入れそうでは入れないもどかしい距離を自己的に作った。


そのせいかラルーの動きも徐々に雑になりつつある。


そのような停滞した状態に変える出来事はライアから作った。


ラルーの動きに少し疲れが見え始めてきたタイミングでライアがたった一瞬の間にラルーの懐に入り込んだ。


「え!」


「俺は少し戦い方を変えたんだよ・・・この瞬間をなぁ」


そうねっとりとした声で言うとライアが手で持っている剣を振り斬った。


ぶん!


「がはっ!」


空気の切る音がとても大きいぐらいの斬撃だ。


ラルーはその攻撃をもろに受けてしまった。


「ラルーさん!」


フレドは叫び変身をするが体の痛みで上手く動けない。


(くっ、くそぉここまで来て)


リボルバーを構えるが手が震えすぎて銃身が上手くターゲットに定まらない。


そんなフレドは自分自身が許せない。


(くそぉ、目の前で・・・当てる、その意思で)


ライアはさっきの斬撃で飛んで行ったラルーの方へゆっくりと歩いている。


その歩き方は少し調子に乗っていると言えるものを感じる。


黒い剣を肩に乗せゆっくりと首を回しながら歩く姿はまさに強敵にふさわしいだろう。


そう認めらずは得れない姿だ。


(この一撃で必ず決める)


その覚悟でフレドは立ち上がりリボルバーを静かに構えた。























タイムリミットまで残り18時間

ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・)

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